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第292話 解放
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「・・・どうぞ」
追跡者は質問者がルークに変わることに身構える。
「お前の名前は何という?」
ルークが尋ねる。
「・・・言わなきゃ駄目か?」
追跡者が渋る。
「ああ」
「・・・笑うなよ」
「・・・分かった」
(なんだ?言いたくない理由は変な名前だからってことか??)
ルークは思わぬ追跡者の言葉に意外に思う。
「・・・俺の名は『ルーグ・サマーリン』だ」
「は?」
追跡者の言葉にルークが間の抜けた返事をし、思わずミリーナとヒルダを見る。
ミリーナとヒルダの2人もぽかんとしていた。
「だから、俺の名前は『ルーグ・サマーリン』だよ!」
追跡者が再度名乗る。
「・・・分かった」
「「・・・」」
ルークは頷くがミリーナとヒルダは笑わないように肩を震わせる。
「うん。やはりそういう反応だよな。俺はあんたの『ルーク・スターリン』と名前が似ているから良くからかわれたもんだ」
追跡者・・・ルーグがどこか諦めたように呟く。
「何と言うか、悪かったな」
ルークが謝る。
「いや、あんたが悪いわけじゃないさ」
追跡者が肩を竦める。
「ルーグよ。ヒルダを見つけた後はどういう指示だったんだ?」
ルークが気を取り直して尋ねる。
「生存を確認したら居場所を突き止めてその情報を持ち帰るのが役目だった」
「生存していない場合は?」
「・・・その時は死亡報告をして終了だ」
追跡者がルークの言いたいことを察したのか、
「まさか」
「そうだ。ルーグにはヒルダが死んでいたと報告して貰いたい」
ルークはそういうやいなや追跡者を縛っていた縄を断ち切る。
自由になった追跡者は動揺しながらも立上り、
「俺を信じるのか?生存していたと報告するかも知れないぞ」
確かめるようにルークに尋ねる。
「その時はその時だ」
追跡者はルークの目を真っ直ぐ見てしばらくした後、
「・・・分かった。そう報告しよう」
そう言って背を向けて歩いて行く。
「待て、これも持っていけ」
と歩き出した追跡者に袋を放る。
追跡者は振り返らず袋を受け取り、中を確認すると、
「『魔人鬼』のクセに甘いな」
そう呟いて、ルーク達の視界から消えたのであった。
追跡者は質問者がルークに変わることに身構える。
「お前の名前は何という?」
ルークが尋ねる。
「・・・言わなきゃ駄目か?」
追跡者が渋る。
「ああ」
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「・・・分かった」
(なんだ?言いたくない理由は変な名前だからってことか??)
ルークは思わぬ追跡者の言葉に意外に思う。
「・・・俺の名は『ルーグ・サマーリン』だ」
「は?」
追跡者の言葉にルークが間の抜けた返事をし、思わずミリーナとヒルダを見る。
ミリーナとヒルダの2人もぽかんとしていた。
「だから、俺の名前は『ルーグ・サマーリン』だよ!」
追跡者が再度名乗る。
「・・・分かった」
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ルークは頷くがミリーナとヒルダは笑わないように肩を震わせる。
「うん。やはりそういう反応だよな。俺はあんたの『ルーク・スターリン』と名前が似ているから良くからかわれたもんだ」
追跡者・・・ルーグがどこか諦めたように呟く。
「何と言うか、悪かったな」
ルークが謝る。
「いや、あんたが悪いわけじゃないさ」
追跡者が肩を竦める。
「ルーグよ。ヒルダを見つけた後はどういう指示だったんだ?」
ルークが気を取り直して尋ねる。
「生存を確認したら居場所を突き止めてその情報を持ち帰るのが役目だった」
「生存していない場合は?」
「・・・その時は死亡報告をして終了だ」
追跡者がルークの言いたいことを察したのか、
「まさか」
「そうだ。ルーグにはヒルダが死んでいたと報告して貰いたい」
ルークはそういうやいなや追跡者を縛っていた縄を断ち切る。
自由になった追跡者は動揺しながらも立上り、
「俺を信じるのか?生存していたと報告するかも知れないぞ」
確かめるようにルークに尋ねる。
「その時はその時だ」
追跡者はルークの目を真っ直ぐ見てしばらくした後、
「・・・分かった。そう報告しよう」
そう言って背を向けて歩いて行く。
「待て、これも持っていけ」
と歩き出した追跡者に袋を放る。
追跡者は振り返らず袋を受け取り、中を確認すると、
「『魔人鬼』のクセに甘いな」
そう呟いて、ルーク達の視界から消えたのであった。
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