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第18話

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びくっ!

アリシアがグレイの名前を呼んだ瞬間グレイの体が硬直する。

「ア・・・アリシアさん、この格好だと話しづらいのだけど」

どもりながらなんとかグレイがアリシアにそう言う。

「あ・・・そ、そうですわよね」

(名残惜しいですが仕方ありませんわ)

アリシアが慌ててグレイから離れる。

そしてグレイが体ごと振り返る。

(な、何かを申しませんと)

アリシアはそう思い、

「・・・きゅ、急にごめんなさい。グレイさんの姿を見たらつい」

弁解になっていないようなことを咄嗟に言う。

(ついってなんですの!ついって!?これでは私《わたくし》がまだ数回しか会ってない男性につい抱きつく変な女性だと思われてしまうではないですか!?)

アリシアが自分の言葉に後悔し、ますます顔を赤くする。

「い・・・いや、大丈夫だよ」

言われたグレイも顔を赤くしながら答える。

「・・・」

「・・・」

(ううう。恥ずかしすぎますわ)

穴があったら入りたい。アリシアの心情はまさにそれであった。

「え、えっと。それで話ってなんでしょうか?」

どのくらい経ったか、グレイが声を掛けてくる。

「あ・・・ああ、そうでしたわ」

(このままではいけませんわ。しっかりと会話をしませんと)

アリシアがグレイの言葉を聞いて我に返る。

(そうですわ!こういう時こそ深呼吸をしませんと)

「ふぅ」

アリシアは何度も深呼吸をしていくと気分が落ち着いてきた。

(よし。これでいつもの私《わたくし》ですわ。まずはお礼をお伝えしませんと)

アリシアはいつものアリシア・・・アリシア・エト・バルムの顔に戻り、

「・・・グレイさん、改めて申し上げます。先日は私《わたくし》の命をお救いくださり本当にありがとうございました」

(本当にありがとうございました)

言葉と気持ちを込めながら頭を下げる。

すると、

「とんでもないです。頭を上げてください。高貴なあなたが私などに頭を下げてはいけません!」

グレイがぎょっとしながらアリシアに頭を下げることをやめさせようとする。

アリシアはグレイの言葉にも頭を下げたままで、

「いえ、受けた恩に対して礼を尽くすことに貴族も平民もございませんわ。本当にありがとうございました」

毅然とそう言う。

「分かりました!充分あなたの気持ちは伝わりましたのでお願いですから顔をお上げください」

グレイが必死にそう言って初めて、アリシアが顔を上げる。

(やっとしっかりとお礼を言えましたわ。ですが、)

アリシアはスッキリした後、すぐに拗ねた顔をする。

「・・・敬語」

アリシアがボソッと呟く。

「はい?」

「・・・敬語、やめてくださいませんか?」

(グレイさんには何故だが敬語を使われたくありませんわ)

「いえ、そんな。アリシアさんに対してタメ語なんてできませんよ」

グレイが焦りながらそう言う。

その言葉にアリシアが頬を膨らませながら、

「あの時は敬語無しで話してくださったじゃないですか」

アリシアは不機嫌さを抑えきれずそう言ってしまう。

「あの時は緊急時でしたから・・・」

「・・・・・・」

(敬語をやめてくださるまで喋ってあげませんから)

アリシアはそう思い、待ちの姿勢に入る。

「はぁ・・・分かりました。いや、分かったよ。これでいいだろ?」

グレイが根負けし、敬語をやめる。

(やりましたわ!)

アリシアは自分でも分かるくらい笑顔になるのを感じ、

「はい!!」

と返事をした。

(グレイさんに敬語を使われないだけでどうしてこんなにも嬉しくなるのでしょうか)

アリシアはグレイと接するだけで普段の自分とは別の自分が沢山発見できることに自分でも驚いていた。

(ですが、悪い気分ではありませんわ)

アリシアは心の底からそう思うのであった。



(いい笑顔だな)

グレイはアリシアの笑顔を見つめながら、聞きたいことを尋ねる事にした。

「ところでアリシアさん、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「なんでしょうか?」

(ああ、真面目な顔に戻ってしまった)

アリシアが真剣な表情に戻り、笑顔が見ていられなくなってしまったことを少し残念に思いながらグレイが話を続ける。

「どうして今ここにいるんだ?一昨日と同じ待ち合わせ時間かと思ってたんだけど・・・」

聞いた瞬間、アリシアの顔がみるみる赤くなる。

「え!?・・・その・・・た、たまたまですわ。気になさらないでくださいませ!」

アリシアが有無を言わせない様子で強く言い放つ。

(恥ずかしいですわ。気づいたら屋上に来ていたなんてとても言えないですわ)

「そ、そうか」

(どうやら聞いてはいけない話題だったみたいだ)

グレイはこれ以上は聞いてはいけないのだと無理矢理自分を納得させる。

「こほん。では、話を続けさせて頂きますわね」

アリシアがわざとらしく咳をしてから話を再開しようとする。

「ああ」

グレイは話の腰を折らないように頷いた。

「まず、一昨日の顛末ですが・・・」

そのように前置きした後アリシアが事後の話をし始めた。

昨日、顛末についてキリッジ騎士隊長が報告に来てくれたことから始まり、

アリシアを襲った男子生徒が斬首となる予定であること、

そして、親に見放されたこと、

元御者に恩赦が与えられたこと、

についてである。

アリシアの話はポイントを抑えているからか聞きやすく、すんなりと頭に入ってくる。

キリッジ騎士隊長がグレイを褒め、それを聞いたアリシアの父親・・・バルム家当主がグレイが将来有望だと褒めていたことなどもアリシアは添えて話してくれていた。

「・・・というわけですわ」

アリシアがひとまずといった形で話を終える。

全て聞いたグレイが、

「教えてくれてありがとう。良かったな。信じていた御者が仕方なくアリシアを裏切ったという事が分かって」

そう言った。

「!?・・・はい。ありがとうございます」

アリシアはグレイが自分が一番気にしていたことをすんなりと言ってくれたことがとても嬉しかった。

「・・・あと、アリシアさんと友人になった経緯のところ・・・ありがとう」

グレイが恥ずかしそうに言う。

「・・・い、いえ。その能力はなるべく隠したいと思ったものですから」

グレイが恥ずかしそうにしている理由に気づいたアリシアも同じように恥ずかしそうに答える。

当事者であるグレイとアリシア以外にはグレイが恋文を渡してひとまず友人になったという説明なのだから照れても仕方がないだろう。

「そ、そういえば!」

アリシアが今の空気を変えようと唐突に話を変える。

「な、なんだ?」

グレイもこれ幸いと話に乗る。

「・・・あれから2日経ちましたが私《わたくし》の寿命はどうなりましたか?」

アリシアが聞きづらそうに聞いてくる。

それはそうだろう。自分の寿命を聞くのは誰だって躊躇われるものだから。

「あ、ああ。そういえば一昨日も必死で確認してなかったな。ちょっと待って」

「はい」

アリシアがまるで最後の審判を受けるかのような表情で目を瞑る。

グレイはアリシアを『視る』ことにするが、

「あれ?」

(どうしてだ。意識せずともいつもは主張してくるのに『視えない』だと)

グレイは初めてのことに動揺する。

「ど、どうされましたか?」

グレイの様子の変化に気づいたアリシアが目を開けて尋ねる。

「ああ・・・いつもは意識せずとも『視える』のだけどアリシアさんのことが『視え』なくて」

「え、そのようなことは過去にもありましたか?」

アリシアが尋ねてくる。

「いや、こんな事は今までに無かった。ちょっと確認してくるから待ってて!すぐ戻る!!」

「え!?あ、グレイさんっ!!」

言うやいなやグレイはアリシアの声に答えぬまま、屋上から飛び出していった。

(『視え』始めてから俺がどんなに嫌がっても『視せ』続けていたにも関わらず『視え』ないなんて異常だ。・・・嫌な予感がする)

グレイは焦りながらも走り続けた。


(どうする?)

グレイは急いで飛び出したが迷っていた。

(急遽あの場を出たのはアリシアさん以外であれば『視る』ことができるかの確認のためだ。だが、今は授業中で下手すると教諭に呼び止められる可能性がある。それは避けないと・・・そうだ!)

グレイは教諭に呼び止められるリスクを避けて能力を使える場所に検討をつけ、速度を上げる。

「はぁ、はぁ・・・」

「おや・・・誰かと思えばグレイじゃないか?サボりかい?」

数分の後辿り着いたのは、一昨日ぶりの購買であった。

「ははは・・・」

グレイは購買のおばちゃんの言葉に愛想笑いをし、肉にパンを挟んだものを二つ手に取り持っていく。

「育ち盛りなんだね」

おばちゃんはグレイの反応に何も言わず、会計をすすめる。

「あはは。そうですね。すぐお腹が空いてしまって」

グレイは当たり障りのないことを答えながら、おばちゃんを『視る』。

『マルサ・プローム。47歳6ヶ月。寿29317

(ちゃんと『視れた』・・・)

「はい。お釣りね」

「ありがとうございます!」

グレイはお釣りを受け取り、礼を言った後、また走り出す。

「・・・せわしないわねぇ」

グレイの様子を見ていたおばちゃんがぽつりと呟いたのであった。




(購買のおばちゃんに対して能力が発動したということは、アリシアさんの情報を『視る』ことが出来なかったのは、俺の能力が失われた訳ではないということだ。とすると何が原因なんだ・・・)

グレイは屋上に向かって走りながら考えを纏め始めた。



バンッ!

「アリシアさん!待たせてごめん!」

「グレイさん!!」

グレイが勢いよく屋上の扉を開けて入ると、アリシアはグレイに駆け寄ってくる。

「いかかでしたか?」

アリシアが心配そうに聞いてくる。

「今は授業中なので1人しか試せなかったけど、アリシアさん以外にも能力は発動した」

「そうでしたか・・・」

グレイの言葉を受けてアリシアが顎に手を当てて考え始める。

「・・・」

(聡明なアリシアさんの意見も聞いてみたいから、ひとまず待っていよう)

グレイはアリシアの邪魔にならないように待機することにした。

(それにしても・・・絵になるな)

グレイはアリシアのその姿を見ながらふと思う。

絵心の無い自分でもそう思うのだ。

もし、画家がこの場にいたらすぐさま描き始めるに違いない。

そんな他愛のないことを考えていた時、アリシアの考えがまとまったようだ。

グレイの方を見て、こう言った。

「確認させてください。グレイさんの能力は意図してオンとオフの切り替えは可能ですか?」

「いや。残念ながらできない」

「そうですか・・・。では、人によって表示範囲内容が変わるということは?」

「・・・それも無かったはずだ。意識して見ないようにしていたから確かは分からないけど・・・」

「なるほど。ありがとうございます。私《わたくし》の仮説を話してもよろしいでしょうか?」

アリシアがグレイの様子を伺う。

「もちろんだ」

「ありがとうございます。グレイさんの能力に対して私《わたくし》に耐性がついたせいで見えなくなってしまったかと思います」

「・・・なるほど。とすると、耐性というのは俺の能力への理解が引き金になっているということか」

グレイがアリシアの言葉に答える。

「はい。もしくは、私《わたくし》が一昨日死ぬはずだった運命を超えた所為かもしれません」

「・・・確かにそれもあり得る話だな」

グレイはアリシアの言葉に納得する。

「申し訳ないが、現状解決方法が無いのでこの件は一旦保留にしてくれ」

「もちろんですわ。わざわざ私《わたくし》のためにまた走らせてしまい申し訳ありません」

アリシアが軽く頭を下げて謝ってくる。

「気にしなくていい。あ、そうだ」

グレイはアリシアの言葉で購買でパンを買って来たことを思い出し、

「アリシアさんもお昼まだだよね?購買で能力の確認するついでに買って来たんだけど食べる?」

アリシアに一つ差し出す。

「はい。ありがとうございます。頂きます!!」

笑顔でグレイからパンを受け取ったアリシアが礼を言う。

こうして二人はひとまず、遅い昼ご飯を食べたのだった。
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