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第116話 散策②

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「そういえば、この後どうするの?」

そう聞いてきたのはミリーナだった。

中々繁盛している店に入り、食事を食べ始めた頃である。

「ん?街巡りのことか?」

ルークが幸せそうに食事を取りながら聞き返す。

流石に丸一日食べてなかったので食べる度に嬉しさが込み上げてくる。

軍にいたときにろくなものも食べられず、長い間空腹でいたときもあったので耐えられないことはないが腹が減ることは減るため満たされることに幸せを感じるのは変わらない。

(ルークってこんな顔もするんだ)

「もちろん、それもあるけどいつこの街を出ていくかということよ」

ミリーナが普段見ないルークの顔に驚きながら、食べているステーキ肉をカットしつつ聞きたかったことについて述べる。

「ふむ・・・」

ルークはちらっとだけイリアの様子を見た後考える。

(バストロ以外にイリアを狙っている奴がこのまま大人しくしているかどうかだな。今回の散策中に尻尾を出せば良いが・・・)

「な、なにもそんなに早く旅立たなくてもよろしいのではなくて?」

ルークが考えこんでしまったのを見てイリアが慌てたように引き止めようとする。

「あたしもそう思ったりもするのよね。もちろん、最終判断はルークに任せるけど」

ミリーナもイリアの言葉に賛成の意を示す。

(ん?)

ミリーナの様子にルークが気づく。

(ミリーナが他所行き用の言葉遣いじゃなくなっているな。なるほど、相当打ち解けたとようだ)

普段の目上に対する言葉遣いでは無く、砕けた言い方になっている。

ルークがバストロのところに行っている間に何かあったのかも知れない。

「今結論は出せないな、あとで考えるとしよう。それより、二人はこの後、どこか行きたいところはあるか?」

「あたしはスイーツが食べたい!」

「私は雑貨など色々なお店を見て回りたいですわ」

ミリーナはゼーラの街に来たときに話していたことを、イリアは結論が先延ばしになったことに少しホッとしたあと見たいものについての希望を上げた。

「わかった。なら、まずは色々見て回ってからスイーツとやらを食べに行こう。流石に食後に連続では食べれそうにない」

「分かったわ」

「分かりましたわ」

そういうと三人は食事の続きを楽しんだ。




「わぁ、色々なお店があるのですわね!?」

「ほんとね!あ、イリアさんあの服屋に行ってみましょう!」

「ええ、あ、待ってミリーナちゃん!」

食後店を出た三人は、ゼーラの街でも一番栄えている大通りに来ていた。

滅多に外に出られないイリアもほとんど初めてなミリーナも二人して買い物を楽しんでいた。

ルークは人の通りに邪魔にならない場所に移動し待機している。

「これが買い物というやつなのだな。体力とは別の何かで疲れる気がする」

二人を見失わないように注意しながらも体を休めるルーク。

百戦錬磨の男でも買い物疲れは普通の人と変わらないようだった。
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