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第337話 投擲準備

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「分かった。まずは、これを体に巻き付けてくれ」

ルークはミリーナにある物を渡す。

「縄?」

「ああ。そうだ。・・・万が一向こう側に届かなかった時のための保険だ」

「・・・その時って、振り子のようにこちら側の土壁に激突するってことよね」

ミリーナはルークの言葉に万が一の状況を想像して青い顔をする。

崖からまっかさまに落ちるよりはマシだろうが、只ではすまないだろう。

「そうだな。まぁ、万が一だから大丈夫だ」

ルークがそう言う。

ミリーナは深くは考えないようにして縄を自分にしっかりと巻き付ける。

「いいわ!」

ミリーナが準備を終えてルークにそう声を掛けた。

「ミリーナ。ガンバなのじゃ!!」

いざ飛び立つという段になり、ヒルダがミリーナに声を声を掛ける。

ミリーナがヒルダを見ながら、

「ありがとう。ヒルダちゃん。先に行って待ってるわね。ヒルダちゃんの時はあたしが受け止めてあげるから安心して」

「分かったのじゃ。よろしく頼む!」

「よし。やるぞ」

ルークがミリーナとヒルダの会話が終わったところで声を掛ける。

「よろしく頼むわ」

「まず、俺の右手に両足で乗ってくれ」

言われた通り、ミリーナがルークの右手に乗る。

「大丈夫?あたし、重くない?」

ミリーナは恥ずかしがりながらルークに尋ねる。

「よっと。軽いぞ」

ルークは片手でミリーナを軽々と持ち上げながら答える。

「・・・良かったわ」

ミリーナはほっとしながら呟く。

「ヒルダは、このロープを持っていてくれ」

ルークがミリーナが巻いている縄のもう片方をヒルダに渡しながら頼む。

「分かったのじゃ」

ヒルダがしっかりと縄を持つ。

「ミリーナを投げた瞬間に俺がその縄を持つから安心してくれ」

ルークは一応ミリーナに解説してから投擲の準備に入る。

ミリーナはルークの右肩に左手を添えながら、屈む。

「分かってるわ。あたしの命預けるわよ」

「ああ。任せておけ、行くぞ」

ルークはそう言うと全力で持ってミリーナを投げた。
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