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第1章 タイムカプセル

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 涙を見せるのは、弱みを見せる事になる。

 そう思って拒否していたのに……一度自覚したら、溢れて溢れて止まらないのです。

「こがね」 

 美雲丸が、触れられないくせに、私の手に自分の手を重ねました。

「こがね」

 名前を呼ばれるだけで幸せな気持ちになるのは、どうしてでしょうか。
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