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第323話
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「じゃあ、頑張ってねグレイ!アリシアさん!!」
大会会場まで到着すると、エルリックが手を上げて激励をする。
「おう、ありがとう」
「ありがとうございますわ」
グレイとアリシアがエルリックの言葉に応える。
続いてセリーがアリシアに近寄り、
「アリシアがんばれ」
と小さな拳でガッツポーズをする。
「ふふ、ありがとうございますセリー」
セリーのその姿に笑みを浮かべお礼を言うアリシア。
セリーは満足そうに頷くと、今度はグレイの方に近寄り、
「・・・死なないようにね」
ボソリと告げる。
「うっ・・・」
グレイはセリーのあながち冗談とも言えない言葉に少し怯んだ後、
「善処するよ」
絞り出すように応える。
「ん」
セリーはグレイの言葉に頷くと、
「・・・エルリック、行こう。何かご馳走してくれる?」
「え?ああ、良いよ。じゃあ、またね」
エルリックはセリーの言葉に一瞬戸惑ったがすぐに快諾するとグレイとアリシアに声をかけてから観客席に向かう。
「・・・さあ、参りましょうか」
二人の姿が見えなくなるまで見送った後、グレイに声を掛けるアリシア。
「・・・ああ」
グレイは何かに驚きながら返事をする。
「?どうかしましたか?」
グレイの様子に気がついたアリシアが不思議そうにする。
「・・・いや・・・エルとセリーってあんなに仲良かったかと思って・・・」
グレイは思ったことを素直に答えると、アリシアは合点がいった顔で、
「ああ。その事ですね。私《わたくし》達が朝訓練室に直行する際に途中までは4人で最後に二手に分かれていたじゃないですか?」
「ああ」
「帰りは4人で帰ることはありませんでしたが、どうやらエルリックさんとセリーは自然と2人で帰ることが多くなったみたいなのです」
「へぇ、そうたったのか・・・」
グレイはアリシアから初めて聞くことに驚く。
「恐らく、その時に段々と仲良くなっていったのだと思いますわ」
「なるほど。2人とも貴族だし、ありかもな」
グレイはアリシアの言葉を聞いてエルとセリーが上手くいくことを想像したのか温かい笑みを浮かべる。
「ふふふ、そうですわね」
アリシアもグレイと同意見なのか優しい笑みを浮かべた。
「では、お互い最善を尽くしましょう」
「畏まりました。アリシア様」
選手控室に向かったアリシアとグレイは大会運営者の前で互いに言葉を交わす。
人の目もあるためグレイは付き人モードで返事をする。
「では、アリシア・エト・バルム様。こちらへどうぞ」
「はい。ありがとうございます」
まず、アリシアを案内する運営。
グレイは頭を下げ、アリシアを見送る。
「では、グレイ・ズー様、こちらにいらしてください」
続いてもう一人の運営がグレイを控室につれて行こうと歩き出した。
大会会場まで到着すると、エルリックが手を上げて激励をする。
「おう、ありがとう」
「ありがとうございますわ」
グレイとアリシアがエルリックの言葉に応える。
続いてセリーがアリシアに近寄り、
「アリシアがんばれ」
と小さな拳でガッツポーズをする。
「ふふ、ありがとうございますセリー」
セリーのその姿に笑みを浮かべお礼を言うアリシア。
セリーは満足そうに頷くと、今度はグレイの方に近寄り、
「・・・死なないようにね」
ボソリと告げる。
「うっ・・・」
グレイはセリーのあながち冗談とも言えない言葉に少し怯んだ後、
「善処するよ」
絞り出すように応える。
「ん」
セリーはグレイの言葉に頷くと、
「・・・エルリック、行こう。何かご馳走してくれる?」
「え?ああ、良いよ。じゃあ、またね」
エルリックはセリーの言葉に一瞬戸惑ったがすぐに快諾するとグレイとアリシアに声をかけてから観客席に向かう。
「・・・さあ、参りましょうか」
二人の姿が見えなくなるまで見送った後、グレイに声を掛けるアリシア。
「・・・ああ」
グレイは何かに驚きながら返事をする。
「?どうかしましたか?」
グレイの様子に気がついたアリシアが不思議そうにする。
「・・・いや・・・エルとセリーってあんなに仲良かったかと思って・・・」
グレイは思ったことを素直に答えると、アリシアは合点がいった顔で、
「ああ。その事ですね。私《わたくし》達が朝訓練室に直行する際に途中までは4人で最後に二手に分かれていたじゃないですか?」
「ああ」
「帰りは4人で帰ることはありませんでしたが、どうやらエルリックさんとセリーは自然と2人で帰ることが多くなったみたいなのです」
「へぇ、そうたったのか・・・」
グレイはアリシアから初めて聞くことに驚く。
「恐らく、その時に段々と仲良くなっていったのだと思いますわ」
「なるほど。2人とも貴族だし、ありかもな」
グレイはアリシアの言葉を聞いてエルとセリーが上手くいくことを想像したのか温かい笑みを浮かべる。
「ふふふ、そうですわね」
アリシアもグレイと同意見なのか優しい笑みを浮かべた。
「では、お互い最善を尽くしましょう」
「畏まりました。アリシア様」
選手控室に向かったアリシアとグレイは大会運営者の前で互いに言葉を交わす。
人の目もあるためグレイは付き人モードで返事をする。
「では、アリシア・エト・バルム様。こちらへどうぞ」
「はい。ありがとうございます」
まず、アリシアを案内する運営。
グレイは頭を下げ、アリシアを見送る。
「では、グレイ・ズー様、こちらにいらしてください」
続いてもう一人の運営がグレイを控室につれて行こうと歩き出した。
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