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第317話
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「え、ええ。存じておりますわ」
セリスのグレイ・ズーを知っているかという問いに少しだけどもりながら答えるアリシア。
アリシアには疑念が過る。
(もしかして、セリスはユーマリアさんの件に関して本当は私《わたくし》が治した訳では無いと理解した上でグレイの話題を出したのかもしれません)
だが、その疑念は目の前のセリスの会話のネタになるようなことを呟いただけといった様子を見てすぐに違うと分かる。
(このような表情しながら裏で探りを入れているようでしたら誤魔化しようがありませんわ)
その時はバレでも仕方がない。
アリシアがそう覚悟していると、セリスが言葉を続ける。
「やはり、ご存知なのですね!【魔法武闘会】のチラシに記載のあったお名前の中で唯一私《わたくし》が耳にしたことがないお名前でしたので気になってしまったのです。一応、一通り貴族の方のお名前は頭に入れていたつもりでしたが『ズー家』というのは初めてでしたので」
(あ、そういうことでしたか)
アリシアはセリスの言葉に納得する。
確かに【魔法武闘会】に出ている名前の中でグレイは浮いているだろう。
しかもまだ4年生なのだ。
セリスが気になるのも頷ける。
「それはそうでしょう。グレイは貴族ではなく村人なのですから」
アリシアがいつものようにグレイを呼び捨てながら返事をしてしまう。
「え!?本当ですかっ!?私《わたくし》と同じ村人なのですね!凄いですね!!・・・あれ?アリシアはそのグレイ・ズーさんと仲がよろしいのですか?」
セリスがアリシアの言葉に感動を口にした後に疑問符を浮かべる。
アリシアはセリスの言葉に過剰に反応してしまう。
「ええ、勿論ですわ。グレイは私《わたくし》の付き人でもあるのですよ」
セリスの自分と同じ村人という言葉に対抗してか思わず言わなくても良いことを言ってしまう。
普段のアリシアならまず黙っていただろうが自制がきかなかったのだ。
「えっ!?村人が3大貴族であるバルム家の長女であるアリシアの付き人なのですかっ!?・・・【魔法武闘会】にも出場されているし物凄い方なのですね」
セリスがグレイに対して段々と興味津々になっていくのが良く分かった。
(はっ!?私《わたくし》は一体何を・・・)
セリスの様子を見てアリシアが我に返る。
が、時すでに遅しであった。
「アリシア!もしよけれは今度グレイ・ズーさんを私《わたくし》に御紹介してくださいませんか!?」
アリシアが我に返った時にはセリスからグレイを紹介してほしいと頼まれてしまったのだ。
グレイが持つ異常性・・・特にセリスに対して言えば【エリクサー】を持っている事・・・が発覚する可能性が高いためセリスとグレイの間に接点を作らないことが最善だったのに・・・
セリスのグレイ・ズーを知っているかという問いに少しだけどもりながら答えるアリシア。
アリシアには疑念が過る。
(もしかして、セリスはユーマリアさんの件に関して本当は私《わたくし》が治した訳では無いと理解した上でグレイの話題を出したのかもしれません)
だが、その疑念は目の前のセリスの会話のネタになるようなことを呟いただけといった様子を見てすぐに違うと分かる。
(このような表情しながら裏で探りを入れているようでしたら誤魔化しようがありませんわ)
その時はバレでも仕方がない。
アリシアがそう覚悟していると、セリスが言葉を続ける。
「やはり、ご存知なのですね!【魔法武闘会】のチラシに記載のあったお名前の中で唯一私《わたくし》が耳にしたことがないお名前でしたので気になってしまったのです。一応、一通り貴族の方のお名前は頭に入れていたつもりでしたが『ズー家』というのは初めてでしたので」
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確かに【魔法武闘会】に出ている名前の中でグレイは浮いているだろう。
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「それはそうでしょう。グレイは貴族ではなく村人なのですから」
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「え!?本当ですかっ!?私《わたくし》と同じ村人なのですね!凄いですね!!・・・あれ?アリシアはそのグレイ・ズーさんと仲がよろしいのですか?」
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「ええ、勿論ですわ。グレイは私《わたくし》の付き人でもあるのですよ」
セリスの自分と同じ村人という言葉に対抗してか思わず言わなくても良いことを言ってしまう。
普段のアリシアならまず黙っていただろうが自制がきかなかったのだ。
「えっ!?村人が3大貴族であるバルム家の長女であるアリシアの付き人なのですかっ!?・・・【魔法武闘会】にも出場されているし物凄い方なのですね」
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