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鳥だんご筋肉だんご
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王城から外へ出るのは簡単で、それとは逆に王城に入るには厳しい。
だけど僕は鳥になることで出入りが自由で、その問題はパスできる。
問題なのは、鳥から人になった時の全裸、洋服問題だったけれど、それはすぐに解決した。
王城脇にある果樹園には、農機具小屋の隣に、もう少しで朽ち果てて屋根が落ちてしまいそうな小さなボロ屋がある。僕はそこを人型に戻る時に服を着脱する拠点にすると決めた。
人型で街へ出て、用事が終わったら小屋で服を脱いで、鳥型になってお城へ戻るのだ。次は鳥型で拠点へ行き、人型をとり洋服を着る。
うん。まったく問題なし。
僕が戸惑う理由はもうない。
という事で、僕は初めて城門から堂々と人型で外へ出た。街で雇ってもらえるよう交渉するために。
鳥型でさんざん探索していたお蔭で、街の地図は頭に入っているし迷子になる事はなかった。何がどこにあるのかわかっているから自分の庭のようなものだ。
当たりをつけていたのは二つの食堂。もちろん美味しい香りがだたよっている所。
お城で出されるお上品な芸術品じゃなくて、庶民の財布に優しいママの味を僕は選んだ。
だけど、僕の考えは相当甘かったようで、そのうち一つのお店で手ひどく断られた。
対応に出てきた大男が僕を店前で突き飛ばしたのだ。
僕の瞳が黒い事に嫌悪したみたい。縁起が悪いから店に入って来るなってさ。敷居をまたぐだけで追い出されるってどんだけ黒目って呪わてるんだ。
鳥型だったらこんなの軽く避けられたのに……人型でいる事の益って僕にとってはあんまりないのかも……
ぶざまに転がりながらも意外と冷静な頭でそう考えていた。
まだ何か喋っている男は、肩の痛みに意識がいってしまう僕には口をパクパクさせている風にしか見えなくて、でも僕に対して碌な事を言ってないのは歪んだ顔からわかる。
思わず脳なしって呟いたら聞こえたみたいで、お腹を蹴られた。自分の口がこんな場面では軽い事に初めて気づいたよ……
予想外の展開すぎて頭が真っ白になっちゃったけど、大男は店の仲間に無理矢理店の中に引っ張り込まれていった。だからまた遠慮なくアホーって言えた。自分の声がカタカタ震えてたのはこの際無視。
まだ往来に人が少ない時間って事もあって、遠くにいる人の視線がちょっとこっちに向けられただけだった。
ついてないや……
ちょっとだけ店前の道端で膝を抱えて回復を待って、ようやくそこを後にした。
幸先が悪いって思たし、もう帰ろうかとも思ったけど、自分の頬を一つ叩いて気合を入れて、もう一軒のお店に足を運んだ。
結果、勇気を出して行ってよかった。その食堂ではお手伝いとして働ける事になったのだ。
最初の店があんなだっただけに、次は何が出てくるかと身構えていたけけど、それが無駄に終わったのだ。
それに初日で二軒とも断られる覚悟もあったから、僕はよっしゃと拳を握った。
ただし、仕事はあったりなかったりの不定期らしい。
あれば精一杯やる。なければ空きっ腹を抱えて帰るという事になる。暴力的な人はいないようだし。まあ、しょうがないと納得する。
勤務は一応明日からとなって、僕はお城へと帰り、鳥型のままでヒューゴさんを探しに探した。
散々探し回った末に見つけたのは、騎士さんたちが剣を振るう広い鍛練場だった。ここは城とは隣接していても一応敷地外で、僕は一度上から眺めた事があるだけの場所だ。
ヒューゴさんはたまにここで汗を流しているのか、茶のズボンに白シャツ姿で汗をぬぐいながら、数人に囲まれ雑談に興じている。
いつもきっちりで真面目なイメージがあるけれど、上空から見つけたヒューゴさんは別人みたいに精悍でかっこよかった。第一ボタンどころか第二ボタンまで開けて、汗で額に張りついた前髪がセクシーだ。
人型だったらもちろん遠慮するけど、ここは鳥型の図々しさで、僕は彼に向かって急降下。そして速度を調節してから、シャツの谷間にボスンって上手いこと潜り込んだ。
うおぉとか何とか、野太い声の騒めきが聞こえて、頭から突っ込んでいた僕はごそごそ方向転換して、何とか顔を出した。
「うわぁ、団子みたいな鳥じゃん」
「ちっせー」
ぬおって腕が伸びて僕の頭に触れようとしたけど、僕はまたシャツに潜る。
お触りはマイカとヒューゴさん以外は禁止なんです。僕的に。
ヒューゴさんは僕の事をマイカの相棒でとても賢い鳥なんだと説明してくれた。またひょいと顔を出すと、野獣っぽい方々の目が集まって、ちょっと怖かった。さっき僕に遠慮なく暴力を振るってくれた食堂の男を思い出したからだ。
でもヒューゴさんの仲間に悪い人たちではないだろうから、また顔を出してみる。半分だけ。
そしたらやっぱり、僕を見る目は蕩けるようにデレでいて、この人たちに悪意はないって思ったら申し訳なくなってしまった。
『こんにちは』
一声鳴いてみたら、うぉーって低い声のどよめきが起こる。照れる。
その後は暫らくはヒューゴさんのシャツ中でコテンと転がって、彼が着替えるまでそこで癒される事にした。ヒューゴさんのお腹はしっかり六つに割れているのを発見。いつもお茶を入れているだけじゃないんだって、ちょっと尊敬した。
夜はマイカを待たずにベッドに入る。
シャワーする時にお腹を確認したけれど痣はうっすらと出ただけ、出にくい体質であるならで助かる。呼吸する度にお腹に引っ掛かりを感じたけれど、我慢するような痛みはなかった。結構僕って頑丈?
色々と有り過ぎたせいか、いつもの眠る時間が来てもなかなか眠気が訪れず、部屋を無駄にうろつく。
もうヒューゴさんにボタンを留めてもらう事も、眠るように急かされるような事もなくなっていて、僕も少しは成長してるって感じ。交流する時間が少なくなって寂しい気もするけれどしょうがない。
パジャマを脱いでから布団に入った。このシーツは肌触りが良くて全身の素肌を包まれると気持ちいい。だから僕にとってパジャマはお風呂上りの時から布団に入るまでの待機服って感じだ。
ベッドの割り当てはキングサイズの右の窓側が僕、左がマイカ。
今晩はちょっとだけ真ん中よりに。
ごそごそシーツを被って、夢の訪れを待った。
僕にとって眠りは深い水底へゆっくりと潜っていくイメージ。
深度を深くする毎に色は濃色へ変わる。空気の泡を吐きながら手を伸ばせば、深い眠りへの糸が手に届く、のに、そこまで来ると急に息苦しくなって、僕はそれを放してしまう。
もう少しだったのにと、僕は寝返りを打つ。
次はもっと深く、そう思うほど、引き返す間隔が短くなってしまう……
「あ……おかえり、まいか」
「ただいま、ノア」
糸を掴みかけては手放す事を二度三度と繰り返し、僕は隣に潜り込んでくる振動に目を開けた。
マイカは手の甲で僕の頬をする。通り過ぎた後の肌は熱が奪われ冷たい。どうやら、僕は涙を流していたみたいで、マイカはそれを拭ってくれたようだ。
「ノア? 何か悲しい夢でもみた?」
「夢、かどうかわからないけど悲しくはないよ。人の世界は新鮮で、何もかもが初体験で、僕は……たぶん、どんな事にも感動してるんだと思う……」
鳥型の時に涙を流すほど、嬉しいことも悲しいこともなかった。ずっと平和で、実はそんな変わらない日々に退屈していたんだ。だからこんな刺激的な日は最高。生きてるって感じがする。
みんなに愛されようだなんて思わない。
だから、悲しくなんてないよ。絶対。
マイカは僕の黒が好きだよね。だって最初からずっと僕から目を逸らしていない。瞳だけじゃない、その指も唇も……ずっと優しい。
「ねえ、マイカ、ちゅってして……えっと、下じゃなくて」
記憶に新しいハプニングを思い出して言葉を足してみたけれど、かえって恥ずかしくなった。失敗。それにこんな風にマイカに甘えるのも初めて。
二人しかいない部屋なのに、僕たちは声を潜めていた。
闇に慣れた目には青白い夜がある。
そこに浮かぶマイカの顔が僕の一言で崩れて、前髪を書き上げる。そうすると形のいい額が表れて、隠すもののなくなった、少し幼さの残る顔がそこにある。それは出会ったばかりの頃を思い出させて、何だか僕は胸が熱くなって泣きたくなった。
マイカが僕のお願いを断ることがない確信はあって、僕は受け取るために目を閉じる。
そうしたら、まず肩に手がかかって、それから布のすれる音がして、待ち望んだ場所が温かくなった。
「……もう一回して」
「ああ……」
体の表面のほんの一部、それが重なるだけなのに、どうしてこうも心が落ち着くのだろう。
「もう一回」
マイカの温度に解されて、いつもなら体の中心が熱くなって、もっと深いものが欲しくなるのに、今のはちょっと違う。そこから優しさが流れ込んでくるようで体が軽くなった。
もっとって言う前に、ゆっくりくっ付いては距離を取って僕の反応を伺い、じわじわと僕を慰める。優しい、僕のマイカ。
「お願いだから、僕が眠るまでぎゅってしてて……」
「もちろん、朝までそうしているよ」
肩にあった手が背中に回って、マイカの方から僕に体を寄せる。顔がちょうど首の下の部分にはまり込んで、マイカの香りに包まれた。
マイカのパジャマは滑らかで気持ちがいい。今度こそいい夢見れそうって思ったのに眠気はこなかった。
「ノア?……眠れない?」
「うん。マイカも?」
「ああ。少し、眠りやすくなるように、気分を変えてみようか」
「……」
だんまりを決め込む僕に対し、マイカはシーツを一気にはぎ取り床に落とした。
だけど僕は鳥になることで出入りが自由で、その問題はパスできる。
問題なのは、鳥から人になった時の全裸、洋服問題だったけれど、それはすぐに解決した。
王城脇にある果樹園には、農機具小屋の隣に、もう少しで朽ち果てて屋根が落ちてしまいそうな小さなボロ屋がある。僕はそこを人型に戻る時に服を着脱する拠点にすると決めた。
人型で街へ出て、用事が終わったら小屋で服を脱いで、鳥型になってお城へ戻るのだ。次は鳥型で拠点へ行き、人型をとり洋服を着る。
うん。まったく問題なし。
僕が戸惑う理由はもうない。
という事で、僕は初めて城門から堂々と人型で外へ出た。街で雇ってもらえるよう交渉するために。
鳥型でさんざん探索していたお蔭で、街の地図は頭に入っているし迷子になる事はなかった。何がどこにあるのかわかっているから自分の庭のようなものだ。
当たりをつけていたのは二つの食堂。もちろん美味しい香りがだたよっている所。
お城で出されるお上品な芸術品じゃなくて、庶民の財布に優しいママの味を僕は選んだ。
だけど、僕の考えは相当甘かったようで、そのうち一つのお店で手ひどく断られた。
対応に出てきた大男が僕を店前で突き飛ばしたのだ。
僕の瞳が黒い事に嫌悪したみたい。縁起が悪いから店に入って来るなってさ。敷居をまたぐだけで追い出されるってどんだけ黒目って呪わてるんだ。
鳥型だったらこんなの軽く避けられたのに……人型でいる事の益って僕にとってはあんまりないのかも……
ぶざまに転がりながらも意外と冷静な頭でそう考えていた。
まだ何か喋っている男は、肩の痛みに意識がいってしまう僕には口をパクパクさせている風にしか見えなくて、でも僕に対して碌な事を言ってないのは歪んだ顔からわかる。
思わず脳なしって呟いたら聞こえたみたいで、お腹を蹴られた。自分の口がこんな場面では軽い事に初めて気づいたよ……
予想外の展開すぎて頭が真っ白になっちゃったけど、大男は店の仲間に無理矢理店の中に引っ張り込まれていった。だからまた遠慮なくアホーって言えた。自分の声がカタカタ震えてたのはこの際無視。
まだ往来に人が少ない時間って事もあって、遠くにいる人の視線がちょっとこっちに向けられただけだった。
ついてないや……
ちょっとだけ店前の道端で膝を抱えて回復を待って、ようやくそこを後にした。
幸先が悪いって思たし、もう帰ろうかとも思ったけど、自分の頬を一つ叩いて気合を入れて、もう一軒のお店に足を運んだ。
結果、勇気を出して行ってよかった。その食堂ではお手伝いとして働ける事になったのだ。
最初の店があんなだっただけに、次は何が出てくるかと身構えていたけけど、それが無駄に終わったのだ。
それに初日で二軒とも断られる覚悟もあったから、僕はよっしゃと拳を握った。
ただし、仕事はあったりなかったりの不定期らしい。
あれば精一杯やる。なければ空きっ腹を抱えて帰るという事になる。暴力的な人はいないようだし。まあ、しょうがないと納得する。
勤務は一応明日からとなって、僕はお城へと帰り、鳥型のままでヒューゴさんを探しに探した。
散々探し回った末に見つけたのは、騎士さんたちが剣を振るう広い鍛練場だった。ここは城とは隣接していても一応敷地外で、僕は一度上から眺めた事があるだけの場所だ。
ヒューゴさんはたまにここで汗を流しているのか、茶のズボンに白シャツ姿で汗をぬぐいながら、数人に囲まれ雑談に興じている。
いつもきっちりで真面目なイメージがあるけれど、上空から見つけたヒューゴさんは別人みたいに精悍でかっこよかった。第一ボタンどころか第二ボタンまで開けて、汗で額に張りついた前髪がセクシーだ。
人型だったらもちろん遠慮するけど、ここは鳥型の図々しさで、僕は彼に向かって急降下。そして速度を調節してから、シャツの谷間にボスンって上手いこと潜り込んだ。
うおぉとか何とか、野太い声の騒めきが聞こえて、頭から突っ込んでいた僕はごそごそ方向転換して、何とか顔を出した。
「うわぁ、団子みたいな鳥じゃん」
「ちっせー」
ぬおって腕が伸びて僕の頭に触れようとしたけど、僕はまたシャツに潜る。
お触りはマイカとヒューゴさん以外は禁止なんです。僕的に。
ヒューゴさんは僕の事をマイカの相棒でとても賢い鳥なんだと説明してくれた。またひょいと顔を出すと、野獣っぽい方々の目が集まって、ちょっと怖かった。さっき僕に遠慮なく暴力を振るってくれた食堂の男を思い出したからだ。
でもヒューゴさんの仲間に悪い人たちではないだろうから、また顔を出してみる。半分だけ。
そしたらやっぱり、僕を見る目は蕩けるようにデレでいて、この人たちに悪意はないって思ったら申し訳なくなってしまった。
『こんにちは』
一声鳴いてみたら、うぉーって低い声のどよめきが起こる。照れる。
その後は暫らくはヒューゴさんのシャツ中でコテンと転がって、彼が着替えるまでそこで癒される事にした。ヒューゴさんのお腹はしっかり六つに割れているのを発見。いつもお茶を入れているだけじゃないんだって、ちょっと尊敬した。
夜はマイカを待たずにベッドに入る。
シャワーする時にお腹を確認したけれど痣はうっすらと出ただけ、出にくい体質であるならで助かる。呼吸する度にお腹に引っ掛かりを感じたけれど、我慢するような痛みはなかった。結構僕って頑丈?
色々と有り過ぎたせいか、いつもの眠る時間が来てもなかなか眠気が訪れず、部屋を無駄にうろつく。
もうヒューゴさんにボタンを留めてもらう事も、眠るように急かされるような事もなくなっていて、僕も少しは成長してるって感じ。交流する時間が少なくなって寂しい気もするけれどしょうがない。
パジャマを脱いでから布団に入った。このシーツは肌触りが良くて全身の素肌を包まれると気持ちいい。だから僕にとってパジャマはお風呂上りの時から布団に入るまでの待機服って感じだ。
ベッドの割り当てはキングサイズの右の窓側が僕、左がマイカ。
今晩はちょっとだけ真ん中よりに。
ごそごそシーツを被って、夢の訪れを待った。
僕にとって眠りは深い水底へゆっくりと潜っていくイメージ。
深度を深くする毎に色は濃色へ変わる。空気の泡を吐きながら手を伸ばせば、深い眠りへの糸が手に届く、のに、そこまで来ると急に息苦しくなって、僕はそれを放してしまう。
もう少しだったのにと、僕は寝返りを打つ。
次はもっと深く、そう思うほど、引き返す間隔が短くなってしまう……
「あ……おかえり、まいか」
「ただいま、ノア」
糸を掴みかけては手放す事を二度三度と繰り返し、僕は隣に潜り込んでくる振動に目を開けた。
マイカは手の甲で僕の頬をする。通り過ぎた後の肌は熱が奪われ冷たい。どうやら、僕は涙を流していたみたいで、マイカはそれを拭ってくれたようだ。
「ノア? 何か悲しい夢でもみた?」
「夢、かどうかわからないけど悲しくはないよ。人の世界は新鮮で、何もかもが初体験で、僕は……たぶん、どんな事にも感動してるんだと思う……」
鳥型の時に涙を流すほど、嬉しいことも悲しいこともなかった。ずっと平和で、実はそんな変わらない日々に退屈していたんだ。だからこんな刺激的な日は最高。生きてるって感じがする。
みんなに愛されようだなんて思わない。
だから、悲しくなんてないよ。絶対。
マイカは僕の黒が好きだよね。だって最初からずっと僕から目を逸らしていない。瞳だけじゃない、その指も唇も……ずっと優しい。
「ねえ、マイカ、ちゅってして……えっと、下じゃなくて」
記憶に新しいハプニングを思い出して言葉を足してみたけれど、かえって恥ずかしくなった。失敗。それにこんな風にマイカに甘えるのも初めて。
二人しかいない部屋なのに、僕たちは声を潜めていた。
闇に慣れた目には青白い夜がある。
そこに浮かぶマイカの顔が僕の一言で崩れて、前髪を書き上げる。そうすると形のいい額が表れて、隠すもののなくなった、少し幼さの残る顔がそこにある。それは出会ったばかりの頃を思い出させて、何だか僕は胸が熱くなって泣きたくなった。
マイカが僕のお願いを断ることがない確信はあって、僕は受け取るために目を閉じる。
そうしたら、まず肩に手がかかって、それから布のすれる音がして、待ち望んだ場所が温かくなった。
「……もう一回して」
「ああ……」
体の表面のほんの一部、それが重なるだけなのに、どうしてこうも心が落ち着くのだろう。
「もう一回」
マイカの温度に解されて、いつもなら体の中心が熱くなって、もっと深いものが欲しくなるのに、今のはちょっと違う。そこから優しさが流れ込んでくるようで体が軽くなった。
もっとって言う前に、ゆっくりくっ付いては距離を取って僕の反応を伺い、じわじわと僕を慰める。優しい、僕のマイカ。
「お願いだから、僕が眠るまでぎゅってしてて……」
「もちろん、朝までそうしているよ」
肩にあった手が背中に回って、マイカの方から僕に体を寄せる。顔がちょうど首の下の部分にはまり込んで、マイカの香りに包まれた。
マイカのパジャマは滑らかで気持ちがいい。今度こそいい夢見れそうって思ったのに眠気はこなかった。
「ノア?……眠れない?」
「うん。マイカも?」
「ああ。少し、眠りやすくなるように、気分を変えてみようか」
「……」
だんまりを決め込む僕に対し、マイカはシーツを一気にはぎ取り床に落とした。
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