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第295話 ・・・うーん。分からん
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追跡者を逃がした翌朝、ルーク、ミリーナ、ヒルダの三人は簡単な食事を済ませ、森から出ようと出発した。
「次の目的地はどこなのじゃ?」
一日経って元気になったヒルダがルークに尋ねる。
「・・・うーん。分からん」
ルークが珍しく困ったように答える。
「「え?」」
ヒルダと隣で聞いていたミリーナがルークの言葉に驚きの声を上げる。
「・・・ふぅ。良く周りを見てみるといい」
ルークがミリーナとヒルダに言う。
ミリーナとヒルダが黙って周りを見渡す。
「・・・あれってあたしたちが野営していた痕跡よね」
「そうじゃ・・・な。ということは元の位置に戻ってしまったのか」
森の中を結構歩いたはずだがどうやら同じところを歩いていたらしい。
「普通の森なら迷うことはないはずだが・・・」
ルークが困ったように呟く。
「あ・・・もしかして『森人』のせいかも」
ミリーナが思い出したように呟く。
「ん?『森人』?」
ルークが聞いたことない言葉に思わずミリーナに聞き返す。
「ええ。あたしも昔、お父様に聞いたことがあるだけなんだけど、ある森には森に住む『森人』が居て侵入者に気付くと自分たちがいる場所に近づけないように術を掛けるんだって。術なんて見たことも無かったから半信半疑だったけど・・・昨日の追跡者が森から無事出られた様子から昨夜は問題なかったと仮定すると『森人』の影響しか考えられないわね」
そうは言うがミリーナも自分でも半信半疑なのか自信なさげである。
「ふーむ。『森人』か。『術』とやらは聞いたことがあるけどのぉ」
ヒルダが考えるように呟く。
「ミリーナありがとう。なら、別の方向に進めばいいってことだな」
ルークはとりあえず移動してみようと、違う道を進む。
ミリーナとヒルダはルークのすんなりとした行動に一瞬呆気にとられ、慌てて付いていく。
「次の目的地はどこなのじゃ?」
一日経って元気になったヒルダがルークに尋ねる。
「・・・うーん。分からん」
ルークが珍しく困ったように答える。
「「え?」」
ヒルダと隣で聞いていたミリーナがルークの言葉に驚きの声を上げる。
「・・・ふぅ。良く周りを見てみるといい」
ルークがミリーナとヒルダに言う。
ミリーナとヒルダが黙って周りを見渡す。
「・・・あれってあたしたちが野営していた痕跡よね」
「そうじゃ・・・な。ということは元の位置に戻ってしまったのか」
森の中を結構歩いたはずだがどうやら同じところを歩いていたらしい。
「普通の森なら迷うことはないはずだが・・・」
ルークが困ったように呟く。
「あ・・・もしかして『森人』のせいかも」
ミリーナが思い出したように呟く。
「ん?『森人』?」
ルークが聞いたことない言葉に思わずミリーナに聞き返す。
「ええ。あたしも昔、お父様に聞いたことがあるだけなんだけど、ある森には森に住む『森人』が居て侵入者に気付くと自分たちがいる場所に近づけないように術を掛けるんだって。術なんて見たことも無かったから半信半疑だったけど・・・昨日の追跡者が森から無事出られた様子から昨夜は問題なかったと仮定すると『森人』の影響しか考えられないわね」
そうは言うがミリーナも自分でも半信半疑なのか自信なさげである。
「ふーむ。『森人』か。『術』とやらは聞いたことがあるけどのぉ」
ヒルダが考えるように呟く。
「ミリーナありがとう。なら、別の方向に進めばいいってことだな」
ルークはとりあえず移動してみようと、違う道を進む。
ミリーナとヒルダはルークのすんなりとした行動に一瞬呆気にとられ、慌てて付いていく。
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