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第1章 タイムカプセル
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料亭の空けておいた正面入り口から、七歳前後の女の子が飛び出して来ます。勢いそのまま、私に抱きつきました。透明ですし、感触は無いですけど。
「こがねちゃん、おはよー! 遊んでー!」
「フク、今は無理だよ。掃除中」
「掃除? 何でー? ゴミなんて無いし、綺麗なのに」
「母の嫌がらせだよ。本人は躾のつもり。まぁ、なんかそれ以外にも理由がありそうな気がするけど……」
フクは首を傾げました。サラサラのポニーテールが可愛らしいです。組紐に鈴を通した髪留めが、歩くたびにチリンチリンと音を奏でます。大きくて丸っこい瞳で見上げて来ます。今日も赤い鞠柄の着物と鼠色の袴がよく似合っていました。
「あっ、美雲丸もいたんだ。いつもこがねちゃんと一緒にいるねー」
「他に会いたい人がいないからな」
「フクだってそうだよー。料亭の他の人、怖いもん」
フクは料亭の廊下の端にある、招き猫の付喪神です。
「こがねちゃん、おはよー! 遊んでー!」
「フク、今は無理だよ。掃除中」
「掃除? 何でー? ゴミなんて無いし、綺麗なのに」
「母の嫌がらせだよ。本人は躾のつもり。まぁ、なんかそれ以外にも理由がありそうな気がするけど……」
フクは首を傾げました。サラサラのポニーテールが可愛らしいです。組紐に鈴を通した髪留めが、歩くたびにチリンチリンと音を奏でます。大きくて丸っこい瞳で見上げて来ます。今日も赤い鞠柄の着物と鼠色の袴がよく似合っていました。
「あっ、美雲丸もいたんだ。いつもこがねちゃんと一緒にいるねー」
「他に会いたい人がいないからな」
「フクだってそうだよー。料亭の他の人、怖いもん」
フクは料亭の廊下の端にある、招き猫の付喪神です。
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