不良探偵ダン・エルトン

ヲダツバサ

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第1章 過去と今とダン・エルトン

1-7

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「お前ってほんと素敵な女の子だよな。俺、惚れちゃいそう」

「はいはい」

 俺達は歩き出した。







 シェリーが給仕をしているレストランは孤児院からそんなに離れてない。目の前の大通りを北に向かってずっと進んで、体感五分は歩いたなって時に左に曲がれば、通りの角にある。

 大通りと言っても、ここもスラムの一角だ。きったねぇし、ホームレスと行き倒れだらけ。冷たい石畳みの地面を、靴音を響かせて、皆彼らを無視して歩いた。

 速歩きの俺を、シェリーが小走りで追いかける。

「女に速度を合わせる優しさは無いんだね」

 俺は少しだけ速度を落としてやるが、

「モタモタしてると目ぇ付けられるぞ」

「分かってる」

 ここじゃトロい奴は獲物と認識される。俺はシェリーの背中を軽く押してやりながら歩いた。

「なぁ、この町好きか?」

「好きって答える奴はイカれてる」

「だよなぁ。でも俺、たまに居心地良く感じるんだ」

「それは気のせいだよ。人間の心はふるさとを、帰る場所を求めてるから、ここしか知らないダンは無意識に依存してるだけ」

「そうかな」

「そうだよ。もっと他の町に行ってみれば、ここへの執着なんて無くなる」

 シェリーはそう言った。こいつ、俺より年下なのに精神面は大人びてやがる。

 けど、言う通りなんだよな。俺はまだまだ世間知らずのガキだから、こんな酷い町でも出ていくのが恐いんだ。


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