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第185話 剣術大会㉜
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(他にも何人か強そうな人たちがいるな)
ルークが周りの観察を続けていると、猛者と呼ばれるに相応しい選手たちがいることが分かった。
周りを見ている間にルークの順番が来る。
「お次の方、ナンバーとお名前、そして挑戦する棒をお選びください」
赤服運営がルークに尋ねる。
「『1911』、ルーク、一番太い鉄の棒に挑戦する」
「畏まりました。どうぞ挑戦ください」
「「おおお、あいつ一番難しいのを選んだぞ」」
ルークの言葉にざわめく周りの選手。
ルークは『護命剣』を抜き、構えると直ぐに振る。
ゴォォォン
異常な重低音の風切り音が周りに響く。
「「ははは、何だ見掛け倒しかよ。何ともなってないぞ」」
周りの選手が、何の変哲もないようすの鉄の棒を見て馬鹿にしたようにしゃべりだす。
「ルーク選手、挑戦した鉄の棒が斬れなかったため」
「待ちたまえ、エイド」
ルークのことを失格と言おうとした赤服運営に対して、ルール説明などをしていた赤服運営がやってきて制止する。
「運営長!?どうされましたか?」
エイドと呼ばれた赤服運営が急に運営長に話しかけられ戸惑う。
「君はこの仕事に来て何年だね?」
「え、今年で4年目ですが」
「そうか・・・それではまだ分からなくても仕方がないな。では君がそこの棒を触って見なさい」
運営長が、エイドにルークが挑戦した鉄の棒に触ってみろと指示を出す。
「え、ですが何もなってませんよ?」
エイドが疑問を口にするが、
「いいから、やりなさい」
「・・・わかりました」
運営長の言葉に渋々ながら従うエイド。
ひとまず鉄の棒に触れてみると、
ドスドスドスドス
鉄の棒がばらばらになり、順番に地面に落ちた。
「・・・は?」
「「「・・・」」」
唖然とするエイドと周囲の選手。
「分かったでしょう?エイド、しっかりと記録しておいてくれたまえよ」
「は、はい!!」
ルークはその様子を見てから、ゆっくりと立ち去ると後から運営長が追いかけてきた。
「お待ちください。ルーク選手。この度は当方の運営が失礼を致しました」
ルークの前にくるや頭を下げる運営長。
「気にしなくていい。あなたが来てくれて助かった」
ルークは運営長に礼を言う。
「とんでもございません!歴史ある『剣術大会』に対して泥を塗るところでしたので当然の対応でございます!あの者には後できつく言っておきます」
「本当に気にしなくていいんだがな、、、」
ルークは戸惑いながらも答える。
「はい!ありがとうございました!!」
運営長のお辞儀に見送られ、ルークは結果が出るまでの待機場所に向かって歩いて行った。
ルークが周りの観察を続けていると、猛者と呼ばれるに相応しい選手たちがいることが分かった。
周りを見ている間にルークの順番が来る。
「お次の方、ナンバーとお名前、そして挑戦する棒をお選びください」
赤服運営がルークに尋ねる。
「『1911』、ルーク、一番太い鉄の棒に挑戦する」
「畏まりました。どうぞ挑戦ください」
「「おおお、あいつ一番難しいのを選んだぞ」」
ルークの言葉にざわめく周りの選手。
ルークは『護命剣』を抜き、構えると直ぐに振る。
ゴォォォン
異常な重低音の風切り音が周りに響く。
「「ははは、何だ見掛け倒しかよ。何ともなってないぞ」」
周りの選手が、何の変哲もないようすの鉄の棒を見て馬鹿にしたようにしゃべりだす。
「ルーク選手、挑戦した鉄の棒が斬れなかったため」
「待ちたまえ、エイド」
ルークのことを失格と言おうとした赤服運営に対して、ルール説明などをしていた赤服運営がやってきて制止する。
「運営長!?どうされましたか?」
エイドと呼ばれた赤服運営が急に運営長に話しかけられ戸惑う。
「君はこの仕事に来て何年だね?」
「え、今年で4年目ですが」
「そうか・・・それではまだ分からなくても仕方がないな。では君がそこの棒を触って見なさい」
運営長が、エイドにルークが挑戦した鉄の棒に触ってみろと指示を出す。
「え、ですが何もなってませんよ?」
エイドが疑問を口にするが、
「いいから、やりなさい」
「・・・わかりました」
運営長の言葉に渋々ながら従うエイド。
ひとまず鉄の棒に触れてみると、
ドスドスドスドス
鉄の棒がばらばらになり、順番に地面に落ちた。
「・・・は?」
「「「・・・」」」
唖然とするエイドと周囲の選手。
「分かったでしょう?エイド、しっかりと記録しておいてくれたまえよ」
「は、はい!!」
ルークはその様子を見てから、ゆっくりと立ち去ると後から運営長が追いかけてきた。
「お待ちください。ルーク選手。この度は当方の運営が失礼を致しました」
ルークの前にくるや頭を下げる運営長。
「気にしなくていい。あなたが来てくれて助かった」
ルークは運営長に礼を言う。
「とんでもございません!歴史ある『剣術大会』に対して泥を塗るところでしたので当然の対応でございます!あの者には後できつく言っておきます」
「本当に気にしなくていいんだがな、、、」
ルークは戸惑いながらも答える。
「はい!ありがとうございました!!」
運営長のお辞儀に見送られ、ルークは結果が出るまでの待機場所に向かって歩いて行った。
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