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第75話 出発までの行動(ミリーナの場合)

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「ただいま~」

あたしはメリッサ様に色々と話を聞いたあと、近衛騎士所属第二部隊の方たちと顔合わせをして貰った。

どうして顔合わせをしたかと言うと、しばらく会うことはないだろうが、近衛騎士に入ったという実感を持ちたかったのと任務中に何かあったときに一度でも会ったことがあればスムーズに進むことも多いだろうと考えたからだ。

流石に全員は居なかったが半分位の近衛騎士の先輩に会うことが出来た。

正直、新参者で尚且ついきなり班長という傍目からみて生意気なあたしに対して、突っかかってくる人もいるかと思ったがそんなことは全く無く敬意を持った接し方をしてくれたのでとても驚いた。

なんでもメリッサ様が常日頃

「年齢など関係ない!能力でのみ人を判断せよ!少なくとも私の部隊はそうあるべきだ!!」

と言っているのが効いているとのことだ。

近衛騎士というセインツ王国の中心である王都を守るには年功序列という考えは邪魔でしかないという思想から来ている言葉らしい。

そんなこんなで無事顔合わせが済んだあたしは一度実家に帰ることにし、今に至る。

「「「お帰りなさいませミリーナお嬢様!!」」」

家に入るとメイドたちが出迎えてくれる。

「お母様は?」

あたしは側に来たメイド長に尋ねた。

相変わらず、スラッとした長身の美人だ。眼鏡をしているが実は伊達だということはあたしだけが知っている。

「奥様はお部屋にいらっしゃいます。旦那様は出張中で、マリーヌお嬢様は学び舎に行かれております」

「ありがとう、アリアさん」

あたしはお母様の部屋に向かう。

お父様は貴族位もあるが商人をメインとしているので
家をあける事が多い。

マリーヌは妹の名前だ。

あたしのように騎士学校ではなく、貴族の子女が通う学校に通っている。

「ミリーナお嬢様。私に「さん」付けは不要ですと何度も言ってますでしょうに」

あたしの後ろに付いてきながらメイド長・・・アリアさんがいつもの小言を言う。

「うーん。まぁ、気にしないで!」

「・・・次からはお気をつけください」

アリアさんはあたしが『さん』付けをやめる気が無いことを感じ取りながらも引き下がる。

「では、お夕飯の準備がございますので失礼致します」

アリアさんが御辞儀をすると消えるようにいなくなった。・・・相変わらず、素早いわね。。。謎が多い人だ。

コンコンコン

いつの間にか目的地であるお母様の部屋の前に着いていたので扉をノックする。

「はい。どなた?」

「私です。お母様」

「ミリーナ!?帰って来たのね!早く中へ入っていらっしゃいな」

あたしの帰宅に驚いた様子でお母様が中に入るように促した。
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