オメガの家族

宇井

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6 初恋

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 俺は春になると施設長の知り合いのつてで、従業員数四十人規模の町工場に事務員として就職した。
 施設からは遠く離れた場所。都会の中なのに、そこだけがゆったりと時が進んでいるかのような下町だった。
 就職先は悪くなかった。
 パソコンの使い方を教えてもらったし、事務の途中で入ってくる現場の軽作業も気分転換になった。
 中学を卒業したばかりの俺はまるっきり子供で身寄りもなくて、高卒の年の近い人から定年間近のベテランさんまでみんなが気にかけてくれていた。
 ただ初めての一人暮らしは金欠続き。滅多に残業のない職場で基本給以上に稼ぐのは無理だった。
 中学生から定期的に摂取する必要のある抑制剤が施設から支給されなくなって、最初からその薬代の捻出に苦しんだ。
 薬ってこんなに高かったのか……
 タダでもらえていたから、その辺はずっと無頓着だったのだ。
 だから最初に切り詰めたのが薬代。処方薬では到底続かないからネットで安価な抑制剤を買うようになった。
 正規の薬とは違って、粒が大きくて飲みにくくて、目にするだけで気分が滅入る代物だった。
 胃が荒れ頭痛がしても効果はあるような気がするし、服用しないという選択はない。未熟な体であっても十三歳を過ぎればいつ発情してもおかしくないのがΩだからだ。
 意思に反して犯されるのだけはごめんだ。
 まがい物の薬の毒が体に蓄積したとしても、将来誰かと結婚して出産するなんて考えがなかったから飲み続けることができた。
 それで早死にするならちょうどいいって、少し思っていたかもしれない。身寄りのないΩが一人死んだ所で、誰も困らない。
 この拷問みたいな人生を終わらせるには、それしかないと、期待していた所もある。
 今時こんなアパートがあったのか、そんな風に言われる古く小さな部屋でひっそりと生きていた。

 就職して半年くらいの頃だったか、年の近い先輩の代打で初めて飲み会に参加することになった。
 参加費は先輩がすでに払い済で、ただで飯が食えるという特典がなかったら丁寧にお断りしていた案件。
 でもそれが俺の人生を転換させた。
 
 飲み会は『α×Ω』ではなくて『男×女』の出会いの場で十対十の大所帯。そこで俺と同じ男側にいたのが宗賀誠だった。
 大学生の誠は俺がαに持つイメージと被らない人だった。
 αとは思えないほど物腰が柔らかく無邪気な笑顔の人。もちろんαらしい高身長には、顎の細い整った顔がのっていた。
 大学生といえば遊んでるイメージだったけど誠は違った。誠の髪は長めにカットされた艶めいた黒。自分の美しさに気付いていないような地味な印象だった。
 でもすぐに、俺は隣に座るαより目の前のご馳走に目が移っていた。
 俺にとって誠は、美味しそうな物を次々と皿に取り分けてくれる親切な人だった。

『僕も友達の代わりに来たんだ。君、若いよね。そんなにお腹減ってるの?』
『がっついてすいません。でも俺一人暮らしだし、いっつも適当な物しか食べてないし、Ωだから余計な金がかかってて……』
『Ωだとお金がかかるの? 詳しく聞かせてよ』

 彼は女の子には生返事で、俺にばかり構ってくる。彼の冷めた対応に女子もあきれたのか、誰も割り込んでこなくなって話しは途切れなかった。
 誠との会話は俺にとって有益なことばかりだった。
 まず、Ωだからかかるお金、抑制剤なんかの費用は役所に書類を出せば補助が出るんじゃないかと言うこと。彼曰く、役所というのはくれるお金については通知をくれないのが基本らしい。
 俺は未成年のΩだし、もしかしたら他の補助もあるかもしれないから、面倒でも自分の足で役所に足を運んで相談するべきだと教えられた。
 俺の周りのほとんどを占める人はβ。
 αの彼が知らなかったように、βの彼等もΩにとって薬代がどれだけ負担になっているかなんて想像もつかないのだろう。
 カツカツの生活を横目に、大変だね頑張ってと言われて終わるだけだった。俺は俺で仕方ないと諦め、我慢して苦しむだけだった。
 だけどここで初めて、自ら動くことが必要だと教えてくれたのが誠だった。
 それから誠とはまめに連絡を取り合うようになって、初対面から二週間後には再会、ファミレスで食事をしていた。
 彼の印象が前と違っていたのは、見た目が変わっていたから。何と言うか、リア充大学生っぽかった。でも俺を心配してくれる気持ちは変わっていなかった。

『僕の言いつけを守って役所に行ってきたんだね、どうだった?』
『なんか怖いイメージだったけど、担当してくれた人がすごく親切だった。それにその人うちの社長の同級生だったんだ』
『もう変な薬は使ってない?』
『うん。すぐに薬の券が発行されてお金を出さずに薬が手に入ってびっくりした。胃がチクチクするのがなくなって。そのせいか頭痛もなくなったし本当に助かった』
『はぁ!? 胃を壊しながら抑制剤を飲んでたなんて初めて聞いたんだけど。頭痛もあった? いったい何考えてるんだ。まだ出来上がっていない成長期の体なのに』

 他人に初めて怒られて心底びびったけど、嬉しかった。
 誠とするどんな会話も楽しかった。
 いっつもかっこよくて、自分に似合う服を着こなしていた誠。
 最初の出会いで受けた少しダサい印象は、誠がわざとそうしていたからにすぎなかった。
 彼はあの場で女性を捕まえる気などなかった。代理出席らしく大人しく時間が過ぎるのを待つつもりだったのだ。
 女性と絡むつもりはなく暇を持て余し、たまたま俺と言う食い気だけに集中している人間を相手に楽しむことにしたのだ。
 それですっかり気にいられて、再会の約束をして、その後も友人として仲良しこよしが続いた。

 でも、俺と誠の格好って全然違ってたから、次第にそれが気になりだした。誠との貧富の差ってのが明らかすぎて、初めて自分を恥ずかしいと思った。
 たとえカジュアルであっても、やっぱり服の質の違いはわかる。布の質が全然違う。あと染色の濃さな!
 俺はそれが気になったけど、誠が気にしてないならいいことにして、自分の服装には目をつぶった。
 とにかく、誠と会える日が待ち遠しかったから、服を理由に会う事を断るなんてできなかった。
 誠はお金持ち。だけど彼は決して俺を見下さなかった。
 それどころか、俺がこれから一人でもやっていけるような道を一緒に探ってくれた。
 公的補助を活用することだけじゃなくて、これから取るべき資格だとか職業訓練についてのアドバイスをもらった。そして今からでも高校を出た方がいいと強く言われた。
 誠の言葉は俺にとって未来の可能性を示す話ばかりだった。
 足りない金を穴埋めするための、一時しのぎのバイトを紹介してくる人とは根本から違っていた。
 俺の未来に真剣に向き合ってくれていた。
 自分を救ってくれた人。知恵を与え思考することを教えてくれた人。そんな人を好きになるのは当然だった。
 誠が好きで好きで好きで。恋を自覚しただけで涙がでてしまう。そんな経験をした。
 俺にナツキの顔があれば自信をもてるのにな、と柄にもない事を思ったりした。
 偶然がなければ絶対に絡むことのなかったα。たとえ結ばれなくても彼に会えたのは幸せだった。この出会いがあるから、この先ずっと一人で生きていけると思った。
 もし今後、誠との縁が切れたとしても、俺は彼との日々をそっと取り出してながめる。そうすれば辛いことも悲しいことも、平穏で何もない日常だって乗り越えていけるだろう。そんなしおらしいことを本気で思っていた。

 幼い頃の事は、割と早いうちに全部誠に告白することになっていた。
 フードコートで向かい合ってハンバーガー食べてた時、誠が店で一番大きなバーガーにぱくついてバンズの横からレタスとソース―がむにゅっと垂れて口を汚した。
 誠のくせにかわいかった。いつもカッコイイだけの誠がかわいくなった。
 で、つい手を伸ばしてしまって、口の端のソースを指でなぞって……自分の口の中に突っ込んでた。
 誠は俺の行為にすごく慌ててた。普通は言葉で教えてあげるとか、ナプキンで拭いてあげるとかで終わる。恋人同士なら俺の行動もありだけど、人前でやる人は少ないと教えてもらった。

『気持ち悪い事してごめん。つい手がでた。知らなかったってのは、変か……」

 それに囚われてるのは自覚してる。
 指は精神安定の為の道具だった。
 これまで普通の人間のふりをして誠の隣にいた事を、謝らないといけない。そう思った時、俯瞰で見えたのは一つの光景だった。
 小さな俺の前にはおじさんがいる。二人とも肌色。唇の端からおじさんの指が小さな口に入っていく。親しい者の愛情表現だよ、そう囁かれて俺はポカンとしている。
 なぜかその映像が頭の中に流れ始めた。
 病院にいる時は一日中口の中に指があった。
 施設のナツキに同じ事をしたら凄く喜んでいた。
 口と指があるなら入れてしまう。それは衝動的にある。
 やっぱり俺の頭はおかしくて、どこかが歪になっている。指摘されないだけで、他人からしたら奇妙な行動は他にもあるのかもしれない。いや、きっとあるんだ。

 母親と知人から虐待を受けていた。それには性的な物も含まれる。母親が捕まって以降の記憶は曖昧。
 ずっと病院にいたのかも、学校へ通っていたのかもよく覚えていない。記憶がはっきりするのは中学生になってから。
 何事も包み隠さずに話した。
 誠は俺の昔の名字に思い当たる事があったようだ。母親が逮捕された場面で誠はさすがに驚きの表情を隠せないでいた。
 でも付き合いを変えるつもりはないと断言してくれた。嬉しかった。だけどもう誠には会わないでおこうと決めた。
 俺は搾取されたΩ。穢れたΩ。もうαには選ばれない壊れたΩ。そう思い込んでたから。
 ところが誠と結ばれるまではすぐだった。
 会う事を断り続けていた俺に業を煮やして、誠が俺の仕事帰りに待ち伏せしてきたのだ。

『ずっと史に会いたかった。ようやく自分の気持ちが、史と同じ種類だってわかったよ』

 史と同じって……俺が誠を愛しく思う気持ちが伝わっていたってことだ。
 必死に隠してるつもりだったけど漏れてたんだ。そんなの自覚してないから止めらないし仕方ないよな。

『俺は、あの、誠の気持ち嬉しい。でも……俺は誠に相応しくない人間で……えっと』

 ごにょごにょ言い訳してるうちに口づけられた。


 誠は俺が怖がらないように、大事に大切に抱いてくれた。
 場所はキラキラのホテル。ハタチの大学生が支払いできるのかって驚くほど綺麗な部屋。
 扉を開けたら広く長い廊下があって棚が置いてある、そこをまっすぐ進めば大きな窓、大きなベッド。
 驚いているうちに優しくベッドに導かれて抱き合っていた。
 愛し合う事は怖くない事を、数え切れないほどのキスで教えられた。
 これまで夢精する事もなく、自慰も未経験な俺は、ゆっくり優しく精神までほぐされ、誠の手の中に人生で初めての吐精をした。腰がびくびくして痙攣して、初めての快感が処理しきれなかった。
 涙でぐじゅぐじゅの変な顔になってるのに、誠は可愛いって言って頭を撫でてくれてようやく心拍が落ち着いていった。
 その頃には後ろからも粘液が溢れ出ていて、こっちも初めての経験。
 お腹の奥に熱がこもって熱くてたまらず、誠にしがみついてどうにかしてって懇願してた。
 これがΩの性かって憎らしくなったけど、それより空っぽの場所を満たして欲しくて腰をゆすってた。
 正面から誠を迎え入れる。この体勢は好きだった。俺のコンプレックス、白い体、ぷっくりした乳首、くびれた腰……全部を曝け出せる。俺の過去もひっくるめて、全部を受け入れてくれる人の顔が見えるから。
 誠の先っぽが入ってきた時には驚きで叫び出しそうになった。ぐっと堪えている間にズンッと重い衝撃で突き上げられていた。この一瞬の出来事に二度目の吐精をしていた。
 ぐずぐずと底から押し出されるような力ない射精。誠を受け入れているお腹の中は他人の温度をやすやすと受け入れて喜んでいた。
 誠は俺の敏感な反応に喜んでいた。俺の体が素直すぎるのか、中の弱い場所はすぐにばれてしまって、ピストンの合間にそこをごりごりされる。
 ひっと息を詰めるけれど、次はいつそこを撫でられるのかと期待でうずうずする。待てずに自分から腰を動かして擦り付けた時もあった。
 誠の体温は俺より高くて、受け入れている場所全部が熱い。

『誠……誠……とけそう……』
『史……好きだよ。史はもう僕のものだ……』

 うわ言のように名前を呼んでも、その一つひとつを流さず拾ってくれる。目線で、腰の動きで、キスで。
 俺の体力が限界を迎えて最後はゆさぶられるだけだった。でも誠の、αの性欲は底なしで俺の子宮に種を浴びせ続けた。
 その時はとても避妊にまで考えが及ばなくて、誠がゴムをつけていない事に気付いたのは事後に中に出された物がこぷっと溢れた時だった。

 友達から恋人になって何度も結ばれて、妊娠がわかってプロポーズされた時、俺はまだ発情を知らない十六歳だった。
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