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第2章 手帳

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 もう、無駄なのだと分かりました。

「すみませんでした」

 私の想いは、一ミリも聞いてもらえないのだと悟りました。

 私は頭を下げました。圧力に押さえてつけられるように。 

「すみませんでした。すみませんでした」

 何度も繰り返します。

 許してもらうまでと言うより、彼らの怒りが収まるまで。
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