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第110話 懐柔
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(・・・あれか)
ルークは周囲を警戒しながら二階に上がり、ミリーナが『謁見の間』みたいじゃないかと憤慨していた部屋の前に辿り着く。
その時のことを思い出して自然と笑みが零れる。
(部屋の中にいる連中の殺気が扉に集中しているようだ。一人だけ気配が弱い者がいるな)
恐らくケビンだと考えたルークは、『謁見の間』の入り口では無く、隣の部屋に入る。
中には誰もいないようだ。
そのまま、弱っている気配の近くまで移動する。
(正面から乗り込んでもいいが、今回の目的はケビン様の救出がメインだからな)
そして、ルークがここで初めて『護命剣』を抜き、構える。
(よし、行くぞ!!)
「どうなったんじゃ?」
1階が急に静かになったのを感じ、バストロがアグラスに問いかける。
アグラス以外の私兵達は弓を構えていつ入り口から入ってきても即座に矢を放てるように待機中である。
「わかりませんが、全員やられたみたいですねぃ。心づもりだけはしていてくださぃ」
侵入者を倒していれば部下の誰かしらが報告に来るはず。
それがないということは、全員やられたと考えるべきだろう。
キィィィン
ドガァァァン
突然、アグラスの後方から大きな音が響く。
「なっ!」
予想外の状況に思わず、声を上げる。
「おい!後ろだ!!」
アグラスの言葉に即座に振り返り、矢を構えるが扉を中心に囲うように配置していたため後ろに振り向くと味方が壁となり矢が放てない。
動揺する私兵達。
中から入ってきた白髪の男がそのまま駆け抜け檻に向かい、剣を振るう。
ギィィィン
あっさりと鉄でできた檻が斬られ、中にいるケビンを助け出す。
「大丈夫ですか?ケビン様」
白髪の男・・・ルークはケビンを左脇に抱えながら声を掛ける。
「あ、ああ・・・大丈夫だ。ありがとうルークさん」
体はボロボロだが声ははっきりしていることを見てルークは安心する。
(さて、これからどうするかな)
私兵達が体勢を整え、ルークを中心に囲う。
その中から、肥え太った男が前に出てきた。
「貴様!何者だ!!」
そうして、怒りのままにルークに対して怒鳴りつけた。
ルークは周囲を警戒しながら二階に上がり、ミリーナが『謁見の間』みたいじゃないかと憤慨していた部屋の前に辿り着く。
その時のことを思い出して自然と笑みが零れる。
(部屋の中にいる連中の殺気が扉に集中しているようだ。一人だけ気配が弱い者がいるな)
恐らくケビンだと考えたルークは、『謁見の間』の入り口では無く、隣の部屋に入る。
中には誰もいないようだ。
そのまま、弱っている気配の近くまで移動する。
(正面から乗り込んでもいいが、今回の目的はケビン様の救出がメインだからな)
そして、ルークがここで初めて『護命剣』を抜き、構える。
(よし、行くぞ!!)
「どうなったんじゃ?」
1階が急に静かになったのを感じ、バストロがアグラスに問いかける。
アグラス以外の私兵達は弓を構えていつ入り口から入ってきても即座に矢を放てるように待機中である。
「わかりませんが、全員やられたみたいですねぃ。心づもりだけはしていてくださぃ」
侵入者を倒していれば部下の誰かしらが報告に来るはず。
それがないということは、全員やられたと考えるべきだろう。
キィィィン
ドガァァァン
突然、アグラスの後方から大きな音が響く。
「なっ!」
予想外の状況に思わず、声を上げる。
「おい!後ろだ!!」
アグラスの言葉に即座に振り返り、矢を構えるが扉を中心に囲うように配置していたため後ろに振り向くと味方が壁となり矢が放てない。
動揺する私兵達。
中から入ってきた白髪の男がそのまま駆け抜け檻に向かい、剣を振るう。
ギィィィン
あっさりと鉄でできた檻が斬られ、中にいるケビンを助け出す。
「大丈夫ですか?ケビン様」
白髪の男・・・ルークはケビンを左脇に抱えながら声を掛ける。
「あ、ああ・・・大丈夫だ。ありがとうルークさん」
体はボロボロだが声ははっきりしていることを見てルークは安心する。
(さて、これからどうするかな)
私兵達が体勢を整え、ルークを中心に囲う。
その中から、肥え太った男が前に出てきた。
「貴様!何者だ!!」
そうして、怒りのままにルークに対して怒鳴りつけた。
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