オメガの家族

宇井

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1 定期健診と付き添い

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 たった一人しかいない待合室。長椅子に座り文庫本を読んでいる光流ヒカルが俺に気付いてそっと顔をあげる。

「ごめん、光流お待たせ」

 表紙のカバーが外された文庫では一見何を読んでいるのかを判断しにくい。しかし光流が持っているのがラノベであってもエロ本であっても、彼を引き立てるための小道具としての役割を十分に果している。
 ふっと顔を上げた光流の頬に小さな光の粒が弾ける。粒子をキレイに跳ね返すって漫画のヒーロー君かよ。
 かっこいいわ。その顔を見慣れてる俺でも見惚れるわ。
 座り心地のいい椅子、その隣にある背の高い観葉植物、天窓から差す光は光流に向かって伸び、きらきらと光を反射する埃さえ彼の美しさを祝福しているかのようだ。
 光流は落ち着いた動作で組んでいた足をおろし、文庫を黒の手提げ鞄にしまった。

 これがいつもの診察時間内であればもう少し人で賑わっていただろう。でも今は午前の診察時間をとっくに過ぎた午後一時四十分。
 二人で診察予約時間の十一時前にやってきてから、かれこれ三時間近くもたってしまっている。
 今日は診察室に入るまで時間がかかって、俺も待ちくたびれて疲れていた。俺は受診する当人だからいいけれど、付き添いの光流は退屈な時間だったに違いない。
 光流は立ち上がって両手をあげぐーんと伸びをして、言葉で表せないうめき声を出す。
「悪い、疲れただろ? 初めて付き合ってくれた日に限ってこういうことになるなんてついてないな。ずっとこの病院に通ってるけど、こんなに待たされたの俺も初めてで」
「仕方ないよ。急患で運ばれてきた人の方に手がかかるのは当たり前だから。まあ、多少は待つ覚悟もしてたし、付いて行くって無理を言ったのも僕だから。読書もはかどったし気にしないで」
 そう、何を思ったのか病院への付き添いを申し出てきたのは光流だった。
 今後のためにも俺のかかりつけ病院を確認しておきたいってずっと思ってたらしい。だけどバタバタしていて機会を逃し遅くなってしまったと言っていた。
 うん、本当にバタバタの日々だったもんな、これまで……
 なんか光流には迷惑かけどおしで本当に申し訳ない。しんみりするのが嫌で努めて明るい声を出す。

「そうそう、診察の待ち合いで聞こえてきたけど、その救急車で運ばれてきたのΩの男性妊婦だったみたいなんだ。それで先生が駆り出されたみたい」
「そっか、だったらここが一番の受け入れ先になるな。助かったのならいいけど」

 Ω男性の妊娠出産には女性妊婦よりも多くの危険がつきまとう。そしてΩ専門医の少なさを考えれば、急患が来てしまえば外来はどれだけ待たされても当然だし文句なんてあるわけない。
 まったく面識のない人であっても、母子ともに無事であって欲しいと願ってしまう。

 ここは市内でも大きな私立の基幹病院。とくに産婦人科にはΩを専門で受け入れている特別産科があることで全国に名が知られている。
 予約から処方までの流れもスムーズで患者を待たせないシステムが通常はきっちり稼動していて、今日も突発的な事がなければそうなったはずだった。
 三年前にできた新館効果もあって、病院へ来るだけでストレスを感じてしまう俺のような人間にはとても優しい病院だ。

「昼過ぎちゃったな。光流は何かお腹に入れた?」
「コーヒー以外は何も」
「だったら、もうそこのカフェで昼は済ませよう。お腹空いただろう?」

 返事を待たずに歩き出す。何年も通っていながら足を踏み入れたことのないカフェ、実はとても気になっていたんだ。

 おおっ、やっぱり病院内でもお洒落なんだな。
 街中にあるカフェと変わらない木目調の壁にお洒落な照明。落ち着いた店内に心の中で感嘆の声をあげる。少し他とは違うのはテーブルに白衣を着た病院職員や病衣姿の入院患者の姿があることだ。
 店内はさっきまでいた総合受付前と違い人が多い。窓側の席は埋まっているけれど、それ以外であれば好きな場所に座れそうだ。
 どこにするか。
 席を迷っていると人の視線がこっちに集まるのがわかった。
 見られてる……俺じゃなくて光流の方だけど。
 どこにいても人の目を集めてしまうのは、光流がαということだけが理由にならない気がする。
 だってここは病院。つまり医師や職員として働くαがごろごろしている場所だ。なにもαひとりが店内に入ってきたと珍しがることはないはず。
 現にカウンター席にはαとおぼしき技師らしき人がいるし、窓辺の席の人はひとめで医師とわかる白衣姿の二人連れがいる。石を投げればαにぶつかるって状況。
 でもなんか気分がいいわ。もっと俺の光流を見ていいぞ! わっはっは! なんてな。
 キラキラの光流は俺の自慢だ。
 背は百八十近くあるけど体は細身、扱いを間違えるとパリンと割れてしまう繊細なガラス細工のようにも見える。
 それに比べて俺の平凡な顔……
 思わず頬に手をやって薄い肉をつまむ。
 これでも一応Ωなんだけどな……普通Ωって言えば美形ばかりなんだけどな。まあ、この顔面は生まれ持ってのものだからどうしようもない。
 
「で、肝心の診察の結果はどうだった?」

 適当な席につき店員さんに注文を終えると光流がそう切り出した。

「うん、問題なし。発情期の乱れもないし、もう正常に戻ったんじゃないかって言われたよ。血液検査も異常なし」
「薬は?」
「それもいつも通り。抑制剤に緊急避妊薬。避妊薬はいらないって言ったのに、前の処方が半年前だから入れ替えとけって。明日買い物ついでに薬局で受け取るよ」
「今度は僕も先生に会いたいから、そう伝えておいてくれる?」
「会いたいって……そりゃ光流にはさんざん心配かけたけど、もうそこまでしてもらう必要ない。月に一度の診察はこれで終わり。次は何もなければ半年後でいいってΩ専門医が言ってるんだからさ。心配なんてなしなし……ほら、きたよ」

 光流が注文した本日のランチと、俺のクラブハウスサンドがやってきた。
 これ以上光流がうだうだ言わないように、早く食べろと袋入りの紙ナプキンを開封して渡し、ほれほれっと手を拭くように急かしてやる。
 光流は大人しく受け取って、小さく畳まれたナプキンをちまちま広げていた。
 可愛くてニヤニヤしちゃうわ。

 俺がここに通ってくる理由は発情の乱れが原因だった。
 年に三、四回、定期的にやってくるのがΩの発情期。俺はその周期がおかしくなって、短ければ二週、長ければ半年の間隔でランダムにやってきてしまう事に悩まされていた。
 発情周期を読めないのはΩにとって致命的だ。
 現在は有効な薬が幾つもあるのに、それをコントロールできないのははた迷惑な人間。公の場でフェロモン出したり発情しちゃうと、そう周囲から烙印を押されて冷たい目でみられてしまう。警察に通報する人もいるらしい。
 薬がすべてのΩに万能であるわけないのに、世間的にはそうみなされているのが辛い所だ。
 だからこそ仕事を持っていたり、社会的立場があるΩは、何よりもバースコントロールに力を入れて大金を投入している。
 投薬のためΩには半年に一度の健診が標準とされているのだが、俺はこの発情の乱れで一週に一度、もしくは二週に一度の受診を続けていた。特別産科の先生も看護師さんも全員が顔見知りになってしまっている常連さんだ。
 俺は元々発情期間が短くて、始まってから二日もあれば終わってしまう幸運な体質だった。それに年を重ねる毎にフェロモンの匂いも薄くなっていて、そこらのフリーのαを惑わす心配はなくなっている。
 でも発情期が正しくやってこないと、仕事とか遊びとか色んな計画が立てるのに苦労する。
 もしかしたらホルモンが突然暴走、しないとも限らない。路上で発情してそこらのαを誘惑、なんてこともゼロとは言い切れないのが厄介だ。
 だから薬を正しく飲んでいるかのチェック、朝の体温の測定……幾つかの項目をチェックして、専門医とともに経過を見ていた。
 二週に一度っていうのも何気に面倒だったから、それから解放されたのが嬉しい。でも一番嬉しいのは医療費が大幅に減ることだけどな。Ωの薬ってまだまだ高いんだ。ジェネリック早く出ないかなあ……

 空腹もあって二人黙々とランチを平らげる。
 ん? 光流が動きをとめて俺をじっとみている。

「ん、なに?」
「マヨネーズ、ついてる。そこ、口の端」
「ん? ここか?」

 光流に指摘されて手の甲で唇を拭う。けれど違ったみたいで。
 すっとこっちにのびてきた光流の人差し指が俺の口角をかすめ、マヨネーズが光流の指先へと移動する。
 光流はその指先についたマヨを見せつけるみたいにしてから、ちゅっとゆっくり舐めとる。赤い舌がちらりと見えたのは絶対にわざとだ。

「ふふっ……おいし」
「うおい、何してんだよっ……!」

 まさか光流がこんなことするなんて思ってなくて、ついでに周りの人の目も気になって頬が赤くなるのがわかった。

「外ではやるなって? でもこうするのも愛情表現って教えてくれたよね。僕も癖になったのかもしれないな。ははっ」
「確かにそう言ったよ。でもそれは昔のはなし。ここでやるな、今やるな。その位の分別は俺にもあるぞ。お前急にSっ気出すなよっ」

 ぷりぷりと怒ったふりをする。
 そう、俺は光流を怒れない。これまで怒ったことがない。怒るようなことを光流がしないからな。

「ふむ、口の中も弱ってたけどもう口内炎なおったんだよね。でもトーストなんて食べて大丈夫なの?」
「あ、うん、えっと……」

 光流の言うことは正解で、俺の治りかけの口内炎は悲鳴をあげていた。トーストされた鋭利なパンで口の中はとっくに鉄臭い。でもサンドイッチ好きなんだよ。カリカリに焼けたトーストも好き。

「でもこれ美味しいんだよ。光流も食べてみるか?」
「美味しいなら全部食べること。ジュースも全部飲み干す。気を抜くとすぐに体重減るんだからさ」

 まったくもう、って感じに軽く溜息をつかれる。

「わかってるよ。昔はこうじゃなかったんだ。体質がかわっちゃったんだからしょうがないだろ」

 説教されて、もごもごしながら食べる。
 でも、光流にはあれからずっと心配かけてる。かけたのは心配だけじゃないけど。一生かけても償いきれない傷を俺は残しちゃった。
 
 全部食べてごちそうさまして席を立つ。光流が手洗いに行ってる間に伝票をもってレジへ。
 女性の店員さんは光流が支払いにこなかったことにガッカリしてるようだ。
 若い女性だから気になるよな、イケメン近くで愛でたいよな……わかるよ。

「あのぉ、お会計は一緒で?」
「はい、お願いします」
「すごく仲がいいんですね、本当に素敵な彼氏さん。こんなこと聞くのは失礼ですけど、彼、モデルさんですか?」
「まさか、ただの学生だよ」
「学生カップルかぁ。羨ましいです」

 あとは微笑むに留めておいて、支払いを済ませさっさと店を出た。
 αは常に注目されてて大変だなって改めて思う。光流も俺の知らない所でこんな苦労をたくさんしているんだろう。
 αにはαの面倒な悩みがあるってもんだ。なるほどな。

「レジ長かったけど、何か喋ってた?」
「あー、なんかお前と恋人かって聞かれた。お前が指ぺろしたのしっかり見てたのかも。αって自分のΩを溺愛して独占したいけど、逆にこのΩは自分の物だって見せつける行為するもんな。やっかいな性質だわ。そりゃ恋人同士かもって誤解するわ」
「ふはっ」

 光流はいたずらが成功したみたいに笑う。図にのったのか、俺の肩を抱いて引き寄せて、息がかかるほど顔を近づけ、じっと瞳をみつめてきた。
 瞳の奥にお星さまが見える……俺の胸がバクバクうるさい。光流、抱いて!……なわけないよ。
 こうして冷静に見ると、やっぱり光流の顔はまだまだ子供っぽい。というか行動も何もかも子供そのもの。
 見つめ合っていた数秒の後、二人してぶぶっと噴き出してしまった。

「僕達が恋人に見えるってことは……十五の僕が二十代にみえて、三十過ぎの母さんが二十代前半くらいには若くみえたってことか。なるほど。お互い大学生くらいには詐称できるってことだ」

 母さんは悲しいほどに童顔だから、と続けてくる。

「おい、自分が大人にみられるからって、それを利用して悪いことするなよ。お前はまだまだ中坊、中学三年生なんだからな、大学生に見えても中身は立派な中坊なんだからな」
「そういう母さんはとっくにアラサーだよね。なのに軽く十才も若く見られるって言う奇跡の顔立ち! 母さんはいつも卑下するけど平凡顔って最強だよ。それに僕は母さんの顔が好きだから、もっと自信もってよ」

 急にケラケラと笑いだす。俺の肩に顔を埋めて涙でるほど笑うとか、まさに中坊だ。

「ふん、ありがとよ」

 自分を産んだ『母』を普通に平凡よばわりする光流。
 けれど根が優しいのは、最後に付け足してくれる言葉と、こうして病院まで付き合ってくれることからわかる。
 本来なら反抗期で親を無視したり、暴力的な衝動があってもいいのに光流にはどれもない。ほんと健気すぎる。
 三十過ぎのオヤジが中三の息子に励まされるって……情けないな。
 俺は肩にある光流の手の甲をポンポンと叩いてから歩き出した。
 正面の自動扉を出て、腕時計で時間を確かめる。
 午後二時二十分。
 同じことを考えていたのか光流も横から時計をのぞきみる。
 急患が運び込まれてきた時に、保育園には延長保育をお願するかもしれないと電話しておいたから気持ちに余裕はもてた。
 今から行けば園への到着はちょうど三時くらい。延長一時間料金の上乗せだけで済むし、郁也の機嫌もそれほど悪くなっていないだろうと思いながら、二人でバス停に向かった。 
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