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第348話 突然の求婚

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「ふぅ・・・」

ルークはキリオスの独立騎士団が充分遠ざかるのを確認した後、深く息を吐いた。

いくらルークとて、あれだけの人数を相手にしたらただでは済まなかっただろう。

外には出さなかったが内心では常に緊張していた。

「話の分かる領主で助かったな」

ルークは改めて思いだし呟いた。





「「ルーク!!」」

一息ついていると名前を呼ぶ声がし、ルークは振り返る。

するとミリーナとヒルダが走って近づいてきているのが見えた。

「ミリーナ!ヒルダ!」

ルークは二人に向かって手を振る。

名前を呼ばれた二人はルークに向かって勢いそのまま抱き着く。

流石はルーク、よろける素振りもなく二人を受け止める。

「おいおい、二人ともどうした?」

戸惑いながらルークが尋ねる。

「どうしたもこうしたもないわ!」

「そうじゃ!心配かけおって!!」

ミリーナとヒルダが連携して大きな声を連発する。

ルークは申し訳ない表情で、

「・・・すまん」

と謝った。

「・・・もうしないでね?」

ミリーナが言うと、

「・・・するんじゃないぞ?」

ヒルダが続く。

ルークは二人を地面に下ろし、ミリーナとヒルダの順に顔を見た後、困った顔をしながら、

「・・・約束はできなそうだな」

最近起こったことを思い浮かべながら答える。

「だったら・・・して」

そうするとミリーナは俯き、何かを小声で呟く。

傍にいたヒルダはミリーナの言葉が聞こえたのか目を丸くする。

どちらにしてもルークには聞こえなかったため、

「ミリーナ、何て言ったんだ?」

と尋ねるとミリーナは赤い顔をこちらに向けて、しばらく口をパクパクする。

やがて、覚悟が決まったのかこちらに右手を向けながら、

「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」

とミリーナから思いもよらない言葉が返ってきた。
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