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番外 大切なもの(夏樹)
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その紳士っぽい人を案内したのは、シャッターの降りた向かいの店の前。
ここはナツキがここへ来た時から閉まっていたから、元が何の店だったのかは知らない。そこに年季の入ったパイプの丸椅子を二つ並べ腰かけた。
もし気に入らない奴が来たのなら適当にあしらうつもりだったけれど、史の父親は驕り高ぶった所がなかった。
だから求められるまま記憶にある親友の話をした。
史との間に長く語れるほどの思い出はないけれど、名前を口にするだけで懐かしさに胸が痛くなった。
あの頃の二人は不安定で未成熟で孤独で、ナツキは尖り、フミはひねくれていた。
何の武器も持たないまま世に出され、一人で生きていくしかなかった。フミも自分もこの年まで死なずに生き残ったのは、きっとただの偶然だ。
ナツキの言葉に、史の父親が堪えかねたように泣きだしていた。
史の近況は聞いた。
早く親父として自分の存在を教えればいい、それだけ思った。
今のフミに夫がいて子供がいて幸せに暮らしていようと、それとは別格の存在だ。
ナツキは早々に親を諦めていたけれど、フミは折り合いがつかず求めていたのだから。
それに敷地内同居ってのは甘くないだろう。何かあった時に我慢するのは、絶対にフミになっているはずだ。
以前のナツキであれば玉の輿にのったフミを羨み、立派な実父が存在する事にイライラしたと思う。
こんな場面もあり得ない。自分の得にならないなら相手をする意味がないし。
だけど今のナツキには家がある。店もある。美貌も今が最高潮。
本音が言える義父母がいて、甘えられる夫もいる。大切な息子も。
だからフミの状況を祝福できたし、大丈夫なのかと心配にもなる。
「帰れる場所があるって教えてやりなよ。随分違うんだから」
強く言っても決心はつかないようだった。
いろんなαがいるんだな。
夜の店で十分学んだはずなのに改めて思った。
ナツキは早々にこの父親、佐保に敬語を使うのをやめていた。それが許される人と許されない人の見分けぐらいはつく。
話が途切れた所で、気持ちを切り替えるように、ナツキは自分の店を眺めた。
通路にまではみ出してディスプレイしている商品が気になる。人を呼び込むには別の商品に入れ替えた方がいい気がしたのだ。
平日の開店直後のこの時間は人通りがほとんどない。ここはナツキが来た時からずっとシャッター通り商店街のままだ。
そんな中で粘りを見せて頑張っているのは食に関わる店だけ。
惣菜店、外国食品、和菓子屋、あとは新店舗の生ジュースかなんか。
今はまだ早い時間のせいか閑散としたもので、見る限り商店街の真ん中にある小さなモニュメントを撮影する人が一人いるだけ。
「どうにかならないものかな。ね、どう思う?」
「隣の空き店舗をお借りして、売り場の面積を広げてみるのも、よさそうですね」
ナツキのぼやきに佐保が回答をよこす。どうやら佐保は窮屈な店内が気になったようだ。
確かに人がすれ違う余裕がないから、店内をのぞくだけで通り過ぎてしまう一見さんもいる。
「それは過去に何度か話し合った。でもそっちは広すぎるし問題あるんだ。別の場所に二店舗目を出す案もあったけどハルマが渋って。人に任せて自分の目が届かなくなるのも嫌なんだと」
ナツキの言う通り、隣の空き店舗は間口が広い。それを全部埋めるとなると骨が折れそうだ。拡大した分の売り上げも必要になる。
そもそもそんな需要があるのか? そう商店街の会合で言われた事がある。
組合には古着に眉をひそめる人が少数いる。それは以前のナツキがそうだったから理解できないでもない。
でも今や店のレギュラー商品のほとんどが新品。ヴィンテージはほんの少しになっている。
交わらない同士が話し合っても結論が出ず持ち越されるだけ。こうして店舗拡張の話は流れていた。
それ以来ハルマとの小さな喧嘩が増えたし、胸にもやもやを抱えたままだ。
「その前に、商店街に人を呼び込む必要がありそうですね」
「まあね。商店街の活性化とか言って、成功している場所もあるらしいね。再生コンサル入れるとか。ゆるキャラ作ったりとか。でもそれに近い事をすると、オリジナリティがない、パクリだって、言うやつは言うから」
「既に成功している事例があるなら倣った方がよろしいかと。私にも経験があるのですが、そう言う時は恥を忍んで参考にさせていただくのが正解です」
組合の古参理事に聞かせたい言葉だ。
とにかく、倣うってのは真似ってことだよな。真似ならできる。
前に予約制のセレクトショップというのを見た事がある。これ使えるか?
若いお客さんに何か面白い事がないか聞いてみるか。商店街だけじゃなく高校とか大学を巻き込んだ計画になったら楽しいだろうな。
できるできないは別でいいと、いろいろなアイデアを頭に浮かべる。
「服にこだわる必要もないか」
要はハルマが好きな事で、才能が生かされればいい。
ゼロから物を作らせたらハルマは失敗する。過去そうだったと聞かされているから。でも、そこにある物を組み合わせて作れと言えば最高を披露するだろう。
実は最近ある男性俳優が贔屓にしてくれている。
その人はハルマのセンスが気に入っていて、前にはハルマが着ていた服一式を奪うように買い取ってしまった。
それだけで終わらず、今は新居に置く家具を見繕ってほしいと依頼をしてきている。
つまり、コマ切れではないハルマの感性を売ればいい。
横の店舗には家具も置く。溜まっているハルマのコレクションも出す。誰が見てもオシャレと評価する店構えにする。今の店の延長であることが問題なら、まったく別のものを作ればいい。
ここでナツキはようやく思い出した。自分達がここを離れないのは、この場所が好きだからってことを。
「おじさんのお陰で、こっちも何か変わりそうな気がしてきた。ありがとう。なあ、悪いけどそろそろいい?」
「ええ、お時間をいただき、ありがとうございました」
フミに関する話は終わったし、今は何だか息子の顔が見たくてしょうがない。
ナツキは立ち上がって軽く首を回す。
「ねえ、フミに会いたいって伝えておいて」
この伝言を佐保から史へ直接伝えればいい。
スマホの番号を聞かれたが答えなかった。自分の番号なんて覚えてるやついないよな。
佐保を介して史と繋がる線ができた。ならば後は時を待てばいい。
どれどれ、未来のお得意様にサービスでもしておくか。
「おーい、アキ!」
ナツキが二階へ向かって息子の名前を呼ぶと、小さな息子と義母が笑顔を見せて手を振る。
「俺の親友の父さんが来てるから降りてきて。紹介する」
そして、義母に抱かれてやってきた子を佐保の胸に預ける。
ナツキの予期しない行動に戸惑う佐保だったが、その手つきは危なげなかった。
人に抱かれるのが好きな息子は、佐保の腕の中で居心地のいい場所を見つけて身をゆだねている。
大食いでもないのに顔も体もまん丸でどっしり感がすごい。ふてぶてしい下膨れの顔は貫禄たっぷりだ。
可愛いと褒められることはあまりないけれど、ナツキにとってはかけがえのない存在。
この子の知る世界はまだ優しくて丸くて暖かい。
「この子は俺の宝物なの」
佐保は一言もないまま、また涙ぐんでいる。
過去の自分が知っている温もりと、命の重みに再会したみたいに。
ナツキはその目元に少しだけ懐かしさを感じた。わざわざ言わないけど。
ここはナツキがここへ来た時から閉まっていたから、元が何の店だったのかは知らない。そこに年季の入ったパイプの丸椅子を二つ並べ腰かけた。
もし気に入らない奴が来たのなら適当にあしらうつもりだったけれど、史の父親は驕り高ぶった所がなかった。
だから求められるまま記憶にある親友の話をした。
史との間に長く語れるほどの思い出はないけれど、名前を口にするだけで懐かしさに胸が痛くなった。
あの頃の二人は不安定で未成熟で孤独で、ナツキは尖り、フミはひねくれていた。
何の武器も持たないまま世に出され、一人で生きていくしかなかった。フミも自分もこの年まで死なずに生き残ったのは、きっとただの偶然だ。
ナツキの言葉に、史の父親が堪えかねたように泣きだしていた。
史の近況は聞いた。
早く親父として自分の存在を教えればいい、それだけ思った。
今のフミに夫がいて子供がいて幸せに暮らしていようと、それとは別格の存在だ。
ナツキは早々に親を諦めていたけれど、フミは折り合いがつかず求めていたのだから。
それに敷地内同居ってのは甘くないだろう。何かあった時に我慢するのは、絶対にフミになっているはずだ。
以前のナツキであれば玉の輿にのったフミを羨み、立派な実父が存在する事にイライラしたと思う。
こんな場面もあり得ない。自分の得にならないなら相手をする意味がないし。
だけど今のナツキには家がある。店もある。美貌も今が最高潮。
本音が言える義父母がいて、甘えられる夫もいる。大切な息子も。
だからフミの状況を祝福できたし、大丈夫なのかと心配にもなる。
「帰れる場所があるって教えてやりなよ。随分違うんだから」
強く言っても決心はつかないようだった。
いろんなαがいるんだな。
夜の店で十分学んだはずなのに改めて思った。
ナツキは早々にこの父親、佐保に敬語を使うのをやめていた。それが許される人と許されない人の見分けぐらいはつく。
話が途切れた所で、気持ちを切り替えるように、ナツキは自分の店を眺めた。
通路にまではみ出してディスプレイしている商品が気になる。人を呼び込むには別の商品に入れ替えた方がいい気がしたのだ。
平日の開店直後のこの時間は人通りがほとんどない。ここはナツキが来た時からずっとシャッター通り商店街のままだ。
そんな中で粘りを見せて頑張っているのは食に関わる店だけ。
惣菜店、外国食品、和菓子屋、あとは新店舗の生ジュースかなんか。
今はまだ早い時間のせいか閑散としたもので、見る限り商店街の真ん中にある小さなモニュメントを撮影する人が一人いるだけ。
「どうにかならないものかな。ね、どう思う?」
「隣の空き店舗をお借りして、売り場の面積を広げてみるのも、よさそうですね」
ナツキのぼやきに佐保が回答をよこす。どうやら佐保は窮屈な店内が気になったようだ。
確かに人がすれ違う余裕がないから、店内をのぞくだけで通り過ぎてしまう一見さんもいる。
「それは過去に何度か話し合った。でもそっちは広すぎるし問題あるんだ。別の場所に二店舗目を出す案もあったけどハルマが渋って。人に任せて自分の目が届かなくなるのも嫌なんだと」
ナツキの言う通り、隣の空き店舗は間口が広い。それを全部埋めるとなると骨が折れそうだ。拡大した分の売り上げも必要になる。
そもそもそんな需要があるのか? そう商店街の会合で言われた事がある。
組合には古着に眉をひそめる人が少数いる。それは以前のナツキがそうだったから理解できないでもない。
でも今や店のレギュラー商品のほとんどが新品。ヴィンテージはほんの少しになっている。
交わらない同士が話し合っても結論が出ず持ち越されるだけ。こうして店舗拡張の話は流れていた。
それ以来ハルマとの小さな喧嘩が増えたし、胸にもやもやを抱えたままだ。
「その前に、商店街に人を呼び込む必要がありそうですね」
「まあね。商店街の活性化とか言って、成功している場所もあるらしいね。再生コンサル入れるとか。ゆるキャラ作ったりとか。でもそれに近い事をすると、オリジナリティがない、パクリだって、言うやつは言うから」
「既に成功している事例があるなら倣った方がよろしいかと。私にも経験があるのですが、そう言う時は恥を忍んで参考にさせていただくのが正解です」
組合の古参理事に聞かせたい言葉だ。
とにかく、倣うってのは真似ってことだよな。真似ならできる。
前に予約制のセレクトショップというのを見た事がある。これ使えるか?
若いお客さんに何か面白い事がないか聞いてみるか。商店街だけじゃなく高校とか大学を巻き込んだ計画になったら楽しいだろうな。
できるできないは別でいいと、いろいろなアイデアを頭に浮かべる。
「服にこだわる必要もないか」
要はハルマが好きな事で、才能が生かされればいい。
ゼロから物を作らせたらハルマは失敗する。過去そうだったと聞かされているから。でも、そこにある物を組み合わせて作れと言えば最高を披露するだろう。
実は最近ある男性俳優が贔屓にしてくれている。
その人はハルマのセンスが気に入っていて、前にはハルマが着ていた服一式を奪うように買い取ってしまった。
それだけで終わらず、今は新居に置く家具を見繕ってほしいと依頼をしてきている。
つまり、コマ切れではないハルマの感性を売ればいい。
横の店舗には家具も置く。溜まっているハルマのコレクションも出す。誰が見てもオシャレと評価する店構えにする。今の店の延長であることが問題なら、まったく別のものを作ればいい。
ここでナツキはようやく思い出した。自分達がここを離れないのは、この場所が好きだからってことを。
「おじさんのお陰で、こっちも何か変わりそうな気がしてきた。ありがとう。なあ、悪いけどそろそろいい?」
「ええ、お時間をいただき、ありがとうございました」
フミに関する話は終わったし、今は何だか息子の顔が見たくてしょうがない。
ナツキは立ち上がって軽く首を回す。
「ねえ、フミに会いたいって伝えておいて」
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スマホの番号を聞かれたが答えなかった。自分の番号なんて覚えてるやついないよな。
佐保を介して史と繋がる線ができた。ならば後は時を待てばいい。
どれどれ、未来のお得意様にサービスでもしておくか。
「おーい、アキ!」
ナツキが二階へ向かって息子の名前を呼ぶと、小さな息子と義母が笑顔を見せて手を振る。
「俺の親友の父さんが来てるから降りてきて。紹介する」
そして、義母に抱かれてやってきた子を佐保の胸に預ける。
ナツキの予期しない行動に戸惑う佐保だったが、その手つきは危なげなかった。
人に抱かれるのが好きな息子は、佐保の腕の中で居心地のいい場所を見つけて身をゆだねている。
大食いでもないのに顔も体もまん丸でどっしり感がすごい。ふてぶてしい下膨れの顔は貫禄たっぷりだ。
可愛いと褒められることはあまりないけれど、ナツキにとってはかけがえのない存在。
この子の知る世界はまだ優しくて丸くて暖かい。
「この子は俺の宝物なの」
佐保は一言もないまま、また涙ぐんでいる。
過去の自分が知っている温もりと、命の重みに再会したみたいに。
ナツキはその目元に少しだけ懐かしさを感じた。わざわざ言わないけど。
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