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第147話
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コンコンコン
「失礼致します」
私《わたくし》が過去を振り返っていると、応接室の扉をノックする音が3回響き、中に二人の人物が入っていらっしゃいました。
私《わたくし》はソファから立ち上がり、お二人に近づきます。
お二人の内の一人はここまで連れてきてくださったバスター家の当主の方と、もう一人は私《わたくし》と同じくらいの年齢の男の子です。
御子息でしょうか、どうやら緊張されているようです。
「聖女様、こちらは私の二番目の息子のエルリックと申します」
私《わたくし》の考えを察したのか、御当主が御子息を紹介してくださいます。
「エルリック・バスターです。聖女様、宜しくお願い致します」
御子息・・・エルリック様が頭を下げ、挨拶をしてくださったので私《わたくし》も同じく頭を下げ、
「セリス・ロングマリーと申します」
挨拶をした後、
「早速ですが、バスター様。御息女のところへ案内してくださいますか?」
危篤と言われている御息女のところへ向かうためにお声掛けをする。
すると御当主は意外な反応を示されました。
「それが・・・我々がこちらに来る間に治して貰ったようでして・・・」
申し訳なさそうではありますが、はっきりとそう仰った。
「はい?」
私《わたくし》は思わず、御当主の言葉に対して聞き返します。
えっ?治った?不治の病である【魔力過大病】が??
私《わたくし》は正直動揺してしまっております。
一代前の聖女様が治せなかった病を一体どなたが治したというのでしょうか・・・。
「私も驚いたのですが、まだ事情を聞いておりません。ですが、娘のユーマリアが完治したということは先ほど会って良く分かりました。事情に関しては息子の方から説明して貰います。エルリック、頼む」
「畏まりました。立ち話も何ですので、まずはお座りください」
エルリック様の言葉でようやく私《わたくし》達は立って話していたことに気が付き、三人でソファに座ります。
「単刀直入に申します。妹のユーマリアの病を治してくださったは、バルム家の御令嬢であるアリシア・エト・バルム様です」
「っ!?」
「バルム様と仰いますと3大貴族の方ですか?」
エルリック様のお言葉に御当主は驚きを示されます。私《わたくし》は確認の意味も込めて尋ねました。
「はい。仰る通りです。何でもバルム家に伝わる1度しか使えない特殊な魔法を使ってくださったのです」
「特殊な魔法だと?」
私《わたくし》よりも早く、御当主がエルリック様に尋ねます。
「はい。人生で一度しか使えないもののどんな病でも治すことができると仰っておりました。一度しか使えないとは言え秘匿とするものなため、私が同席することは出来ませんでしたのでどういったものかは不明です。しかし、結果としてユーマリアは完治しましたのでそういう魔法もあるのだと理解しております」
「うーむ。そんな魔法が・・・」
エルリック様のお言葉に御当主が考えていらっしゃいます。
「手段はどうであれ、御息女が元気になられて良かったです」
私《わたくし》はそう言うと立ち上がります。
「聖女様?」
御当主が私《わたくし》の行動を見て疑問符を浮かべ話し掛けていらっしゃいます。
「御当主。申し訳ございませんが、王都への馬車の手配をお願いできませんでしょうか?」
私《わたくし》がそう言うと御当主は驚いた御様子で、
「もう辺りも暗いです。本日は一晩お泊りになられてから明日帰られてはいかがでしょうか?」
そう仰いました。
「失礼致します」
私《わたくし》が過去を振り返っていると、応接室の扉をノックする音が3回響き、中に二人の人物が入っていらっしゃいました。
私《わたくし》はソファから立ち上がり、お二人に近づきます。
お二人の内の一人はここまで連れてきてくださったバスター家の当主の方と、もう一人は私《わたくし》と同じくらいの年齢の男の子です。
御子息でしょうか、どうやら緊張されているようです。
「聖女様、こちらは私の二番目の息子のエルリックと申します」
私《わたくし》の考えを察したのか、御当主が御子息を紹介してくださいます。
「エルリック・バスターです。聖女様、宜しくお願い致します」
御子息・・・エルリック様が頭を下げ、挨拶をしてくださったので私《わたくし》も同じく頭を下げ、
「セリス・ロングマリーと申します」
挨拶をした後、
「早速ですが、バスター様。御息女のところへ案内してくださいますか?」
危篤と言われている御息女のところへ向かうためにお声掛けをする。
すると御当主は意外な反応を示されました。
「それが・・・我々がこちらに来る間に治して貰ったようでして・・・」
申し訳なさそうではありますが、はっきりとそう仰った。
「はい?」
私《わたくし》は思わず、御当主の言葉に対して聞き返します。
えっ?治った?不治の病である【魔力過大病】が??
私《わたくし》は正直動揺してしまっております。
一代前の聖女様が治せなかった病を一体どなたが治したというのでしょうか・・・。
「私も驚いたのですが、まだ事情を聞いておりません。ですが、娘のユーマリアが完治したということは先ほど会って良く分かりました。事情に関しては息子の方から説明して貰います。エルリック、頼む」
「畏まりました。立ち話も何ですので、まずはお座りください」
エルリック様の言葉でようやく私《わたくし》達は立って話していたことに気が付き、三人でソファに座ります。
「単刀直入に申します。妹のユーマリアの病を治してくださったは、バルム家の御令嬢であるアリシア・エト・バルム様です」
「っ!?」
「バルム様と仰いますと3大貴族の方ですか?」
エルリック様のお言葉に御当主は驚きを示されます。私《わたくし》は確認の意味も込めて尋ねました。
「はい。仰る通りです。何でもバルム家に伝わる1度しか使えない特殊な魔法を使ってくださったのです」
「特殊な魔法だと?」
私《わたくし》よりも早く、御当主がエルリック様に尋ねます。
「はい。人生で一度しか使えないもののどんな病でも治すことができると仰っておりました。一度しか使えないとは言え秘匿とするものなため、私が同席することは出来ませんでしたのでどういったものかは不明です。しかし、結果としてユーマリアは完治しましたのでそういう魔法もあるのだと理解しております」
「うーむ。そんな魔法が・・・」
エルリック様のお言葉に御当主が考えていらっしゃいます。
「手段はどうであれ、御息女が元気になられて良かったです」
私《わたくし》はそう言うと立ち上がります。
「聖女様?」
御当主が私《わたくし》の行動を見て疑問符を浮かべ話し掛けていらっしゃいます。
「御当主。申し訳ございませんが、王都への馬車の手配をお願いできませんでしょうか?」
私《わたくし》がそう言うと御当主は驚いた御様子で、
「もう辺りも暗いです。本日は一晩お泊りになられてから明日帰られてはいかがでしょうか?」
そう仰いました。
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