上 下
3 / 35

第3話 タイトル画面に戻された

しおりを挟む
GAME OVER。

赤く表示された画面をじっと見つめる。

敵兵の矢にたおれた俺の前には、ゲームと同じゲームオーバー画面が現れていた。

悲しげな旋律が流れる中、GAME OVERの文字は微動だにしない。

……まさか、このまま変化しないなんてことはないよな?

もしそうなら、俺の人生は最悪の詰み方をしたことになる。

このままゲームオーバー画面を未来永劫見つめ続けるなんてのは勘弁してほしい。

俺が唾を飲みながら(身体がないのにそんな感覚だけはあった)、じっと画面を凝視(やはり身体はないが)していると、十数秒ほどで画面が切り替わる。

ゲームオーバー画面に続いて表示されたのは、赤い血文字のタイトルだ。


――Carnage(カルネージ)。


血色のペンキを太いハケで殴り書きしたようなタイトルは、溢れ出た知識にある通りのものだった。

ゲームの禍々しいタイトルの下には、「FOCUS HERE」という白い文字が浮かんでいる。

VRゲームではテンプレとなった、「ここを見つめろ」という決まり文句だ。

VR以前のゲームでは、こういった画面には「PRESS ANY BUTTON」と書かれていたらしい。

だが、完全埋没型のVRゲームには、ボタンはおろかコントローラーすら存在しない。

ゲーム内のほとんどの操作は意識するだけで行える。

ただ、メニュー画面など一部の細かな操作だけは、視線とジェスチャーで行うのが一般的だ。

いずれにせよ、王子としての常識からすれば、ほとんど魔法のような技術である。

俺は、自分の身体を見下ろしてみる。

だが、そこにはなにもない。

さっきまでは確かにあった、俺の身体がなくなっている。

そのことに案外動揺しなかったのは、これがVRではよくあることだからだ。

ゲームに限らず、VR技術を生かしたヴァーチャル観光であっても、あえてアバターを設定せず、視点だけを動かして、あちこちを見て回ることは珍しくない。

となると、真っ先に浮かぶ疑問はこれだろう。

「これはゲームなのか?」

声帯も存在しないはずだが、俺の声はちゃんと聞こえた。

「俺はVRゲームにのめり込むうちに登場人物になりきっていただけ……とか?」

トラキリア王国の第三王子であるユリウス・ヴィスト・トラキリア。

その十六年にわたる生涯を疑似現実として体験し、その経験が今終了したということか?

「……いや、そんなはずはない。俺がユリウスであることは間違いない。俺が王子として生きてきた十六年間の記憶はちゃんとある」

もしそのすべてがVRなのだとしたら、途方もない量のデータが必要だろう。

いや、それ以前に、十六年分の体験を一度もログアウトせずにプレイさせ続けるなんてことは、科学の発展した地球であっても不可能だ。

いくらVRが発達しても、プレイヤーが生身の人間である以上、メシを食ったり眠ったりする必要はなくならないんだからな。

ついでに言えば、VRゲームのプレイ中に、今ゲームをやってるという自覚をなくしてしまうこともありえない。

VRは、夢や幻覚とは違うのだ。

「じゃあ、なんなんだ? まさか、Carnageそっくりの異世界があって、その世界の小国の王子にゲームの知識が蘇った……とでも言うのか?」

――異世界転生。

そんな言葉が脳裏に浮かぶ。

完全な没入を可能とする最新のVRゲームでも、異世界に転生するという設定には人気があった(らしい)。

だが、Carnageにはプレイヤーが異世界に転生するという設定はない。

プレイヤーが操作するのは、あくまでもCarnageの世界内にいるキャラクターだ。

プレイヤーは、さまざまな種族・身分のキャラクターを主人公として選んでゲームを始める。

CarnageはソロプレイのオープンワールドVRRPGで、ダークファンタジーな世界観と、練り込まれた重厚なストーリーがウリだった。

Carnageでは、プレイヤーがキャラクターを自由に作ることはできないが、その分、キャラクターごとに濃密なストーリーが用意されている。

「でも、その中にユリウス・ヴィスト・トラキリアなんてキャラクターはいなかったぞ?」

プレイヤーが主人公として選ぶことができるキャラクターの中に、トラキリアの第三王子はいなかった。

実際、これといった取り柄があるわけでもない小国の第三王子を主人公にしたところで、ゲームとして面白みがあるとは思えない。

「⋯⋯わけがわからん」

俺は、眼前に浮かぶタイトルロゴを睨みながらため息をつく。

異世界のゲームってだけでお手上げなのに、そのゲームと「現実」のあいだにもかなりの食い違いがあるときた。

「俺は⋯⋯誰なんだ?」

ユリウス王子か、ゲームのプレイヤーか。

セーブポイントを目にした途端溢れ出したゲーム知識の中に、おぼろげながらCarnageをプレイする地球人のものらしき記憶もある。

しかしその記憶は、まだ人格と呼べるほどはっきりした像を結んでない。

「俺は、俺だ。トラキリア王国第三王子、ユリウス・ヴィスト・トラキリア。それ以外の何者でもない」

そう言い切ってみると、少しだけ落ち着きを取り戻すことができた。

「そうだ、俺はユリウスだ。トラキリア王家に生まれ、王子として育った。俺のためにみんながしてくれたことや、俺が十六年のあいだ積み重ねてきたことはゲームなんかじゃない。まぎれもなく現実だ」

そこまで言って、俺はようやく思い出す。

「現実……そう、現実なんだ。あの悪夢のような体験も……」

幼い頃からともに剣の稽古に励んだアイザックは、危険を冒して斥候に立ち、敵の矢に射抜かれた。

権勢とは無縁の第三王子に忠誠を尽くし、命を賭して俺を逃してくれたブレヒトは、間違いなく敵兵に殺されただろう。

他にも、顔を見知った無数の臣下たちが、突然現れた敵兵たちによって殺された。

いや、臣下たちだけじゃない。

「そうだ、父さんと母さんは!? 兄さんたちとアリシアはどうなった!?」

異常事態の連続に麻痺していた頭が動き出し、俺はようやくそのことに気づいた。

トラキリア王国の現在の王族は、そろって温和で仲がいい。

他国の王家のドロドロとした確執を耳にするたびに、俺はトラキリアに生まれたことを感謝したものだ。

トラキリアは小国だが、国情は安定していて、反乱や他国の侵攻を心配する必要もない。

いや、なかった、というべきか。

現に攻撃を受けた以上、俺の知らないところで火種がくすぶっていたということだ。

奇襲が夜明けだったこともあって、王族はバラバラに逃げることになってしまった。

いや、逃げられたかどうかすらわからない。

既に捕まったり、殺されたりしている可能性も高い。

「くそっ! なんで今まで気づかなかったんだ! みんなは無事なのか!? ああ、今からでも助けに行きたいが⋯⋯!」

俺には、それだけの力がない。

謎の敵兵はトラキリアの騎士たちよりも強かった。

平和な国だけに強兵とは言いがたいトラキリアの兵ではあるが、他国と比べてとくに弱いというわけでもない。

Carnageの主人公たちのような英雄豪傑や高ランク冒険者とは比べられないが、日頃から厳しい訓練を積んでいる兵たちだ。

それが、ほとんど抵抗もできずに殺されている。

俺も王族として必要な護身のすべを学んではいるが、ブレヒトはもちろん、アイザックと比べても数段劣る実力なのは間違いない。

王家の家庭教師たちは、王族には武術よりも学問を優先的に学ばせてきた。

その判断は、しごくまっとうなものだと思う。

だがこうなっては、戦う力を磨き抜いておけばよかったと、後悔せずにはいられない。

「父さんと母さんは⋯⋯わからない。マクシミリアン兄さんは地方に巡察に出て留守だった。グレゴール兄さんにはあの固有スキルがあるから無事だろう。
 心配なのはアリシアだ。いくら固有スキルと治癒魔法があるとはいえ女の身では⋯⋯。
 って、待てよ?」

そこまで考えて俺は気づいた。

今俺がいるのはタイトル画面だ。

俺は、敵兵に射殺される前に「セーブ」をした。

異世界のゲーム知識によれば、「セーブ」とは、ゲームをあとから再開するために、ゲームの進行状況を保存することだ。

「セーブ」が実際にできた以上、そのセーブデータから「再開する」こともできるはずだ。

「あそこから……やり直せるのか!?」

Carnageでは、ゲームオーバー時にその場でコンティニューすることは不可能だ。

全滅した場合には、一度タイトルに戻って、セーブデータから再開する必要がある。

このことは、ゲームとして見た場合には、賛否が分かれるところだろう。

全滅すると、セーブしてからゲームオーバーになるまでのプレイが無駄になるってことだからな。

だが、「現実」として見た場合は話が違ってくる。

タイトル画面からセーブデータを選んで再開すれば、セーブデータに記録された時刻まで、「時間を戻せる」ことになるからだ。

セーブしてから全滅するまでの時間を、「なかったこと」にできると言ってもいい。

俺は、弾かれたようにFOCUS HEREの文字に目を凝らす。

FOCUS HEREの文字が消え、おどろおどろしいタイトルの下に、短い文字列が現れた。



 ロード


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

冒険者クラン新人選択希望会議でドラフト1位指名された無名最底辺の俺が、最強への道を歩みだす話!

東導 号
ファンタジー
『二度の追放』を喰らったが 落ち込み、めげてばかりもいられない。 スフェール王国貧乏騎士爵アルノー家の3男坊、ランクFの新人冒険者エルヴェ・アルノー、16歳。 家督を相続する一番上の兄貴から、食い扶持減らしの厄介払いと言うか、 名目上は武者修行だが、 実際には『追放』に近い旅立を強いられた。 その後……身体が頑丈で、そこそこ力があるのを買われ、冒険者ギルドランキング上位クラン、 『シーニュ』に誘われる形で仮所属となり、研修を兼ねて『荷物持ち』をしていた。 指示された事は無理な事も全て一生懸命やり、こなした。 進んで料理、洗濯、掃除などの家事は勿論、もろもろの雑用もやった。 勘だけは鋭いから、出現する魔物の気配も事前に察知し、逐一報告もした。 でもそれが、『シーニュ』の偵察、索敵を担当するシーフには気に喰わなかったようだ。 新人の癖に出過ぎた真似をすると陰口を叩かれ、他のメンバーのミスも全てエルヴェのせいにされ、ある事ない事をでっちあげられ、誹謗中傷されてしまう。 いわれのない事を非難され、抗議したが…… 新人の癖に生意気だと一蹴。 聞き入れて貰えなかった。 結果、これまた散々安い賃金でこきつかわれた挙句、 魔物の群れに対し、捨て駒のような盾役、原野、迷宮の置き去りなど、 エルヴェの命など、なんとも思わない悪行三昧。 対して、天性の勘の鋭さ、『勘働き』で何とか命をつないだエルヴェ。 だが挙句の果てに『シーニュ』のクランリーダーの銀髪女魔法使い、ミランダ・ベルグニウーより、容赦ない罵倒、罵声と共に一方的にごみのようにリリースされ、『無所属』になってしまう。 いつの日にか、ざまあしてやると、リベンジに燃えるエルヴェだったが、ほんの気晴らしに、有望な新人が指名される、冒険者クラン新人選択希望会議……ドラフト会議にエントリーした。 このドラフト会議で何と!何と! 衝撃の大事件が起こる!! 厳しい環境で密かに培われた、底知れぬエルヴェの才能が、偉大な英雄に見込まれたのだ。 耐えに耐えて来たエルヴェの運命が、遂に大きく変わり動き出した!!

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜

KeyBow
ファンタジー
 1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。  各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。  ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。  その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。  彼らは通称カーヴァント。  カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。  カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。  しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。  また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。  探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。  つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。  数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。  月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。  彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。  そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。  勿論二世だ。  斗枡が持っている最大の能力はカード合成。  それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。  彼はその程度の認識だった。  実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。  単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。  つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。  また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。  斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?  女子が自然と彼の取り巻きに!  彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。

ランキングで全てが決まる世界でチート変身能力でランク鑑定士をやりながら俳優ランキング1位目指してます!

あっちゅまん
ファンタジー
この世の全ての価値観は、ランキング鑑定の評点に左右され、人々はそれに熱狂する世界……。人々はランキング結果に一喜一憂し、熱狂した。一夜にしてホームレスがランキング上位になり、人々の注目を浴び投資が殺到する、そんな現象はランキングドリームなんていう呼ばれ方もした。  そして人々はその驚くべき調査鑑定評価を絶対的なものと信じるようになっていった……。 企業や旧国家、今はエリアというが、個人、権力者たちもランキングを恐れ、またその結果に左右されていくのだった。  彼らランキング鑑定組織のことを人々は、アカシックレコーズ(全てのデータを持つもの)と呼んだ。 そして、主人公・ミギト・イズウミ(未擬斗・伊豆海)はそんな世界で謎の鑑定組織・アカシックレコーズに入って、鑑定しながら俳優ランキング1位を目指していく、そんな物語です! ※私の作品の全ての登場人物・団体・セリフ・歌などフィクションのものではありますが、今まで生きてきた人生の中で触れた作品について、オマージュやパロディ、インスパイアされたものについては、全て私からのオリジナルに対する深いリスペクトがある事をここに誓います。 わかる方にはニヤリとしていただいて、温かい目で見て頂けると幸いです。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~

イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」   どごおおおぉっ!! 5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略) ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。 …だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。 それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。 泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ… 旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは? 更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!? ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか? 困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語! ※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください… ※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください… ※小説家になろう様でも掲載しております ※イラストは湶リク様に描いていただきました

処理中です...