いじめ物語 美花学園

よう

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鋭い視線

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次の日
ー登校ー
ゆめ『おはようちさとっ』
ちさとが家を出ると、ゆめが立っていた。
ちさと『お、おはよう。どうしたの?』
ゆめ『ちさとと一緒に登校したいし徒歩通学にしよっかなって♪』
ちさと『ありがとう。嬉しい』
ゆめはニコニコと笑った。だがちさとの表情は少し暗い。
ゆめ『ちさと元気なくない?どうしたのっ』
ちさと『実はね......』
ちさとは歩きながら昨日の放課後の事を一部始終話した。
ゆめ『ええええっ!嘘でしょ?!まさかっ』
ちさと『私もそう思ったよ...』
ゆめ『金本さんとあんなラブラブだったのに~あっもしかして、ちさとの事好きなんじゃない?』
ちさと『なっなわけないじゃんっきっとからかってるんだよ』
ゆめ『そうかなあ。まっ気にすることないよ!Kissするって事は嫌われてはないんじゃん』
ちさと『そっか』
(まあ、今日学校でゆうすけ君に聞いてみようかな)
ちさとの顔に笑顔が戻る。
そのまま2人は、学校まで他愛もない話をしながら歩いていった。

ー教室ー
教室はざわざわとしていた。
(なんだか昨日と少し違うような...)
ガラガラッ
2人が教室に入ると、さっきまで騒いでいたとは思えないほど教室中がしーんと静まり返った。
呆然としていると、5☆がさなを先頭にとても険しい顔でちさとの前に立った。
さな『あんた、さいってい!!!!!!』
バチンッ
さなは大声でそう叫ぶとちさとの頬に強烈なビンタをした。
ちさと『いった....』
さな『あんた、昨日ゆうすけにキスしたらしいじゃない!』
さなは怒り狂っていた。
ちさと『ちっ...ちがう...』
めい『はあ?!何が違うんだよ!』
れいか『証拠はそろってるんですよ?』
あこ『彼女いるの分かっててとかまじきもーいっさいてー』
みう『そうゆうの、アバズレっていうんだよぉ?さなちゃん可哀想ー』
生徒『ほんと可哀想』
生徒『さいてー』
周りの生徒達もちさとを責め立てる。
そんななか、ゆうすけは教室の中央で泣いていた。
周りには数人の女子生徒。
ゆうすけ『ごめんね...さな...ほんとごめん....ひっく...ほんとはしたくなかったんだけど....あ、あのこが無理やり....っ』
まるでちさとから仕掛けたかのような言い草だった。
女子生徒『ゆうすけ君は悪くないよっ』
女子生徒『そうだよ』
周りの女子生徒が口々にゆうすけを擁護した。
ちさと『ち、ちがう...ほんとに....ちがう...』
この場でちさとの事を信じてくれている人なんてほぼいなかった。
たくさんの鋭い視線がちさとに突き刺さる。
ゆめ『ちょっと待ってよ!ちさとの言い分も聞かないで一方的に酷いじゃない!』
教室中がしーんと静まり返った。
ちさと『私...ゆうすけ君からKissされたんです.....私からなんて...』
めい『あ?嘘ついてんじゃねーよっ』
れいか『これ、証拠です』
れいかがニコリと笑い写真をばらまく。
ゆうすけとちさとのKissの写真だった。しかも、まるでちさとがゆうすけに無理やりしたかのように写っている。
教室が再びざわざわしだした。
誰もがちさとが悪いと確信したからである。
(な、なにこれ...!)
みう『あれー?やっぱり嘘だったんだぁ』
ちさと『え....いや...嘘...っ』
ゆめ『ちさと...嘘だったの...?』
ちさと『ちがう!嘘じゃない...!』
ゆめ『ひどいよ!』
ゆめは走って教室を出ていった。
ちさと『なんで...ゆめ...』
ちさとの目から涙があふれてくる。
あこ『アバズレ、親友に見捨てられたなうwww』
さな『きゃははははっ』
(ゆめ...ゆめ...ゆめ....っ)
ちさとは泣きながらその場に座り込んだ。
みんなに責められたことより、ゆめが信じてくれなかった事の方がなによりも悲しかった。
そんなちさとの様子を眺めゆうすけは密かに口元に笑みを浮かべていた。
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