366 / 399
第365話
しおりを挟む
「おぉぉぉぉぉぉっ!!」
棒を通じてリングを消失させたグレイが空中に突如投げ出されたマドッグに向かって頭を向ける。
浮いたマドッグに対して頭からグレイが落下するような形だ。
(この手は一度しか使えない。・・・ここで決める!【展開】!!)
グレイは自身の足の位置に今【格納】したリングを【展開】する。
リングはマドッグが逃げられないようにグレイを中心にリングの中央が来るように【展開】させる。
「なんだとっ!!貴様も死ぬつもりか!!」
マドッグが動揺するのも無理はない。
石のリングは直径は少なくとも50m、厚みは3mはあるのだ。
直撃すれば生身の人間が絶えられる重量ではない。
だとしても魔法を使えば対策は出来てしまう。
グレイはマドッグが逃げられないようにする必要があった。
ダンッ
グレイは自身よりも上空に出現させたリングにあろうことか着地し、地面に向けて飛ぶ。
(正気かっ!あの小僧は!!)
マドッグは空中で身動きが取れない中でグレイとリングに対応するために魔力を溜める。
「させるかっ!【展開】!!」
グレイは敢えて声を出しマドッグに対して更なる追撃を行う。
「・・・いかれてやがる。あの娘と同じように刺し違えるつもりか」
マドッグは自分が着地するはずの地面に文字通り剣山の如く大小さまざまな剣を地中に埋めた状態で出現させたグレイに対して憎々し気に呟く。
(だが、これを凌げばこいつに残された手段はない。待ってろ、最後に笑うのはこの俺だ)
マドッグは危機的状況の中で冷静を取り戻すと、グレイの勢いから計算して自分が剣山に着地する方が早いことを悟る。
マドッグは空中で体を捻り、比較的損傷が少なそうな場所に着地する。
ズバッ
地面に足が近づくにつれて剣山によって両足が損傷されていく。
(ふん。この程度の鈍らでは大した怪我にはならんぞ。初めは驚きこそしたが冷静になればどうという事もない)
マドッグは先に地面に足を着けたら、グレイ毎リングに大穴を開けようとまず拳を強く握る。
そして、両足が地面に着地し始める。
まずはつま先、そして踵。
集中しきっているマドッグはその動作一つ一つがとてつもなくゆっくりに感じられる。
(はーはっはっ!これでお前に勝てる!!)
マドッグは着地し始めるのを意識しながらもグレイに勝てることを確信し、笑みを深める。
そして、
グサッ
マドッグの踵に鋭い痛みが走った。
棒を通じてリングを消失させたグレイが空中に突如投げ出されたマドッグに向かって頭を向ける。
浮いたマドッグに対して頭からグレイが落下するような形だ。
(この手は一度しか使えない。・・・ここで決める!【展開】!!)
グレイは自身の足の位置に今【格納】したリングを【展開】する。
リングはマドッグが逃げられないようにグレイを中心にリングの中央が来るように【展開】させる。
「なんだとっ!!貴様も死ぬつもりか!!」
マドッグが動揺するのも無理はない。
石のリングは直径は少なくとも50m、厚みは3mはあるのだ。
直撃すれば生身の人間が絶えられる重量ではない。
だとしても魔法を使えば対策は出来てしまう。
グレイはマドッグが逃げられないようにする必要があった。
ダンッ
グレイは自身よりも上空に出現させたリングにあろうことか着地し、地面に向けて飛ぶ。
(正気かっ!あの小僧は!!)
マドッグは空中で身動きが取れない中でグレイとリングに対応するために魔力を溜める。
「させるかっ!【展開】!!」
グレイは敢えて声を出しマドッグに対して更なる追撃を行う。
「・・・いかれてやがる。あの娘と同じように刺し違えるつもりか」
マドッグは自分が着地するはずの地面に文字通り剣山の如く大小さまざまな剣を地中に埋めた状態で出現させたグレイに対して憎々し気に呟く。
(だが、これを凌げばこいつに残された手段はない。待ってろ、最後に笑うのはこの俺だ)
マドッグは危機的状況の中で冷静を取り戻すと、グレイの勢いから計算して自分が剣山に着地する方が早いことを悟る。
マドッグは空中で体を捻り、比較的損傷が少なそうな場所に着地する。
ズバッ
地面に足が近づくにつれて剣山によって両足が損傷されていく。
(ふん。この程度の鈍らでは大した怪我にはならんぞ。初めは驚きこそしたが冷静になればどうという事もない)
マドッグは先に地面に足を着けたら、グレイ毎リングに大穴を開けようとまず拳を強く握る。
そして、両足が地面に着地し始める。
まずはつま先、そして踵。
集中しきっているマドッグはその動作一つ一つがとてつもなくゆっくりに感じられる。
(はーはっはっ!これでお前に勝てる!!)
マドッグは着地し始めるのを意識しながらもグレイに勝てることを確信し、笑みを深める。
そして、
グサッ
マドッグの踵に鋭い痛みが走った。
94
お気に入りに追加
1,445
あなたにおすすめの小説
超時空スキルを貰って、幼馴染の女の子と一緒に冒険者します。
烏帽子 博
ファンタジー
クリスは、孤児院で同い年のララと、院長のシスター メリジェーンと祝福の儀に臨んだ。
その瞬間クリスは、真っ白な空間に召喚されていた。
「クリス、あなたに超時空スキルを授けます。
あなたの思うように過ごしていいのよ」
真っ白なベールを纏って後光に包まれたその人は、それだけ言って消えていった。
その日クリスに司祭から告げられたスキルは「マジックポーチ」だった。
ドラゴンなのに飛べません!〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜
藤*鳳
ファンタジー
人間としての寿命を終えて、生まれ変わった先が...。
なんと異世界で、しかもドラゴンの子供だった。
しかしドラゴンの中でも小柄で、翼も小さいため空を飛ぶことができない。
しかも断片的にだが、前世の記憶もあったのだ。
人としての人生を終えて、次はドラゴンの子供として生まれた主人公。
色んなハンデを持ちつつも、今度はどんな人生を送る事ができるのでしょうか?
スキルを極めろ!
アルテミス
ファンタジー
第12回ファンタジー大賞 奨励賞受賞作
何処にでもいる大学生が異世界に召喚されて、スキルを極める!
神様からはスキルレベルの限界を調査して欲しいと言われ、思わず乗ってしまった。
不老で時間制限のないlv上げ。果たしてどこまでやれるのか。
異世界でジンとして生きていく。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる