うたかた謳うは鬼の所業なり

源蔵

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一章 その男、鬼市なり2

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 鬱蒼と茂る森だった。

 そこは京都の大動脈の一つである五条坂のある東山の中だった。

 幾人かの人影が音もなく走り、人が寄りつかない山中を動いていた。

「で、なにが見つかったんやって?」

 影が幾人もあつまっている後ろ……茂みの中からその人物は彼らに話し掛けた

「ほ、穂積様。お早かったですね」

「五月蠅いわ。こっちは夜勤明けなんや、とっとと終わらして帰るで」

 そうぼやきながら、欠伸を漏らしていた。

「それで、私が見なきゃいけないほどものってなんなんよ?」

 あくまで気怠そうに穂積と名乗る人物は言い、人混みの中を割った。

「あ?」

 そして、それを見た。

 今まで猫のように気まぐれで、気怠げだった目がぎょろりとそれを凝視した。

「なんやこれ?」

「し、死体です。人間の男の……」

「うんなもん、見りゃ分かるやろ。馬鹿にしよると、たたっ切るで」

 穂積の言葉に、影はおびえたように一歩下がっていった。

 その根性のかけらも見せない姿に、鼻を鳴らすとゆっくりともう一歩死体へと近づいた。

「上半身の外傷はなしか……」

 それは恐怖に引きつったまま事切れていた。

 穂積が言った通り、上半身はまだ綺麗な状態だった。

 確かに、木々でひっかいたような後は存在するが、致命傷となりえそうな外傷はなかった。


 そして、問題の下半身……

 脚は問題ない。ちゃんと、くっついており、傷らしい傷もなかった。

 ただし、その尻部分だろうか……仰向けとなって事切れているため分かりにくいが、血の染みは尻の方から塗れているように見えた。

「死因はなんやろね……」

 穂積はその死体に触ろうとした。

「ほ、穂積様! い、いけません。触れば力が残ってしまいます。華峰院家の奴らにバレれば……」

「ちっ、うっさいな。分かってるさ」

 すんでの所で手を引っ込めた。

「ん? ……こいつ」

「どうかしましたか?」

「いや、こいつの腹おかしない?」

 上半身はTシャツのみだった。

 なので身体のラインがよく分かる。

 確かに、異常な箇所があった。お腹部分が異様にへっこんでいるのだ。

 これでは、中に……

「キモを尻から抜かれて殺されてんか……?」

 外傷はほかにありそうになかった。

 口からも血を吐いている所をみると、内臓にも傷があるはず。だが、そのあるべき内臓が詰まってそうな膨らみはその腹部には存在しない。

「このやり口はみたことがないねぇ。ここいらの妖怪の仕業じゃなさそうやね」

 穂積は少し考えるそぶりをしながら、ゆっくりと立ち上がった。

「あんたらはもう少し、周囲を探しや。あとは、此所の出来事をそっくりそのまま、鬼童丸の親父に伝えとき」

「りょ、了解です。それで、ほ、穂積様は……」

「え? 寝る。今日も、店に出んとあかんねん……」

 穂積は再び眠そうな表情に戻り、ふらりふらりと幽鬼のように森の中へと消えていった。


                   ・

 
 幾三漆器商店。

 それが会社の名前だった。

 京都四条の烏丸通りから、さらに西北へと行ったところにその会社はあった。

 京都特有の間口が狭い町屋作りとなっており、見た目はボロボロの古い家にしかみえなかった。

 その前に鬼市が駆る年代物の軽トラックが止まっているのは、見方にもよるが十分風情ある雰囲気と言えた。

 もうすでに日は完全に落ちていた。

 夏なので、だいぶ長くなっているはずだが、会社の奥からは光がうっすらと漏れている。

 暗がりになる前に、何人かの従業員がその框を跨いでいったが、その中に鬼市の姿はなかった。

 もうじき月末という所にまでさしかかろうとしていたこともあり、納品書と発注書のチェックにおわれていたのだった。

 それももうじきおわる。

 明日の巡回ルートと、仕上がってくる予定の商品のリストを睨みつけ、苦い苦い濃厚なブラックコーヒーをその空っぽの胃袋に流し込んでいく。

「まじぃ……」

 事務所の奥にある社長室はまだ電気がついており、その存在感を熱気が漂ってくるのではないかと思うほどに感じさせていた。

 確かにこんな日に残業をしても、何の得にもなりはしない……

 社長の癇癪に触れれば、色々と危うい。だからこそ、他の社員はいそいそと我先にと帰っていくのだった。

 とはいうものの、明日は土曜日であり、一応規定では休みなのだ。

 鬼市も、納品が遅れているものがあるので、急かしている職人の所のみ回って、とっとと帰る気でいるのだ。

 何処の会社でもそうだろうが、休日に出勤した所で賃金が上がるわけはないのだ。

 しかし、そのために納期が遅れでもすれば、数字は直接懐に響いてくるという横暴なシステムがまかり通っている。

 雇われ従業員にとってみれば、世知辛い話だった。

「やれやれ、一杯ひっかけて帰らんと、やってらんねぇわな」

 鬼市はペンを置き、伸びをすると早速帰り支度をはじめていった。

「社長。お先ッス」

 そう言ったときには、すでに彼は事務所出口の扉を開けていた。

 そして次の瞬間、咆吼とも取れる声を聞くことなく古びた町屋の外へと出ていた。

 祇園祭最大の盛り上がり場所とも言える、宵山と山鉾巡行も先日終わり、残るは後祭宵山だけとなっていた。

 もっとも、出店などはもうないために、集まっているのは観光客ばかりだった。

 鬼市は表通りや、人が集まる山鉾がある場所を避けるように繁華街である四条界隈を歩いていた。

「やれやれ、人が多くてかなわんわ」

 そんな中、鬼市は人通りが少ない細い細い路地へと入っていった。そして、その暗い暗い通りの中でも一際大人しく光る赤提灯の所へと向かった。

 会社と使っている町屋よりも、古ぼけた店だった。

 磨りガラスが入った引き戸の入り口は、端々に割れ目があり、そこをセロハンテープで無理矢理くっつけている始末だった。

 鬼市はそんな、触れば崩れてしまいそうな扉を一切気にせずに開けた。

「まいど」

「おぉ、きっちゃんやん。らっしゃい」

 入ると、すぐにカウンターがあり、香ばしい焼き鳥の臭いが充満していた。

 はちまきに甚兵衛姿の初老をとうに超えていそうな背筋がピンとした老人が、せっせと串を炭火で炙っていた。

「お~鬼市! 最近見なかったやんけ!」

 奥には常連客もおり、焼酎が入ったグラスを高らかに上げながら鬼市の名前を叫んでいた。

 その手前だった。

「げっ……」

 その存在を目にして、鬼市は顔を一気に引きつらせた。

 まさにゴキブリでも這い回っていそうな店内に一際目立つ客がいた。

 それはまさに京都の風俗街である祇園界隈で客を呼び込んでいそうな際ど目の服と髪型をした女だった。

「げっ、てその言い方は酷くないんですかね? 鬼市様」

 その女はすねた口調と共に、唇をとがらせていた。

 三白眼気味で、少し赤がかった瞳に燃えるように染め上がった赤い髪が挑発的に揺れていた。

 だが、その表情はあくまで少女のそれに見える。

「茨……出勤前か」

「そうですよぉ。鬼市様、最近全然遊びに来てくれないんですから茨、寂しいんですよ?」

 そう言いながら、開いている横の席をばんばんと叩いていた。

 逃げても面倒になるだけと、諦め鬼市はその席へと収まっていった。

 その様子を店主や常連客もご愁傷様とおもしろおかしく見ていた。

「鬼市さま、最近なんで顔を見せてくれないんですか? 茨、毎日毎日、鬼市さまがいらしてくれるものだと信じていますのに」

 そう、茨はしなを作りながら、鬼市へともたれかかっていった。

「阿呆か。毎日あの店に行ったら、薄給の俺なんか、すぐに路頭にまよっちまうやんか」

 その頭を軽く叩きながら、鬼市は顔を大きくしかめながらため息を漏らした。

「だから、何でも申しておりますように、鬼市さまからお金を取るわけがないじゃないですか!」

「それだと、店やみんなに迷惑かけるだろうが……」

「そんなことございません! 鬼市さまがいらしていただければ、みんな喜びます!」

 いつもと変わらぬやりとりに、鬼市自身は辟易し始めていた。

「おいおい、茨ちゃん。それじゃあ、おいら達が鬼市の代わりにいってやるってばよ」

 おちょくるつもりだったのだろう、あまり茨のことを知らない常連の一人が不用意にもそんな発言をしてしまった。直後、そこにいた皆が顔を違う意味で引きつらせることとなった。

「は? 何抜かしとんねん!? あんたらが鬼市さまと同じ扱いされるおもうてるんけ!? その見にくい腹を掻っ捌いて、ハラワタかき混ぜたろけッ!?」

 まさに烈火とはこのことだろう。

 たった今まで見せたのと正反対の表情……鬼夜叉のような表情で彼女はまくし立てた。

 瞬間的な殺気に、発言をした常連は泡を本当に吐きながら後ろへと倒れていった。

「わっ、あほ……」

 慌てて周りのものが介抱に当たるが、時既に遅し完全に意識を飛ばしていた。

 鬼市も頭痛が出てきたのか、右手でこめかみを押さえていた。

 それでも勢いが収まることのない茨は立ち上がり、気絶した常連へ近づこうとした。

 だが、その時点になって、鬼市の左手が茨の肩を掴んでいた。

「茨……茨……落ち着けや」

「はっ! ……き、鬼市さま。わ、わたしはその……」

 あきれ顔の鬼市の顔を見るなら、我にもどった茨は赤くなりながら小さくなっていた。

 これでも昔は、大人しくかわいらしい面もあった娘だったのだが、働き出してからはこのざまとなってしまった。元々生まれ持った素質の問題も多々あるのだから、質が悪い。

「とりあえず、茨ちゃん。店でのもめ事は御法度って、前々から言ってるよね?」

 店主が困り顔で水の入ったコップを彼女に手渡した。

「す、すみません……」

 さすがにしおらしく謝るしかなかった。

 とはいうものの、鬼市同様に昔から彼女の事を知る店主だからこそ、注意出来るとも言えた。

 これが他の常連なら、今の話題でなら収まりがつかなかっただろう。

 疲れを癒やすために寄った鬼市からすれば、とんだとばっちりとなってしまった。


 さすがにこの状態では店にいられないと、茨のぶんも金を出すと、鬼市は早々に茨をつれて店を出てしまった。

「やれやれ、お前なぁ。いい加減、そのカッとなる性格なんとかせいや」

 鬼市に言われ、茨はしょんぼりと小さくなっていた。

 元々、体格は大きくはない。

 高校生と言われても仕方が無いくらいの童顔に小柄な体格。ただし、輝と違うのは茨は出るところは人並み以上に出過ぎているという所だろう。

 だが、それ以上に先ほどのように一発着火型である。

 しかも一度炎上すると、止まらない恐れもあるため、色々と扱いが難しいのだった。

「最近、なんか変わったことあるか?」

「え? 鬼市さま、かわったことと言いますと?」

 声に反応して、顔を正面へと上げるが、怒られた反動か、瞳に精気は感じられなかった。

 ここまで落ち込まれると、鬼市の心に少しだけ罪悪感が込み上げてくるが、ここは我慢しておかないと、色々と歯止めがきかなくなるだろう。

「いや、なにもないならええねん。みんなに元気なんか?」

「あぁ、みんな元気にしていますよ。あぁ、親父がたまには鬼市さまの顔をみたいと仰ってましたね」

「親父さんか……」

 再びため息が漏れてきた。

 親父さんは鬼市の身元保証人でもあるため、頭が上がらないのだ。

 もっとも、彼に頼って生きていくつもりがないため、鬼市は独立してこうして働き独りで生きていく努力をしているのだ。

 だが、それでも親父さんの笠の下で生きていっていると、実感する瞬間は数多い。それだけ親父さんの影響力があるということだろう。それには感謝をしている。

 茨もまた、鬼市同様に幼い頃に両親を亡くしており、親父さんの庇護下にいる一人だった。

 もっとも、彼女の場合は鬼市と違って、親父さんの元で仕事をし、親父さんの力になっているという所では大きく違ってはいるが……

「ねね、鬼市さま。さっきのお詫びじゃないけどさ、今日くらい店に寄っていってくださいよ」

 そう目を潤ませながら、茨は鬼市の腕に巻き付くように取り憑いてきた。

「あんまりひっつくな。暑苦しいだろうが……」

「うぅ……ひどい言われようです……あれ?」

 泣くようなそぶりをしながらも、茨はその腕を放す事はしなかった。

 だが、逆にここで彼女はある事実に気付いた。

「鬼市さま?」

 今までは媚びるような猫なで声だったのに対して、たった今発した声音は全く違っていた。

 それはまさに血の気もよだつほどの冷たく……いや灼熱のごとく熱せられた言葉だった。

 その変貌ぶりに、鬼市は目を白黒させた。

 いきなり彼女が怒る理由が思いつかなかったからだ。

 いや、そもそも、鬼市にべたべたな茨が彼に対して怒ることはそう多いことではない。


 では……?


「な、なんや!?」

「あの……あの女の臭いがします。鬼市さま、私を差し置いて……まさか、あの人間の女と逢っていたのですか?」

「なっ……」

 ここでようやく彼は、昼間に輝と会い、その体に触れたことを思い出した。

 その時の臭いが微かに……いや、人間では絶対にわかるはずのないほどの臭いを鬼である彼女は察したらしい。

「い、いあ……仕事中にな……」

「仕事中に逢い引きですか? 相手は人間な上に、あの一族の女ですよ?」

 目を怒らせ、顔色も少しずつ白から朱に染まっていっている。

 ここが裏通りじゃなければ、色々と問題が起こりそうだった。

 もっとも、このエリアに住むのは人間よりも彼女のような妖怪が多いため、人がこの場に介入することは希有だった。

「たまたまだ。本当だ。最近は全然連絡すらとっていな……」

「私にも連絡来ておりません!」

「このシーズンはいつも忙しいって言っているだろうが……」

「そんな言い訳しりません! だいたい、鬼市さまは親父さんの元にもどるべきなんですよ」

 言った瞬間、茨の表情に後悔めいたものが浮かんだ。

「俺は、人間として生きるんや。それがあれとの約束やからな」

 振り返ることなく、鬼市は闇の中へと消えていった。

 触れるべきではない所を言ってしまい、茨は自らの失策にため息を漏らした。

「でも……鬼市さま。貴方の中に流れるもの……それからは逃げられないのですよ?」

 その呟きはもうしばらくの間、彼に届くことはない。

 そして次の瞬間には、茨は彼の前で見せる顔ではなく、彼以外に見せる顔へと表情を一変させていた。

 彼女はゆっくりと振り返る。

 すると、闇の中から溶け出でるように、黒い輪郭が浮かび上がり、人型が姿を現せた。

 人の姿はしているものの、その飛び出た牙と角はどうみても、人ではなかった。

「どないしたんや?」

 いつもよりも、不機嫌で険のある茨の言葉に、その鬼はゆっくりと頭を垂れた。

「はっ、穂積様。あれから、周囲を探索いたしましたが、妖気が移動する痕跡が微かに残っておりました」

「ちゅことは、まだ相手がなんなのか分らへんって事やね?」

「はっ……はい。未だ、そのしっぽまでは掴めておりません」

 彼の言葉に、茨は酷く冷めた視線を鬼へと送ってから、視線を宙に泳がせた。

「他の幹部はなにをしている?」

「そ、それがちょうど府外に出向かれている方や、華峰院家や凶骨組の牽制に回られたりしておられまして……」

 その言葉を聞き、茨は不快そうにため息を漏らした。

「やれやれ、本来東の守りは私の管轄外のはずやけどね……」

 本来の守りを担当していたイクシマが去年の抗争時に横やりを入れてきた華峰院の筆頭党首候補である華峰院彩歌に滅せられてしまったのだ。そのため、未だにいくしまの後任となれる者がいないのが実情だった。

 そして、管轄が近い茨がそのわりを食っているのだ。

「虎熊はどうしたん?」

「それが先日の小競り合いの時の傷がまだ……」

「情けないね……」

 組一番の剛力で知られる虎熊童子だったが、彼もまた華峰院彩歌の前に負傷させられていた。

 たかが人間と、侮ったためとも言われるがこうも幹部が立て続けとなると、侮れる相手ではないというのは、よく理解出来た。

「親父さんは?」

「報告したところ、相手の目的がわからない以上、静観するようにと」

 その報告に、茨が険を露わに睨みつけてきた。

「い……いえ、見つけられるのならば……」

「いつも通りやね。なら、ええわ。とりあえず、私は店におるし、なにかあれば店に報告に来や」

 茨もまた不機嫌そうな顔をしたまま、自らが勤務する祇園の店へと足を運んでいった。


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