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第27話
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「なに・・・これ・・・」
あたしは目を覚ましたときに思わずそうつぶやいてしまった。
体がぴくりとも動かないのだ。
これが世にいう金縛りってやつ?あーあ、今日はせっかくの休みだっていうのに、これじゃあ何もできないじゃない。
現状がわかってくると、安心してきた。
どうやら近くには誰もいないみたいだ。
さて、どうしよう?五感はしっかりと働いているし呼吸もできる。
こんな時にあたしに恨みがあるやつが襲ってきたら・・・。あたしは最悪の場面を思い浮べ、そうならないことをただ祈る。
とりあえず、体を動かせるようにしないと。
あたしは全神経を右腕に集中させてみた・・・だめだぴくりとも動かない。
ドンドンドン
不意にあたしのいる部屋のドアが叩かれた。
やばいわね・・・あたしの人生もこれまでかしら・・・。
ドンドンドンドン
あたしの腹積りが決まる前にまたまたドアが叩かれる。
「誰っ!」
こうなればどうにでもなれ。
あたしはずっとドアを叩かれるよりはと思い、ドアの外にいる人物に問いかけた。
「よかった、目を覚ましていたんだ」
あたしの予想に反して聞こえてきたのはわずかな音程の狂った声・・・レベン・アインターブのものであった。
「あんた何でここに?」
あたしは自由になった手足の具合を確かめながらレベンに尋ねた。
あの後、ドアの外にいるのがアインターブだとわかったあたしは、自分のおかれた状況を説明し、金縛りを解く方法を聞いてみた。
金縛りにかかっているあたしに何の攻撃もしてこない点(金縛りとはルフトが起こしているため)、辺りが静かすぎる点から国都の人々全員に金縛りがかけられているのではと考え、そこに自由に動いているレベンがやってきたからである。
案の定、レベンは解き方を知っていた・・・それは身体全体から氣を放出するというものだった。
なんでも、金縛りっていうのは、簡単にいうと・・・実際にはもっと複雑らしい・・・ルフトのみえない力が相手を動けなくしているらしく、いっぺんにその力を剥がさないと解除できないのだそうだ・・・なんでもレベンは、昔助けた占いのお婆さんにお礼代わりにと色々な知識を教わったらしい・・・どんな知識でも、大切だってことを身をもって知ったわ・・・。
「朝目覚めたら、身体が動かないし、まわりに活動している人の“感じ”が掴めないから、こりゃかなりやばい気がしたんだ。それで一人で動くのは得策じゃないと思ってリバースさんを尋ねたってわけ」
「ふーん、そこで何であたしの名前が出てくるわけ?」
「そう!」
よくぞ聞いてくださいましたといった感じでレベンはあたしに親指を立ててくる。
「隣にいる人とか何人かの様子をみてみたんだけど、みんな身体が動かないどころか起きてさえもいなかったんだ。揺すって起こそうにも身体に触れることすらできなかったからどうしようもなくてさ。で、リバースさんなら目覚めてると思ったわけ。基本的に強い人には術がかかりにくいからね」
「なるほどね」
こいつ、なかなかに機転が利くじゃない。あたしは正直に感心していた。
「一応礼を言っておくわ。ありがとう」
もしかしたらあのまま動けなかったかもしれないし・・・ね。
「いいよ、礼なんて・・・。ところで、これからどうする?」
「そうね・・・」
無意識に腕を組んで考える。
「この状況じゃ、大会どころじゃないし、原因の究明。で、解決できるようなら解決するってことで」
「まあ、そんなところだろうね」
あたしの答えに納得はしたのだろう・・・レベンが同調してきた。
「あんた、原因になにか目星でもついてるの?」
話を聞くかぎりではあたしよりもレベンの方が現状を把握しているだろう。
「いや、何人かの様子を見た後、真っすぐこっちに来たから、とくにここだってものはないね。それにこんなに大規模な術だから当然カムフラージュもしてるだろうし・・・」
「まあ、そうよね・・・。あんたの意見を聞きたいんだけど・・・単独でこんなことできると思う?」
「いや・・・無理だね。そんなことができる人がいるのなら、まず間違いなく、人間じゃないね」
あたしは目を覚ましたときに思わずそうつぶやいてしまった。
体がぴくりとも動かないのだ。
これが世にいう金縛りってやつ?あーあ、今日はせっかくの休みだっていうのに、これじゃあ何もできないじゃない。
現状がわかってくると、安心してきた。
どうやら近くには誰もいないみたいだ。
さて、どうしよう?五感はしっかりと働いているし呼吸もできる。
こんな時にあたしに恨みがあるやつが襲ってきたら・・・。あたしは最悪の場面を思い浮べ、そうならないことをただ祈る。
とりあえず、体を動かせるようにしないと。
あたしは全神経を右腕に集中させてみた・・・だめだぴくりとも動かない。
ドンドンドン
不意にあたしのいる部屋のドアが叩かれた。
やばいわね・・・あたしの人生もこれまでかしら・・・。
ドンドンドンドン
あたしの腹積りが決まる前にまたまたドアが叩かれる。
「誰っ!」
こうなればどうにでもなれ。
あたしはずっとドアを叩かれるよりはと思い、ドアの外にいる人物に問いかけた。
「よかった、目を覚ましていたんだ」
あたしの予想に反して聞こえてきたのはわずかな音程の狂った声・・・レベン・アインターブのものであった。
「あんた何でここに?」
あたしは自由になった手足の具合を確かめながらレベンに尋ねた。
あの後、ドアの外にいるのがアインターブだとわかったあたしは、自分のおかれた状況を説明し、金縛りを解く方法を聞いてみた。
金縛りにかかっているあたしに何の攻撃もしてこない点(金縛りとはルフトが起こしているため)、辺りが静かすぎる点から国都の人々全員に金縛りがかけられているのではと考え、そこに自由に動いているレベンがやってきたからである。
案の定、レベンは解き方を知っていた・・・それは身体全体から氣を放出するというものだった。
なんでも、金縛りっていうのは、簡単にいうと・・・実際にはもっと複雑らしい・・・ルフトのみえない力が相手を動けなくしているらしく、いっぺんにその力を剥がさないと解除できないのだそうだ・・・なんでもレベンは、昔助けた占いのお婆さんにお礼代わりにと色々な知識を教わったらしい・・・どんな知識でも、大切だってことを身をもって知ったわ・・・。
「朝目覚めたら、身体が動かないし、まわりに活動している人の“感じ”が掴めないから、こりゃかなりやばい気がしたんだ。それで一人で動くのは得策じゃないと思ってリバースさんを尋ねたってわけ」
「ふーん、そこで何であたしの名前が出てくるわけ?」
「そう!」
よくぞ聞いてくださいましたといった感じでレベンはあたしに親指を立ててくる。
「隣にいる人とか何人かの様子をみてみたんだけど、みんな身体が動かないどころか起きてさえもいなかったんだ。揺すって起こそうにも身体に触れることすらできなかったからどうしようもなくてさ。で、リバースさんなら目覚めてると思ったわけ。基本的に強い人には術がかかりにくいからね」
「なるほどね」
こいつ、なかなかに機転が利くじゃない。あたしは正直に感心していた。
「一応礼を言っておくわ。ありがとう」
もしかしたらあのまま動けなかったかもしれないし・・・ね。
「いいよ、礼なんて・・・。ところで、これからどうする?」
「そうね・・・」
無意識に腕を組んで考える。
「この状況じゃ、大会どころじゃないし、原因の究明。で、解決できるようなら解決するってことで」
「まあ、そんなところだろうね」
あたしの答えに納得はしたのだろう・・・レベンが同調してきた。
「あんた、原因になにか目星でもついてるの?」
話を聞くかぎりではあたしよりもレベンの方が現状を把握しているだろう。
「いや、何人かの様子を見た後、真っすぐこっちに来たから、とくにここだってものはないね。それにこんなに大規模な術だから当然カムフラージュもしてるだろうし・・・」
「まあ、そうよね・・・。あんたの意見を聞きたいんだけど・・・単独でこんなことできると思う?」
「いや・・・無理だね。そんなことができる人がいるのなら、まず間違いなく、人間じゃないね」
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