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第71話

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(レベンもリリヤとやらも順調に勝ち進んだな)

(そうね。あとはあたしが続かないと・・・)

あたしは今リングに向かって歩いている。

相手は前回の大会にも出場して入るがあまりいい成績ではなかったみたいだから、心配はいらないだろう。

(・・・マーヘンは心が広いのだな)

躊躇ったように『審査するもの』が言ってきた。

・・・急にどうしたのかしら。

(サイカのこと?)

思い付きで言ってみる。

(それもあるが私のことも含めてだ)

(別にそうは思わないわ。あたしは自分がこうしたいって思ったことをしただけだからあなたもサイカも気に病む必要はないわよ)

(すまんな)

(・・・何よ改まっちゃって、照れるじゃない)

(やはり、“外”の世界はいいな)

『審査するもの』うれしそうな意志が伝わってきた。

(身体がなくても?)

一番気になっていたことを尋ねてみる。

『審査するもの』は一呼吸あけてから、

(・・・たしかに、正直に言うと身体がないのは辛い。強い相手を見つけても、戦えないからな。しかし・・・)

(しかし何?)

(しかし、此処にはそんなことなどちっぽけに思えるくらいの“自由”がある。後悔はしていない)

(・・・そう。よかった・・・)

あたしは心の底から言葉を紡いだ。

(よーし、一段落したらあなたを助けようとしていた人を捜しにいくわよ!)

(それは助かるが・・・そこまで迷惑を掛けるわけには・・・)

(なーに言ってんのよ!水臭いわね。それにあたしも会ってみたいのよ。気が合いそうだしね)

『審査するもの』の言葉を遮り、言ったあと、片目をつぶった。

(ただただ感謝するのみだありがとう)

(だからぁ、気にする必要ないってば)

お礼を言われるのは苦手なんだから・・・。

妹のシベハがもしこの会話を聞いていたら間違いなく

『もう、お姉ちゃんったら照れ屋なんだから』

といってからかわれていただろう。

やっとのことで入口が見えてきた。

するとその時

ズガガガーン!

けたたましい音が鳴り響いた。

続いてさまざまな悲鳴が聞こえてくる。

「なっ!何事」

辺りに誰もいないのにもかかわらず一人、声を上げてしまった。

(・・・闘技場の方から凄まじいプレッシャーを感じる)

(とにかく行ってみるわ)

『審査するもの』にそういうと、あたしは駆け出していた。
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