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二鬼 輝は今日も走る1
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"コノウラミワスレヌゾ……"
この世のものと思えないほどに低く、割れた声が響いた。
目の前に横たわり、白い体液をまき散らしながら、苦悶に打ち震えていた。
「黙れ。幾多の民草を食い散らかした罪、万死に値する」
その前に立ち、驚くほど凜々しい声を張り上げていた。
これは誰だろう?
ふわふわする意識とは対照的に、身体は意志に反してきびきびと動く。
そして、出てくる言葉は自分が思っているものではない。
「この私がいる限り、都に化け物は近づけさせん。未来永劫、ここに滅びるがいい」
"ワレラハムスウニソンザイスル。ユエニフメツナリ……"
震えながら、それ気持ちの悪い複眼を動かしながら、じわじわと頭部をこちらへと向けてきた。
毛むくじゃらの胴体と毛むくじゃらの脚は今や無数の刀によって両断されていた。
「不滅か。なら、ここで貴様は滅びるがいい。貴様の同胞を見つけては斬り、全てを平らげるようにこの世から滅してくれるわ」
"ワレラハツチトトモニイキ、ツチトモニヨミガエル……ユエニダイチハワガチカラナリ"
「世迷い言をいうな化け物が!」
そう吐き捨てたときだった。
「危ない!」
横から鋭い声と共に、身体が思いっきり突き飛ばされた。
だが瞬間、その化け物の口から白い何かが吐き出され、突き飛ばしたものに巻き付いていった。
「がっ!?」
「つ、綱! 己、土蜘蛛めが!」
激昂し、私はそのまま、瀕死となった大きな大きな蜘蛛……土蜘蛛を頭から両断していった。
"ライコウ……イツノヒニカ"
・
「うわっ!」
やかましいほどの音楽が鳴り響くのと同時に、小さな悲鳴……そして、重いなにかが床に落ちる音が部屋に響いた。
「あたた……」
その日も彼女は、けたたましいスマートフォンのアラームで目が覚めた。
いや、たたき起こされたと言うのが正しいのかもしれない。
強かに打ち付けた腰をさすりながら、のろのろとソファ兼ベッドである黒い合皮のそれに掴まった。
そして、メガネを探しつつ、未だに鳴り続けるアラームを消した。
「あつ……」
朝一番だというのに、部屋の中の気温がおかしな事になっている。
寝汗で寝間着もべとべととなり、肌に張り付いている。おかげで、身体のラインがくっきりと暗がりに浮かび上がっているが、それを見咎める者も悲しいことにいない。
それなりに、発育がよく形のいいバストは自慢ではあるが、見せびらかすような趣味は彼女にはなかった。
「え~と……」
そのままスマートフォンでメールを確認し、羽根井輝は盛大にため息を漏らした。
「今日も、やっぱ依頼は来ぃひんよね」
声に力はなく、心なしか目元にも隈が出来ている。
最近、特に依頼と言える依頼が全く来ず、そろそろ職安にでも駆け込まないと駄目だろうかと、本気で悩み出していた。
輝は周りを改めて、見回した。
七畳の古い造りのワンルームに、古びたデスクと中古で買ったクローゼット。
あとは段ボールが数箱だった。
女の子らしいモノは見当たらない。
ハンガーに掛かっているのも、女物ではあるがスーツが一着ありほかのモノはなにもかかってなかった。
「え~と……」
輝は昨日、作成していた依頼者への報告資料を乱雑に手に取り、寝る間際までやっていた作業を思い返していく。
そして、一息入れる間もなく使い古している鞄にそれを詰め込んだ。
黒い布を基調とした女が持つには非常にシンプルで飾り気のない鞄。これがサラリーマンや証券会社の営業マンなら話はわかるが、彼女の年齢ではそれは少し違和感がつきまとう。
ただし、それについている唯一飾り気がある赤いアニメのキャラクターストラップだけが、自分が若い娘であると主張していた。
慌ただしくシャワーを浴びて汗を流し、着替えると薄いメイクを施していった。
今のように一人暮らしをしていないときは、髪を伸ばしていたので乾かせるのに時間が掛かったが、今は結構短いためか、だいぶ楽になっていた。とはいうものの、逆に寝癖がつきやすいという欠点も出てきているが、どうせ夏は朝一でシャワーを浴びるのであまり関係なかった。
スマートフォンの時計を見ると、なんだかなんだで八時半を指している。
別に急ぎの用事や、待ち合わせの時間があるわけではない。
ただ、時間を間延びさせておくと、だれていってしまうと、思い早い時間に動くと習慣づけているにすぎなかった。
彼女は、そのまま慌ただしく借りているボロアパートの部屋を飛び出した。
外は相変わらずの熱気、そしてけたたましい熊蝉の鳴き声……むわっとした、夏の臭気に、朝一番で一番つらい、なけなしの気合いが消し飛んでいきそうだった。
小さいピンク色の折りたたみ自転車をこぎ出していった。
せっかく流したというのに、彼女の額からは再び汗が流れていった。
すでに通勤ラッシュのほとんどが終わっている中、暑さもあってか人通りはまばらだった。
彼女は、通りをひたすら南下し、中心街である四条界隈を目指した。
途中、スマートフォンで今日のニュースを閲覧していく。
新聞やテレビがないぶん、こっちで情報を収集しないとと、少し苦手な機械相手にはじめたことだった。だが、止まっては見て、止まっては見ての繰り返しなので、お世辞にもあまりないようがちゃんと頭に入っていないのが現状でもあった。
いつものことだが、見出しだけでも目に入っておけば、何かとそういうこともあったとインプットされるものだ。
しかし、今日はいつもと違った。
記事一覧を流してみている彼女の視点が急に止まった。いや、正確には通り過ぎた記事をわざわざ戻して、それを食い入るように睨みつけていた。
だがそれは、少しだが自転車が動いている時のこと、ちょうど目の前の信号が赤となり、止まろうとした時に見つけてしまったのだ。
とろとろしているが、確実に自転車は前に動いていた。
「これって……」
険を深めながら、彼女が記事の中身を読もうとしたとき……
彼女の心の臓をわしづかみにするようなけたたましいクラクションが鼓膜を破壊せんと、襲いかかった。
さらに驚き、飛び上がった彼女の鼻先を青いダンプが走り抜けていく。
「ヒグッ!?」
悲鳴を上げかけ、石化したかのように彼女は止まった。そして、ダンプから吐き出された黒煙は彼女をなめ回すかのように包み込み、せっかく整えたメイクさえも黒ずませていった。
「っはぁ……はぁ……っ」
心臓が破裂するんではないかと思うほどに、脈打ち、自らの鼓動が耳の横にあるのではないかというほどに五月蠅い。
「はははっ、そこのバカ娘なにしてるの?」
そんな九死に一生を得た彼女をまさに、そして正しくあざ笑う声が、少しずつ我に返ってきている輝に浴びせられた。
まるでマネキンの首でも動かしているかのごとく、無機物のような動きで輝の首がゆっくりとぎこちなく回った。
「ややよ? 朝っぱらから、グロイシーン見んのはさぁ」
気安く、そしてハキハキした聞き覚えのある声だった。
「つ、紀三?」
まだ目が白黒している輝の視界に、見覚えのある少し長めの赤い髪の女がいた。
「おっはぁ。全く、朝からなにしてん?」
けらけらと笑いながら、元学友の鍋嶋紀三が動きやすそうなデニムにTシャツ姿に野球帽という、実にラフな格好でいた。そして、その背には大きな鞄がある。
「べ、別になんもないわよ」
「へぇ? そうなん?」
ニヤニヤと意地悪く笑いながら彼女は、輝のスマートフォンをのぞき込んできた。
「どっかのいい男たらしこんだん? って、なんや……そゆこと」
紀三はがっかりしたようにため息を漏らしていた。
「別にええやん。輝はもう関係ないんでしょ?」
鍋嶋紀三は、中学からの付き合いで、輝が大学を中退するまで共にした仲だった。
彼女が大学を辞めてからも親交がある数少ない親友だった。
その紀三だからこそわかる、輝の家庭事情に関わることがそこにあった。
「ま、まぁそうだけど……」
「輝は、ちゃんと一人で仕事やってるんやし、大丈夫やって」
なんとなく元気がないのを察してか、声を掛けるが反応はいまいちだった。
「つ、紀三はこれから部活なん?」
「そうだよ。次の大会、九月やからそれまでにがんばらんとねぇ」
彼女はそう言いながら、無手のまま構えとした。
紀三は幼少の頃から、剣道を続けている。そのため、輝の知り合いの中でも女なのに腕っ節は一番つよかった。昔は、何かとナンパに来る馬鹿な男を返り討ちにしていた事も一度や二度じゃない。
何かと世話になることが多い、紀三はある意味で輝の姉のような存在でもあった。
「あ、そうや。輝さ、こんな噂しらへん?」
「?」
「最近、東山付近で大きな猿が出るんやってさ」
「猿?」
眉をひそめながら聞き返すが、紀三にしても、大学のキャンパス内でそういう噂が流れ出しているということだというのだ。
それもここ2~3日の間にかなりの広がりを見せているという。
紀三は、輝の得意な仕事をよく理解している一人だった。
だからこそ、その手に繋がるかもしれないという情報を知れば、すぐに知らせてくれるのだった。
「普通の動物やないって?」
「さぁ、話だけやし、そこまではしらないよ。でも、暇なんでしょ? 少し追ってみたら?」
彼女の言葉に、うめき声を思わずもらしてしまった。
その様子に紀三も苦笑するしかなかった。
長い付き合いから、彼女にはろくな仕事がないと言うことは、すっかりお見通しのようだった。
・
この世のものと思えないほどに低く、割れた声が響いた。
目の前に横たわり、白い体液をまき散らしながら、苦悶に打ち震えていた。
「黙れ。幾多の民草を食い散らかした罪、万死に値する」
その前に立ち、驚くほど凜々しい声を張り上げていた。
これは誰だろう?
ふわふわする意識とは対照的に、身体は意志に反してきびきびと動く。
そして、出てくる言葉は自分が思っているものではない。
「この私がいる限り、都に化け物は近づけさせん。未来永劫、ここに滅びるがいい」
"ワレラハムスウニソンザイスル。ユエニフメツナリ……"
震えながら、それ気持ちの悪い複眼を動かしながら、じわじわと頭部をこちらへと向けてきた。
毛むくじゃらの胴体と毛むくじゃらの脚は今や無数の刀によって両断されていた。
「不滅か。なら、ここで貴様は滅びるがいい。貴様の同胞を見つけては斬り、全てを平らげるようにこの世から滅してくれるわ」
"ワレラハツチトトモニイキ、ツチトモニヨミガエル……ユエニダイチハワガチカラナリ"
「世迷い言をいうな化け物が!」
そう吐き捨てたときだった。
「危ない!」
横から鋭い声と共に、身体が思いっきり突き飛ばされた。
だが瞬間、その化け物の口から白い何かが吐き出され、突き飛ばしたものに巻き付いていった。
「がっ!?」
「つ、綱! 己、土蜘蛛めが!」
激昂し、私はそのまま、瀕死となった大きな大きな蜘蛛……土蜘蛛を頭から両断していった。
"ライコウ……イツノヒニカ"
・
「うわっ!」
やかましいほどの音楽が鳴り響くのと同時に、小さな悲鳴……そして、重いなにかが床に落ちる音が部屋に響いた。
「あたた……」
その日も彼女は、けたたましいスマートフォンのアラームで目が覚めた。
いや、たたき起こされたと言うのが正しいのかもしれない。
強かに打ち付けた腰をさすりながら、のろのろとソファ兼ベッドである黒い合皮のそれに掴まった。
そして、メガネを探しつつ、未だに鳴り続けるアラームを消した。
「あつ……」
朝一番だというのに、部屋の中の気温がおかしな事になっている。
寝汗で寝間着もべとべととなり、肌に張り付いている。おかげで、身体のラインがくっきりと暗がりに浮かび上がっているが、それを見咎める者も悲しいことにいない。
それなりに、発育がよく形のいいバストは自慢ではあるが、見せびらかすような趣味は彼女にはなかった。
「え~と……」
そのままスマートフォンでメールを確認し、羽根井輝は盛大にため息を漏らした。
「今日も、やっぱ依頼は来ぃひんよね」
声に力はなく、心なしか目元にも隈が出来ている。
最近、特に依頼と言える依頼が全く来ず、そろそろ職安にでも駆け込まないと駄目だろうかと、本気で悩み出していた。
輝は周りを改めて、見回した。
七畳の古い造りのワンルームに、古びたデスクと中古で買ったクローゼット。
あとは段ボールが数箱だった。
女の子らしいモノは見当たらない。
ハンガーに掛かっているのも、女物ではあるがスーツが一着ありほかのモノはなにもかかってなかった。
「え~と……」
輝は昨日、作成していた依頼者への報告資料を乱雑に手に取り、寝る間際までやっていた作業を思い返していく。
そして、一息入れる間もなく使い古している鞄にそれを詰め込んだ。
黒い布を基調とした女が持つには非常にシンプルで飾り気のない鞄。これがサラリーマンや証券会社の営業マンなら話はわかるが、彼女の年齢ではそれは少し違和感がつきまとう。
ただし、それについている唯一飾り気がある赤いアニメのキャラクターストラップだけが、自分が若い娘であると主張していた。
慌ただしくシャワーを浴びて汗を流し、着替えると薄いメイクを施していった。
今のように一人暮らしをしていないときは、髪を伸ばしていたので乾かせるのに時間が掛かったが、今は結構短いためか、だいぶ楽になっていた。とはいうものの、逆に寝癖がつきやすいという欠点も出てきているが、どうせ夏は朝一でシャワーを浴びるのであまり関係なかった。
スマートフォンの時計を見ると、なんだかなんだで八時半を指している。
別に急ぎの用事や、待ち合わせの時間があるわけではない。
ただ、時間を間延びさせておくと、だれていってしまうと、思い早い時間に動くと習慣づけているにすぎなかった。
彼女は、そのまま慌ただしく借りているボロアパートの部屋を飛び出した。
外は相変わらずの熱気、そしてけたたましい熊蝉の鳴き声……むわっとした、夏の臭気に、朝一番で一番つらい、なけなしの気合いが消し飛んでいきそうだった。
小さいピンク色の折りたたみ自転車をこぎ出していった。
せっかく流したというのに、彼女の額からは再び汗が流れていった。
すでに通勤ラッシュのほとんどが終わっている中、暑さもあってか人通りはまばらだった。
彼女は、通りをひたすら南下し、中心街である四条界隈を目指した。
途中、スマートフォンで今日のニュースを閲覧していく。
新聞やテレビがないぶん、こっちで情報を収集しないとと、少し苦手な機械相手にはじめたことだった。だが、止まっては見て、止まっては見ての繰り返しなので、お世辞にもあまりないようがちゃんと頭に入っていないのが現状でもあった。
いつものことだが、見出しだけでも目に入っておけば、何かとそういうこともあったとインプットされるものだ。
しかし、今日はいつもと違った。
記事一覧を流してみている彼女の視点が急に止まった。いや、正確には通り過ぎた記事をわざわざ戻して、それを食い入るように睨みつけていた。
だがそれは、少しだが自転車が動いている時のこと、ちょうど目の前の信号が赤となり、止まろうとした時に見つけてしまったのだ。
とろとろしているが、確実に自転車は前に動いていた。
「これって……」
険を深めながら、彼女が記事の中身を読もうとしたとき……
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さらに驚き、飛び上がった彼女の鼻先を青いダンプが走り抜けていく。
「ヒグッ!?」
悲鳴を上げかけ、石化したかのように彼女は止まった。そして、ダンプから吐き出された黒煙は彼女をなめ回すかのように包み込み、せっかく整えたメイクさえも黒ずませていった。
「っはぁ……はぁ……っ」
心臓が破裂するんではないかと思うほどに、脈打ち、自らの鼓動が耳の横にあるのではないかというほどに五月蠅い。
「はははっ、そこのバカ娘なにしてるの?」
そんな九死に一生を得た彼女をまさに、そして正しくあざ笑う声が、少しずつ我に返ってきている輝に浴びせられた。
まるでマネキンの首でも動かしているかのごとく、無機物のような動きで輝の首がゆっくりとぎこちなく回った。
「ややよ? 朝っぱらから、グロイシーン見んのはさぁ」
気安く、そしてハキハキした聞き覚えのある声だった。
「つ、紀三?」
まだ目が白黒している輝の視界に、見覚えのある少し長めの赤い髪の女がいた。
「おっはぁ。全く、朝からなにしてん?」
けらけらと笑いながら、元学友の鍋嶋紀三が動きやすそうなデニムにTシャツ姿に野球帽という、実にラフな格好でいた。そして、その背には大きな鞄がある。
「べ、別になんもないわよ」
「へぇ? そうなん?」
ニヤニヤと意地悪く笑いながら彼女は、輝のスマートフォンをのぞき込んできた。
「どっかのいい男たらしこんだん? って、なんや……そゆこと」
紀三はがっかりしたようにため息を漏らしていた。
「別にええやん。輝はもう関係ないんでしょ?」
鍋嶋紀三は、中学からの付き合いで、輝が大学を中退するまで共にした仲だった。
彼女が大学を辞めてからも親交がある数少ない親友だった。
その紀三だからこそわかる、輝の家庭事情に関わることがそこにあった。
「ま、まぁそうだけど……」
「輝は、ちゃんと一人で仕事やってるんやし、大丈夫やって」
なんとなく元気がないのを察してか、声を掛けるが反応はいまいちだった。
「つ、紀三はこれから部活なん?」
「そうだよ。次の大会、九月やからそれまでにがんばらんとねぇ」
彼女はそう言いながら、無手のまま構えとした。
紀三は幼少の頃から、剣道を続けている。そのため、輝の知り合いの中でも女なのに腕っ節は一番つよかった。昔は、何かとナンパに来る馬鹿な男を返り討ちにしていた事も一度や二度じゃない。
何かと世話になることが多い、紀三はある意味で輝の姉のような存在でもあった。
「あ、そうや。輝さ、こんな噂しらへん?」
「?」
「最近、東山付近で大きな猿が出るんやってさ」
「猿?」
眉をひそめながら聞き返すが、紀三にしても、大学のキャンパス内でそういう噂が流れ出しているということだというのだ。
それもここ2~3日の間にかなりの広がりを見せているという。
紀三は、輝の得意な仕事をよく理解している一人だった。
だからこそ、その手に繋がるかもしれないという情報を知れば、すぐに知らせてくれるのだった。
「普通の動物やないって?」
「さぁ、話だけやし、そこまではしらないよ。でも、暇なんでしょ? 少し追ってみたら?」
彼女の言葉に、うめき声を思わずもらしてしまった。
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