116 / 354
第116話 散策②
しおりを挟む
「そういえば、この後どうするの?」
そう聞いてきたのはミリーナだった。
中々繁盛している店に入り、食事を食べ始めた頃である。
「ん?街巡りのことか?」
ルークが幸せそうに食事を取りながら聞き返す。
流石に丸一日食べてなかったので食べる度に嬉しさが込み上げてくる。
軍にいたときにろくなものも食べられず、長い間空腹でいたときもあったので耐えられないことはないが腹が減ることは減るため満たされることに幸せを感じるのは変わらない。
(ルークってこんな顔もするんだ)
「もちろん、それもあるけどいつこの街を出ていくかということよ」
ミリーナが普段見ないルークの顔に驚きながら、食べているステーキ肉をカットしつつ聞きたかったことについて述べる。
「ふむ・・・」
ルークはちらっとだけイリアの様子を見た後考える。
(バストロ以外にイリアを狙っている奴がこのまま大人しくしているかどうかだな。今回の散策中に尻尾を出せば良いが・・・)
「な、なにもそんなに早く旅立たなくてもよろしいのではなくて?」
ルークが考えこんでしまったのを見てイリアが慌てたように引き止めようとする。
「あたしもそう思ったりもするのよね。もちろん、最終判断はルークに任せるけど」
ミリーナもイリアの言葉に賛成の意を示す。
(ん?)
ミリーナの様子にルークが気づく。
(ミリーナが他所行き用の言葉遣いじゃなくなっているな。なるほど、相当打ち解けたとようだ)
普段の目上に対する言葉遣いでは無く、砕けた言い方になっている。
ルークがバストロのところに行っている間に何かあったのかも知れない。
「今結論は出せないな、あとで考えるとしよう。それより、二人はこの後、どこか行きたいところはあるか?」
「あたしはスイーツが食べたい!」
「私は雑貨など色々なお店を見て回りたいですわ」
ミリーナはゼーラの街に来たときに話していたことを、イリアは結論が先延ばしになったことに少しホッとしたあと見たいものについての希望を上げた。
「わかった。なら、まずは色々見て回ってからスイーツとやらを食べに行こう。流石に食後に連続では食べれそうにない」
「分かったわ」
「分かりましたわ」
そういうと三人は食事の続きを楽しんだ。
「わぁ、色々なお店があるのですわね!?」
「ほんとね!あ、イリアさんあの服屋に行ってみましょう!」
「ええ、あ、待ってミリーナちゃん!」
食後店を出た三人は、ゼーラの街でも一番栄えている大通りに来ていた。
滅多に外に出られないイリアもほとんど初めてなミリーナも二人して買い物を楽しんでいた。
ルークは人の通りに邪魔にならない場所に移動し待機している。
「これが買い物というやつなのだな。体力とは別の何かで疲れる気がする」
二人を見失わないように注意しながらも体を休めるルーク。
百戦錬磨の男でも買い物疲れは普通の人と変わらないようだった。
そう聞いてきたのはミリーナだった。
中々繁盛している店に入り、食事を食べ始めた頃である。
「ん?街巡りのことか?」
ルークが幸せそうに食事を取りながら聞き返す。
流石に丸一日食べてなかったので食べる度に嬉しさが込み上げてくる。
軍にいたときにろくなものも食べられず、長い間空腹でいたときもあったので耐えられないことはないが腹が減ることは減るため満たされることに幸せを感じるのは変わらない。
(ルークってこんな顔もするんだ)
「もちろん、それもあるけどいつこの街を出ていくかということよ」
ミリーナが普段見ないルークの顔に驚きながら、食べているステーキ肉をカットしつつ聞きたかったことについて述べる。
「ふむ・・・」
ルークはちらっとだけイリアの様子を見た後考える。
(バストロ以外にイリアを狙っている奴がこのまま大人しくしているかどうかだな。今回の散策中に尻尾を出せば良いが・・・)
「な、なにもそんなに早く旅立たなくてもよろしいのではなくて?」
ルークが考えこんでしまったのを見てイリアが慌てたように引き止めようとする。
「あたしもそう思ったりもするのよね。もちろん、最終判断はルークに任せるけど」
ミリーナもイリアの言葉に賛成の意を示す。
(ん?)
ミリーナの様子にルークが気づく。
(ミリーナが他所行き用の言葉遣いじゃなくなっているな。なるほど、相当打ち解けたとようだ)
普段の目上に対する言葉遣いでは無く、砕けた言い方になっている。
ルークがバストロのところに行っている間に何かあったのかも知れない。
「今結論は出せないな、あとで考えるとしよう。それより、二人はこの後、どこか行きたいところはあるか?」
「あたしはスイーツが食べたい!」
「私は雑貨など色々なお店を見て回りたいですわ」
ミリーナはゼーラの街に来たときに話していたことを、イリアは結論が先延ばしになったことに少しホッとしたあと見たいものについての希望を上げた。
「わかった。なら、まずは色々見て回ってからスイーツとやらを食べに行こう。流石に食後に連続では食べれそうにない」
「分かったわ」
「分かりましたわ」
そういうと三人は食事の続きを楽しんだ。
「わぁ、色々なお店があるのですわね!?」
「ほんとね!あ、イリアさんあの服屋に行ってみましょう!」
「ええ、あ、待ってミリーナちゃん!」
食後店を出た三人は、ゼーラの街でも一番栄えている大通りに来ていた。
滅多に外に出られないイリアもほとんど初めてなミリーナも二人して買い物を楽しんでいた。
ルークは人の通りに邪魔にならない場所に移動し待機している。
「これが買い物というやつなのだな。体力とは別の何かで疲れる気がする」
二人を見失わないように注意しながらも体を休めるルーク。
百戦錬磨の男でも買い物疲れは普通の人と変わらないようだった。
11
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
中年剣士異世界転生無双
吉口 浩
ファンタジー
アラフォーサラリーマンの大村五郎は、道端の少年を助けようとして事故死してしまう。
身を犠牲にして少年を助けようとした褒美としてファンタジー世界へと転生する五郎。
生前の特技である剣術を超人的な腕前へと強化された五郎は、無双獅子奮迅の活躍を繰り広げる。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
貴族に転生してユニークスキル【迷宮】を獲得した俺は、次の人生こそ誰よりも幸せになることを目指す
名無し
ファンタジー
両親に愛されなかったことの不満を抱えながら交通事故で亡くなった主人公。気が付いたとき、彼は貴族の長男ルーフ・ベルシュタインとして転生しており、家族から愛されて育っていた。ルーフはこの幸せを手放したくなくて、前世で両親を憎んで自堕落な生き方をしてきたことを悔い改め、この異世界では後悔しないように高みを目指して生きようと誓うのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
底辺ダンチューバーさん、お嬢様系アイドル配信者を助けたら大バズりしてしまう ~人類未踏の最難関ダンジョンも楽々攻略しちゃいます〜
サイダーボウイ
ファンタジー
日常にダンジョンが溶け込んで15年。
冥層を目指すガチ勢は消え去り、浅層階を周回しながらスパチャで小銭を稼ぐダンチューバーがトレンドとなった現在。
ひとりの新人配信者が注目されつつあった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる