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第22話 異常
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コンコン
あたしの病室のドアが叩かれたのはあの事件から一週間が経過し、全治二週間のところを縮めて明日退院の予定となっていた日だった。
病院の先生があたしのことを驚異的な生命力だと大層驚いていたのが昨日のことだ。
「はい。どなたですか?」
あたしはドアをノックした人物に声をかける。
誰だろう。可能性が高いのはお父様や妹だけど、二人はとてもお見舞いに来たがっていたが今は大事な時期だったのとあたしの命に別状じゃないことがわかっていたからお母様が我慢させたって言ってたから違うと思うし・・・
「カイザスだ。入って良いだろうか?」
ん。カイザス?・・・ってメリッサ様のことだ!
一瞬誰か分からなかったが、あたしはドアの向こうにいるのが近衛騎士第二部隊隊長のメリッサ様だと思い、慌てて返事をする。
「ど、どうぞ!」
あたしの言葉によってドアを開け、姿を現したのはやはりメリッサ様だった。
「失礼する。お前たちはここで待て」
「「「はっ!」」」
メリッサ様は部下を部屋の外に待機させ、病室に入って来られた。
「どうぞ、お座りください」
あたしはひとまず椅子を勧める。
「ああ、ありがとう」
メリッサが流れるような無駄のない動きで椅子に座る。
その動きに目を奪われていると、
「大分良くなったみたいだな」
メリッサ様がそうおっしゃる。
「はい。お蔭様で明日退院できるまで回復しました」
「そうか、全治二週間と聞いていたが、大したものだ」
「ありがとうございます」
メリッサ様があたしのことを気にしてくださっていたことが伝わり、あたしは素直に嬉しくなる。
「本日はどのような御用でしょうか?」
流石に、わざわざ見舞いに来るだけのために多忙なメリッサ様が一騎士学生のために時間を割いてくださるとは思えないので、尋ねる。
「ふっ。察しがいいな」
メリッサ様が少し嬉しそうに笑う。
「勿論、ヤムイ村事件の貢献者の一人であるミリーナ君の見舞いがメインだ。しかし、あと2つほど話があって尋ねさせて貰った」
そういいながら、メリッサ様は手に持っていたかごをあたしに渡す。
ヤムイ村とは先日襲撃者に襲われた村の名前だ。
「ありがとうございます」
あたしはかごを受け取り、お礼を言う。
かごの中には色々な果物が入っていた。
まさか、あたしが花より団子派であることを見透かしてのチョイスじゃないわよね。。。
メリッサ様はあたしの葛藤を見抜いているような素振りを一度したあと、そこには触れず。
「まず1つ目の話はあの事件の顛末を当事者の一人であるミリーナ君に話しておこうと思ってね」
そう言い、説明を始めてくださる。
「前置きはなしで核心を話すとあの事件は異常と言わざるを得ない」
「異常・・・ですか?」
「ああ、襲撃者たちは全員尋問中に命を断った」
「え!?」
あの連中が全員死んだ?尋問中に。あり得ない。確かに異常だ。
「そんな、あり得ません!」
あたしは思わず大きな声を出していた。
「ああ、あり得ない。まず、一人であろうと我々が拘束中に命を断つなど不可能だ。そして、その不可能なことが襲撃者全員39人に起こった。異常としか言えない」
「・・・どうやって死んだんですか?」
「毒だ。状況から言って考えられるのは襲撃する前から全員遅効性の毒を服用してから行動を開始したようだ」
「!?一体何故そんなことが・・・」
「はっきりしたことは分からない。が、これだけは言える。そこまでした連中があの事件だけで済むとは思えない。何かが起ころうとしている」
「何かが起こる・・・」
あたしは噛みしめるように同じことばを呟く。
「ああ、ミリーナ君がまた同様のことに巻き込まれるとも思えないが伝えておこうと思ってな」
「そうですよね・・・。教えてくださりありがとうございます」
そう呟いたのとは裏腹にあたしの中では不安な気持ちで一杯であった。
あたしの病室のドアが叩かれたのはあの事件から一週間が経過し、全治二週間のところを縮めて明日退院の予定となっていた日だった。
病院の先生があたしのことを驚異的な生命力だと大層驚いていたのが昨日のことだ。
「はい。どなたですか?」
あたしはドアをノックした人物に声をかける。
誰だろう。可能性が高いのはお父様や妹だけど、二人はとてもお見舞いに来たがっていたが今は大事な時期だったのとあたしの命に別状じゃないことがわかっていたからお母様が我慢させたって言ってたから違うと思うし・・・
「カイザスだ。入って良いだろうか?」
ん。カイザス?・・・ってメリッサ様のことだ!
一瞬誰か分からなかったが、あたしはドアの向こうにいるのが近衛騎士第二部隊隊長のメリッサ様だと思い、慌てて返事をする。
「ど、どうぞ!」
あたしの言葉によってドアを開け、姿を現したのはやはりメリッサ様だった。
「失礼する。お前たちはここで待て」
「「「はっ!」」」
メリッサ様は部下を部屋の外に待機させ、病室に入って来られた。
「どうぞ、お座りください」
あたしはひとまず椅子を勧める。
「ああ、ありがとう」
メリッサが流れるような無駄のない動きで椅子に座る。
その動きに目を奪われていると、
「大分良くなったみたいだな」
メリッサ様がそうおっしゃる。
「はい。お蔭様で明日退院できるまで回復しました」
「そうか、全治二週間と聞いていたが、大したものだ」
「ありがとうございます」
メリッサ様があたしのことを気にしてくださっていたことが伝わり、あたしは素直に嬉しくなる。
「本日はどのような御用でしょうか?」
流石に、わざわざ見舞いに来るだけのために多忙なメリッサ様が一騎士学生のために時間を割いてくださるとは思えないので、尋ねる。
「ふっ。察しがいいな」
メリッサ様が少し嬉しそうに笑う。
「勿論、ヤムイ村事件の貢献者の一人であるミリーナ君の見舞いがメインだ。しかし、あと2つほど話があって尋ねさせて貰った」
そういいながら、メリッサ様は手に持っていたかごをあたしに渡す。
ヤムイ村とは先日襲撃者に襲われた村の名前だ。
「ありがとうございます」
あたしはかごを受け取り、お礼を言う。
かごの中には色々な果物が入っていた。
まさか、あたしが花より団子派であることを見透かしてのチョイスじゃないわよね。。。
メリッサ様はあたしの葛藤を見抜いているような素振りを一度したあと、そこには触れず。
「まず1つ目の話はあの事件の顛末を当事者の一人であるミリーナ君に話しておこうと思ってね」
そう言い、説明を始めてくださる。
「前置きはなしで核心を話すとあの事件は異常と言わざるを得ない」
「異常・・・ですか?」
「ああ、襲撃者たちは全員尋問中に命を断った」
「え!?」
あの連中が全員死んだ?尋問中に。あり得ない。確かに異常だ。
「そんな、あり得ません!」
あたしは思わず大きな声を出していた。
「ああ、あり得ない。まず、一人であろうと我々が拘束中に命を断つなど不可能だ。そして、その不可能なことが襲撃者全員39人に起こった。異常としか言えない」
「・・・どうやって死んだんですか?」
「毒だ。状況から言って考えられるのは襲撃する前から全員遅効性の毒を服用してから行動を開始したようだ」
「!?一体何故そんなことが・・・」
「はっきりしたことは分からない。が、これだけは言える。そこまでした連中があの事件だけで済むとは思えない。何かが起ころうとしている」
「何かが起こる・・・」
あたしは噛みしめるように同じことばを呟く。
「ああ、ミリーナ君がまた同様のことに巻き込まれるとも思えないが伝えておこうと思ってな」
「そうですよね・・・。教えてくださりありがとうございます」
そう呟いたのとは裏腹にあたしの中では不安な気持ちで一杯であった。
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