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第197話 剣術大会㊹
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ミリーナとヒルダと別行動をしているルークは『剣術大会』控え室にやってきていた。
定刻となり、もはや見慣れた赤服運営長が集まった選手に声を掛ける。
「それでは皆様、いよいよ本日より『剣術大会』本選1回戦を行います。ご承知の通りトーナメント戦になります。ルールは簡単です。各々の武器を使用し相手と戦い、相手が降参するか、気絶するか、死亡したら勝ちとなります。ですが、なるべく降参か気絶で決めてください」
人死には出したくないのだろう。
最後の言葉をお願いするように言う。
「まず、皆様のご紹介を会場で行います。トーナメント表はもう決定しておりますが、会場に行けば分かるようになっておりますのでここではご説明いたしません。それでは私が先に言って会場を温めて参りますので名前が呼ばれるまでこちらでお待ちください」
そういうと赤服運営長が会場への入口を通って先に行く。
「「「わぁぁぁぁぁ!!!」」」
赤服運営長が会場に向かったタイミングで地割れのような声が響き渡った。
どうやらあの運営長はやり手らしい。
耳を澄ましていると赤服運営長の声が響いてきた。
「さぁて、皆様!大変長らくお待たせいたしました!!今回もとても多くの人々にご来場いただき誠にありがとうございます!!私、運営長のレッドが司会をさせて頂きます!!宜しくお願い致します!!!」
「「「オォォォォォォォ!!!」」」
赤服運営長・・・レッドが開催に先立ち挨拶するとまたもや地割れのような歓声が響き渡る。
「それではこれより第151回『剣術大会』を行います!!!」
「「「オォォォォォォォ!!!」」」
パチパチパチパチ
レッドが宣言すると今までにない位の歓声と拍手で会場が満たされた。
「まず、初めに主催者のご紹介です。ボルンの領主様・・・フレック・ボルン・セリオッド様です!!」
「「「ワァァァァァ!!」」」
「続いて、特別ゲストとしまして、王都よりこの方にいらしていただきました!近衛騎士第二部隊隊長のメリッサ・カイザス特級騎士です!!」
「「「ウォォォォ」」」
「「「きゃぁぁぁ、メリッサ様よ!!!なんてお美しい!!!」」」
今日一番の盛り上りと言わんばかりに盛り上がる会場。
(メリッサって人気あるんだな)
ルークは会場の様子は直接見えないが雰囲気で判断し、そんな感想を持つ。
だが、ルークは次の紹介者の名前を聞いて一変することになる。
「最後の特別ゲストです。長い戦いが昨年終わり、不可侵条約を結んでいるジークムント王国から起こし頂きました!ジークムント王国統括軍軍団長バグラス・ゼオン大将軍です!!!」
「なんだと!!」
レッドの紹介を聞き、普段動揺することなどほとんどないルークが思わず叫び愕然とした。
この時ばかりは、盛り上がる会場の声など聞こえて来なかった。
定刻となり、もはや見慣れた赤服運営長が集まった選手に声を掛ける。
「それでは皆様、いよいよ本日より『剣術大会』本選1回戦を行います。ご承知の通りトーナメント戦になります。ルールは簡単です。各々の武器を使用し相手と戦い、相手が降参するか、気絶するか、死亡したら勝ちとなります。ですが、なるべく降参か気絶で決めてください」
人死には出したくないのだろう。
最後の言葉をお願いするように言う。
「まず、皆様のご紹介を会場で行います。トーナメント表はもう決定しておりますが、会場に行けば分かるようになっておりますのでここではご説明いたしません。それでは私が先に言って会場を温めて参りますので名前が呼ばれるまでこちらでお待ちください」
そういうと赤服運営長が会場への入口を通って先に行く。
「「「わぁぁぁぁぁ!!!」」」
赤服運営長が会場に向かったタイミングで地割れのような声が響き渡った。
どうやらあの運営長はやり手らしい。
耳を澄ましていると赤服運営長の声が響いてきた。
「さぁて、皆様!大変長らくお待たせいたしました!!今回もとても多くの人々にご来場いただき誠にありがとうございます!!私、運営長のレッドが司会をさせて頂きます!!宜しくお願い致します!!!」
「「「オォォォォォォォ!!!」」」
赤服運営長・・・レッドが開催に先立ち挨拶するとまたもや地割れのような歓声が響き渡る。
「それではこれより第151回『剣術大会』を行います!!!」
「「「オォォォォォォォ!!!」」」
パチパチパチパチ
レッドが宣言すると今までにない位の歓声と拍手で会場が満たされた。
「まず、初めに主催者のご紹介です。ボルンの領主様・・・フレック・ボルン・セリオッド様です!!」
「「「ワァァァァァ!!」」」
「続いて、特別ゲストとしまして、王都よりこの方にいらしていただきました!近衛騎士第二部隊隊長のメリッサ・カイザス特級騎士です!!」
「「「ウォォォォ」」」
「「「きゃぁぁぁ、メリッサ様よ!!!なんてお美しい!!!」」」
今日一番の盛り上りと言わんばかりに盛り上がる会場。
(メリッサって人気あるんだな)
ルークは会場の様子は直接見えないが雰囲気で判断し、そんな感想を持つ。
だが、ルークは次の紹介者の名前を聞いて一変することになる。
「最後の特別ゲストです。長い戦いが昨年終わり、不可侵条約を結んでいるジークムント王国から起こし頂きました!ジークムント王国統括軍軍団長バグラス・ゼオン大将軍です!!!」
「なんだと!!」
レッドの紹介を聞き、普段動揺することなどほとんどないルークが思わず叫び愕然とした。
この時ばかりは、盛り上がる会場の声など聞こえて来なかった。
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