【完結】失くし物屋の付喪神たち 京都に集う「物」の想い

第2章 手帳

2-1

　散々な夜でした。

　失くし物屋を知り、弦介さんやルリナと出会った後の事です。　　

　何があったかと言うと、家族から強烈な雷が落ちました。お説教の大嵐です。

　大体こんな感じの事を言われました。

「どこに行ってたの！　料亭の手伝いもせず、おばあ様を突き飛ばして、親に無断で出かけるなんて！　この恥知らず！　誰が世話してやってると思ってるの？　私達がいなきゃ生きていけないくせに、親に逆らうんじゃないわよ！　親孝行もしないし、あなた何も役に立ってないじゃない！」

　荒れ狂う母。

「本当にビックリしました。何なのですか、この子は？　兄のしろがねと真逆じゃないですか。この子達が兄妹だなんて嘘でしょう。器用で賢くて料理上手なしろがねと、何の取り柄も無いのに生意気なこがね。少しは兄を見習いなさい！」

　兄と比較して嫌味を言う祖母。

「このバカ娘！　料亭の娘である自覚が無いのか？　時間が１秒でも余っていたら全て料理の練習に捧げろ。そんなだから、いつまで経っても不味い飯ばかり作って兄に追いつかないんだ。鴫野宮しぎのみや家の面汚しめ」

　暴言を吐く父。

「謝れ……謝るんだ……ゴホッゴホッ」

　血圧が上がって体調が悪くなる祖父。