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第278話 『恋愛感情は無いの?』

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「え?」

ミリーナは一瞬何を言われたか分からず、呆然とする。

ふと、隣にいるヒルダを見てみると興味深そうにミリーナを見ている。

「もう。ミリーナったら聞いてなかったの?私は『ルークのことをどう思っているの?』って聞いたのよ」

「・・・どうって・・・ルークのことは剣術を嗜むものとして目標ですから・・・尊敬出来る方です」

ミリーナはしどろもどろにならないように必死で答える。

(あたしがルークを尊敬しているのは本当のことだし良いわよね!)

ミリーナは内心で自分を正当化する。

アメリアはそんなミリーナの様子を見て笑みを浮かべる。

「ふーん。ミリーナは普段『ルーク』って呼び捨てにしているのね」

「あ・・・」

アメリアの指摘に素直に反応してしまうミリーナ。

「それで、他には?」

「他と、言いますと?」

ミリーナが全身から冷や汗を流しながらアメリアに問いかける。

ヒルダは笑っては悪いと必死で堪えていた。

(ヒルダちゃん。今度覚えてなさい)

ミリーナは心の中そう誓い、落ち着こうと飲み物を飲む。

アメリアは続けて、

「そうねぇ。ズバリ、恋愛感情は無いの?」

ぶぅぅぅぅ

ミリーナは余りにもストレートな問いに思わず吹き出した。

「ぎゃあああ!!ミリーナ!!吹き出すなら別の方向を見て吹き出すのじゃ!」

不幸にもヒルダが被害者となる。

「あらまあ、大丈夫?ヒルダちゃん?」

アメリアがおしぼりを用意しヒルダの顔を拭って上げる。

「ありがとうなのじゃ。我はちとお風呂に入ってくる」

ヒルダは一方的に宣言するとそそくさと部屋を出ていった。

この宿は何と田舎村には珍しくお風呂があったのである。
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