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第126話
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あ・・・これは夢だ
私(ユーマリア)は病の所為で普段から眠っている時間が長く、やがて夢の中にいるかどうかがすぐに分かるようになりました。
というのも夢の中だと現実とは異なり、体中を巡る激痛が無いからです。
4年前のあの日の出来事のようです。
過去を思い出すことは何度もありましたがこの時のことが夢に出る事はありませんでした。
ですので非常に稀な事でした。
場面はちょうど、彼が立ち去ってしまう時です。
どうせなら立ち去る光景からでは無く、話している光景を見せてくれれば良いのに。
と、私は願ってしまいますが、夢の中で位なら良いですよね。
せめて彼の背中だけでも見つめ続けようとし、
「あなたはまたいつかと言ってくれましたが、残念ながらそれは叶わなそうです。さようなら・・・」
私はその背中に思わず話し掛けました。
「え?」
すると、どうでしょう。
4年前とは全く異なる事が置きました。
彼がゆっくりと振り返ったのです。
遠ざかっていた彼は少しずつ私の方に戻って来てくれ始めました。
「あれ?」
彼がこちらに近づくに連れ、何故か私の体が光り、段々と光量を上げていきます。
彼が私の目の前に来る頃には周りの風景全部が光の中に包まれました。
「・・・・・・」
目の前の彼が何かを呟きます。
私には彼が何を言っているかは聞こえません。
ですが、何故か今までの全てが報われたような気がして自然と涙が溢れ落ちました。
その時、聞いたことの無い綺麗な声が聞こえてきました。
「・・・リアさん」
「・・・ーマリアさん」
「・・・ユーマリアさん」
その声が私を呼んでいると気づいた頃には私は目を覚ましました。
ゆっくりと目を開けると見たこともない綺麗な方が私を覗き込んでいるのが目に入りました。
視界が歪んでるので手を目の方へ動かします。
あれ?いつもの激痛が感じられない。私は不思議に思いながら目元に手をやると涙を流している事に気が付きました。
涙を拭うと、目の前の赤い髪の美人はにっこりと見る者全てを幸せにするような笑顔を浮かべ、
「よく今まで頑張りましたね。あなたの病気は全快しましたわ」
と衝撃的な言葉を私に告げました。
「え?」
私は思わず呆けます。
「あの・・・」
私は詳しく話を聞こうとした時です。
「ユーマリア!!!」
大きな音を立てて扉を開けたエルリック兄さまが私の方に駆けて来ました。
そしてそのまま私を強く抱きしめます。
「!?」
私はいつもの感覚で痛みに耐えようと身をこわばらせますが一向にその痛みが来ず、その事に驚きました。
「痛く・・・ありません」
「ユーマリア、君の病は完全に治ったんだよ」
私の呟きに答えるようにエルリック兄さまが優しく囁きます。
私はエルリック兄さまの話が本当だと言うことを理解しました。
「私・・・まだ生きられるの?」
涙を溢れさせながら尋ねます。
「ああ。もちろんだ」
「私・・・外に出られるの?」
「うん。そうだよ」
エルリック兄さまが優しく返事をしてくれます。
「私・・・またあの人に会えるの?」
「・・・」
体が治ったと聞いて真っ先に会いたかったあの人の事を聞くとエルリック兄さまは先程とは異なり沈黙し、後ろを振り向きます。
「?」
私は思わず、エルリック兄さまの目線を追うと、そこには見知らぬ男性が立っていました。
「っ!?」
私はその人を見た瞬間ドキリとします。
ひと目で分かりました。
黒髪黒目、中肉中背の普通の男性。
ですが、私には特別な方。
「あ・・・ああ・・・」
私は感極まって言葉が上手く喋れません。
すると、目の前の人物は優しく笑みを浮かべ、
「また会えたね」
そう言ったのだった。
私(ユーマリア)は病の所為で普段から眠っている時間が長く、やがて夢の中にいるかどうかがすぐに分かるようになりました。
というのも夢の中だと現実とは異なり、体中を巡る激痛が無いからです。
4年前のあの日の出来事のようです。
過去を思い出すことは何度もありましたがこの時のことが夢に出る事はありませんでした。
ですので非常に稀な事でした。
場面はちょうど、彼が立ち去ってしまう時です。
どうせなら立ち去る光景からでは無く、話している光景を見せてくれれば良いのに。
と、私は願ってしまいますが、夢の中で位なら良いですよね。
せめて彼の背中だけでも見つめ続けようとし、
「あなたはまたいつかと言ってくれましたが、残念ながらそれは叶わなそうです。さようなら・・・」
私はその背中に思わず話し掛けました。
「え?」
すると、どうでしょう。
4年前とは全く異なる事が置きました。
彼がゆっくりと振り返ったのです。
遠ざかっていた彼は少しずつ私の方に戻って来てくれ始めました。
「あれ?」
彼がこちらに近づくに連れ、何故か私の体が光り、段々と光量を上げていきます。
彼が私の目の前に来る頃には周りの風景全部が光の中に包まれました。
「・・・・・・」
目の前の彼が何かを呟きます。
私には彼が何を言っているかは聞こえません。
ですが、何故か今までの全てが報われたような気がして自然と涙が溢れ落ちました。
その時、聞いたことの無い綺麗な声が聞こえてきました。
「・・・リアさん」
「・・・ーマリアさん」
「・・・ユーマリアさん」
その声が私を呼んでいると気づいた頃には私は目を覚ましました。
ゆっくりと目を開けると見たこともない綺麗な方が私を覗き込んでいるのが目に入りました。
視界が歪んでるので手を目の方へ動かします。
あれ?いつもの激痛が感じられない。私は不思議に思いながら目元に手をやると涙を流している事に気が付きました。
涙を拭うと、目の前の赤い髪の美人はにっこりと見る者全てを幸せにするような笑顔を浮かべ、
「よく今まで頑張りましたね。あなたの病気は全快しましたわ」
と衝撃的な言葉を私に告げました。
「え?」
私は思わず呆けます。
「あの・・・」
私は詳しく話を聞こうとした時です。
「ユーマリア!!!」
大きな音を立てて扉を開けたエルリック兄さまが私の方に駆けて来ました。
そしてそのまま私を強く抱きしめます。
「!?」
私はいつもの感覚で痛みに耐えようと身をこわばらせますが一向にその痛みが来ず、その事に驚きました。
「痛く・・・ありません」
「ユーマリア、君の病は完全に治ったんだよ」
私の呟きに答えるようにエルリック兄さまが優しく囁きます。
私はエルリック兄さまの話が本当だと言うことを理解しました。
「私・・・まだ生きられるの?」
涙を溢れさせながら尋ねます。
「ああ。もちろんだ」
「私・・・外に出られるの?」
「うん。そうだよ」
エルリック兄さまが優しく返事をしてくれます。
「私・・・またあの人に会えるの?」
「・・・」
体が治ったと聞いて真っ先に会いたかったあの人の事を聞くとエルリック兄さまは先程とは異なり沈黙し、後ろを振り向きます。
「?」
私は思わず、エルリック兄さまの目線を追うと、そこには見知らぬ男性が立っていました。
「っ!?」
私はその人を見た瞬間ドキリとします。
ひと目で分かりました。
黒髪黒目、中肉中背の普通の男性。
ですが、私には特別な方。
「あ・・・ああ・・・」
私は感極まって言葉が上手く喋れません。
すると、目の前の人物は優しく笑みを浮かべ、
「また会えたね」
そう言ったのだった。
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