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第285話
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【・・・】
魔人形のリーダーはアリシアとグレイのやり取りをじっと見てからアリシアの名を呼ぶ。
【アリシア様】
「はい。何でしょうか?」
アリシアはグレイから魔人形の方へ視線を戻しすと返事をする。
【もしかして・・・アリシア様は主の奥方様なのでしょうか?】
そして、魔人形の言葉に見ていて分かるくらい動揺し始める。
「なっ、なっ、なっ、何を仰るのですか!?わ、私《わたくし》とグレイは夫婦ではありませんわ・・・今のところ・・・」
顔を真っ赤にさせ、慌てて否定するアリシア。
後ろで聞いていたグレイも自分に聞かれたわけでもないのにソワソワしながら、アリシアの言葉を頷き肯定する。
最後の言葉は物凄く小さく消えそうな声で発言するため、すぐそばにいるグレイにも聞こえない。
【失礼致しました。(今のところ・・・と言うことは主に対しての好意はあられるということですね)】
・・・が、魔人形にはしっかりと聞こえて居たようだ。
「・・・」
(頭の中に声が聞こえますわ・・・もしかして、これが『念話』でしょうか・・・それにしても最後のセリフを聞かれてしまったようですわね)
突如、頭の中に響いた声により沈黙するアリシア。
イレギュラーな伝え方をされたため内容についての動揺は思ったよりも少ない。
「アリシア?」
急に黙ったアリシアに対して不思議に思ったグレイが声をかける。
「あ、いえ実は今魔人形の言葉が頭の中に聞こえたものですから」
グレイに対して今起こったことを話すアリシア。
「頭の中に声?」
グレイは何の事だと疑問符を浮かべる。
『念話だ。こ奴らは発声という方法以外にも直接相手に意思を伝える術を持っているのだ』
「へぇ。それは凄いな」
イズの説明に対してグレイは感心する。
相手を目の前にしても聞かれること無く相談が出来るということだ。
先程、魔人形達が沈黙していたのはやはり声を出さずに相談し合っていたのだろう。
色々と使い道がありそうである。
「そうですわね。これもまた、戦争の火種になりそうですが・・・もはや今更ですわね・・・」
アリシアがグレイの方を見ながら諦め気味に同意する。
「うっっ・・・ごめん」
グレイも自覚があるのか苦い表情をしながら謝る。
「ふふふ、もう悟ってますから大丈夫ですわ」
アリシアが苦笑を浮かべると魔人形に向き直る。
(ひとまず、グレイに念話の内容について聞かれなくて済みましたわ)
アリシアは内心ホッとすると、今の内に会話を再開する。
「『念話』につきましては色々とお聞きしたいこともありますが、先程の話を続けますわね」
【はい。よろしくお願い致します】
「先程グレイから話のあった迷宮の外での常識を学ぶという事についてですが、暫くの間私《わたくし》の屋敷でメイドや執事として働いて貰い、学んで頂こうと考えております」
【【【畏まりました!】】】
アリシアの言葉に魔人形達が声を揃えて同意する。
アリシアはそれを聞いて満足そうに頷いた後、詳細説明をし始めた。
魔人形のリーダーはアリシアとグレイのやり取りをじっと見てからアリシアの名を呼ぶ。
【アリシア様】
「はい。何でしょうか?」
アリシアはグレイから魔人形の方へ視線を戻しすと返事をする。
【もしかして・・・アリシア様は主の奥方様なのでしょうか?】
そして、魔人形の言葉に見ていて分かるくらい動揺し始める。
「なっ、なっ、なっ、何を仰るのですか!?わ、私《わたくし》とグレイは夫婦ではありませんわ・・・今のところ・・・」
顔を真っ赤にさせ、慌てて否定するアリシア。
後ろで聞いていたグレイも自分に聞かれたわけでもないのにソワソワしながら、アリシアの言葉を頷き肯定する。
最後の言葉は物凄く小さく消えそうな声で発言するため、すぐそばにいるグレイにも聞こえない。
【失礼致しました。(今のところ・・・と言うことは主に対しての好意はあられるということですね)】
・・・が、魔人形にはしっかりと聞こえて居たようだ。
「・・・」
(頭の中に声が聞こえますわ・・・もしかして、これが『念話』でしょうか・・・それにしても最後のセリフを聞かれてしまったようですわね)
突如、頭の中に響いた声により沈黙するアリシア。
イレギュラーな伝え方をされたため内容についての動揺は思ったよりも少ない。
「アリシア?」
急に黙ったアリシアに対して不思議に思ったグレイが声をかける。
「あ、いえ実は今魔人形の言葉が頭の中に聞こえたものですから」
グレイに対して今起こったことを話すアリシア。
「頭の中に声?」
グレイは何の事だと疑問符を浮かべる。
『念話だ。こ奴らは発声という方法以外にも直接相手に意思を伝える術を持っているのだ』
「へぇ。それは凄いな」
イズの説明に対してグレイは感心する。
相手を目の前にしても聞かれること無く相談が出来るということだ。
先程、魔人形達が沈黙していたのはやはり声を出さずに相談し合っていたのだろう。
色々と使い道がありそうである。
「そうですわね。これもまた、戦争の火種になりそうですが・・・もはや今更ですわね・・・」
アリシアがグレイの方を見ながら諦め気味に同意する。
「うっっ・・・ごめん」
グレイも自覚があるのか苦い表情をしながら謝る。
「ふふふ、もう悟ってますから大丈夫ですわ」
アリシアが苦笑を浮かべると魔人形に向き直る。
(ひとまず、グレイに念話の内容について聞かれなくて済みましたわ)
アリシアは内心ホッとすると、今の内に会話を再開する。
「『念話』につきましては色々とお聞きしたいこともありますが、先程の話を続けますわね」
【はい。よろしくお願い致します】
「先程グレイから話のあった迷宮の外での常識を学ぶという事についてですが、暫くの間私《わたくし》の屋敷でメイドや執事として働いて貰い、学んで頂こうと考えております」
【【【畏まりました!】】】
アリシアの言葉に魔人形達が声を揃えて同意する。
アリシアはそれを聞いて満足そうに頷いた後、詳細説明をし始めた。
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