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34.桜塚猛、サヴォンの状況を知る(2)
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そこに、突然遠くから女の声が聞こえてきた。
「……イッドッ、クッレッメッンッスぅぅぅぅぅッ!」
声の方を振り返る。
街の側から、誰かが凄まじい勢いで走ってくる。
「あ、あれは……」
ミランダが呆気にとられた顔でつぶやく。
わしの名を(正確にはわしの名ではないが)叫びながら駆けてきた女が、わしらの前で急ブレーキをかけた。
「ロイドッ、クレッ、メンスぅぅぅッ! ぜぇッ、はぁッ、はぁッ……」
息を切らせながら、女がわしを睨んでくる。
わしはその女の名を呼んでいた。
「キャリィちゃん!」
もはや言うまでもないだろう。
般若の如き顔でわしを睨んでいるのは、ギルドの元受付嬢キャリィ・ポメロットだった。
「キャリィちゃん! じゃないわよ! ぜぇッ、はッ……あ、あたしのことを宿屋に監禁したまま……よくも、放置して、くれたわねぇ!」
目を吊り上げて言ってくるキャリィに、ジュリアーノが言う。
「……そういえばそうだったな。すっかり忘れていた」
「忘れてたじゃないわよ、このスカシエルヴァ!」
「す、スカシ……? それよりも、どうやってここまでやってきたんだ?」
ジュリアーノが首を傾げる。
わしらは、サヴォンを発つ前、キャリィ嬢と悪魔による襲撃を受けた。
襲撃は返り討ちにすることができたが、ナザレの捕捉を急いだため、捕らえたキャリィ嬢はわしらの宿の部屋に縛り上げて放り込んでおいた。もちろん、宿の主人には話を通し、最低限の世話をしてくれるよう頼んではいる。
が、逃げられては困るので、かなり厳重に縛り上げておいたはずだ。
キャリィ嬢が言う。
「ふん……あんな縄、あたしの魔法にかかれば簡単に切れるわ」
「あんた、魔法が使えたのかい?」
ミランダが驚く。
「隠してたけど、この状況じゃもう隠す意味がないでしょ」
キャリィ嬢が挑発的に笑う。
たしかに、魔王軍が攻めてくるという時に今更実力を隠してもしかたがない。
いや、そうではないな。
「あんたにそんな実力があったとは驚きだな。そうか、もともと他の場所で冒険者をしていたのか」
ジュリアーノの言葉に、キャリィ嬢は鼻を鳴らして目をそらす。
「なるほど、よそでお尋ね者だったパターンかの。どうせ、サヴォンでやっておったのと似たようなことをやっておったんじゃろう」
アーサーが顎鬚を撫でながら言った。
わしはふと、思いついて聞く。
「おい、待て。俺らはあんたに猿ぐつわを噛ませておいただろう。魔法は使えないはずだ」
この世界では、慣例として、人を捕縛する時にはたとえ魔法が使えないはずの相手であろうと猿ぐつわを噛ませることになっている。
目の前の娘のように、魔法が使えることを隠している者が多いからだ。
「あたしを誰だと思ってんのよ? 宿のぼんくら亭主をだまくらかして、猿ぐつわを外させるくらい簡単よ」
胸を張って、キャリィ嬢が言う。
「おいおい、あそこのとっつぁんは、もういい歳じゃろう。あんたの色仕掛けが効くもんかね?」
アーサーがそうつっこむ。
「べつに、色仕掛けだけが手段じゃないわ。亭主が黒い布を腕に巻いて怯えてるもんだから、そこにつけこんだのよ。街が滅ぶんなら捕まえておいても仕方がない、だから、見逃してくれって」
「な、なるほど」
ジュリアーノが思わずといった様子で納得している。
「でも、あの亭主は煮え切らない男ね。解放はできないけどせめて猿ぐつわくらいは外してやろうって言うのよ。猿ぐつわだけ外したって、魔王軍とやらが攻めてきたら一緒じゃない。まぁ、あたしには隠してた実力があったから逃げ出せたわけだけど」
キャリィ嬢が肩をすくめる。
「おぬしの生き意地の汚さにはいっそ感心するわい。で、どうしてわしらの元にやってきたのじゃ? 逃げるのではなかったのか?」
「状況は把握してるわ。魔王軍とやらに街が包囲されてるんでしょ? 逃げ場なんてないじゃない。さすがのあたしも、モンスターをたぶらかすことなんてできないし」
「あんたはナザレ側だったんじゃないのかい?」
ミランダが首を傾げてキャリィ嬢に聞く。
「違うわよ。あくまでも、あんたらを始末する見返りに街から逃してやるって話だったんだから」
「ふぅん? あの男を誘惑していいように操ってるわけじゃ……」
「あんた、女なのにわかんないの? あの男にその手の欲望はないわよ。枯れてるってのとも違うわね。どうも、自分の性欲すら制御下に置いているような感じかしら。……あんたも、あいつに色目を向けられたことはないでしょ?」
「い、色目かい? あたしにゃよくわからないが……」
「……ふふーん? ミランダって、経験豊富ですって顔してるけど、何もわかってないみたいね。そのなりなら言い寄ってくる男も多いでしょうに。ひょっとして処女なの?」
「し、処ぉっ……!」
キャリィ嬢から飛び出した言葉に、ミランダがうろたえる。
(……珍しいものを見たな)
ミランダは男勝りだが、それなりの美女でもある。
その割に浮いた噂がないということは、ロイドの記憶にもあった。
このままではかわいそうなので、いい加減話を進めることにする。
「で、俺に何の用なんだい、キャリィちゃん」
ロイドの口調でキャリィ嬢に言う。
改めて、キャリィ嬢の姿を見る。
捕まえた時と同じ格好をしている。宿から逃げ出して間もなかったのだろう。
と、同時に、ひとつのことにも気がついた。
「……黒い布はつけてないんだな」
わしがそう指摘すると、
「ふん、当然でしょ? あたしはね、力で脅されて従わされるのが、死ぬほど大っっ嫌いなのよ!」
「へぇ……」
意外だ。
そう思ったのはわしだけではないらしく、ジュリアーノとアーサー、うろたえていたミランダもキャリィ嬢の顔を見返している。
「キャリィちゃんは抗戦派ってわけか。あ、ひょっとして、ここで戦功を立てて罪を帳消しにしようと思ってる?」
「ぶっちゃければその通りよ。あたしにしかできないことはいろいろあるわ。だから――ロイド・クレメンス」
「何だ?」
「あたしがナザレの口車に乗ってあんたを襲った件はなかったことにしなさい」
よくもまあ、いけしゃあしゃあと言うものだ。
わしはむしろ感心してしまった。
(しかも、何気なく、あの襲撃の責任をナザレになすりつけようとしておるな)
思わず返す言葉を失ったわしに代わって、ミランダが言う。
「ちょっと待ちな。あんたに一体何ができるってんだい? ちょっとは魔法が使えるみたいだが、戦闘が得意そうには見えないさね」
「あったりまえじゃない。あたしの身体には千金の価値があるのよ。戦闘なんてして傷がついたらどうするの?」
「じゃあ、どうやって力になるというんだ?」
ジュリアーノが聞く。
「――ザハルドを解放しなさい」
キャリィ嬢が唐突に言った。
俺たちは顔を見合わせる。
ザハルド――横領でギルドに拘束されている元副ギルドマスターのことだ。
キャリィ嬢とは男と女の関係にあったようだが、キャリィ嬢は奴のことを湯水のように現金を引き出せるATMのようにしか思ってなかったのではなかったか。
ミランダが言う。
「おや、あんたがそんなことを要求するとは意外だね」
「勘違いするんじゃないわよ。あいつがどうなろうと知ったこっちゃないわよ。けどね、あの男がサヴォンの冒険者ギルドを実質的に取り仕切ってたのも事実なのよ?」
「それは……」
たしかにその通りだ。
ギルドマスターであるナザレは、ギルドの実務にはあまりタッチしていなかったと聞いている。だからこそ、サブマスターだったザハルドと受付嬢だったキャリィ嬢による横領にも気づかなかったのだ。
(いや、気づいていて、見逃しておったのかもしれん)
いざという時に弱みとして使えると思って、あえて泳がせていた、という可能性もある。
なにせ相手は神の如き力を得たいと願う不老長寿の魔導師だったのだから。
(単に、俗事に煩わされたくなかっただけかもしれんがな)
「あいつはこの街の有力者とも太いつながりを持ってるわ。だから、この街のどこに何がどれくらいあるのかをかなり正確に把握してるのよ。ついでにいえば、あっちこっちに裏金や食糧、アイテムなんかを溜め込んでる。吐き出させればかなりのものになるはずよ」
「な、なるほど……」
ジュリアーノが呆気にとられてうなずいている。
「……いや、威張れることではなかろうが。その『太いつながり』とやらも、どうせ後ろ暗いものなのじゃろう」
アーサーがキャリィ嬢をじとりと睨む。
キャリィ嬢はまったくひるまない。
むしろ、開き直ったようにそっくり返って言う。
「ふんっ。権力に表も裏もありゃしないわよ。力は力、人を従わせ、人の財産を召し上げるためのものだわ。だいいち、今の状態でそんなこと言ってられるわけ? ナザレの奴がとんでもなくヤバいってのは、あたしにだってわかるわよ!」
暴論のようだが、とても現実的な意見ではあった。
(この娘は、この歳で権力というものの本質をよく知っておるな)
国家でも企業でも同じだ。権力というものは、身の安全や給料というこちらの生命線をしっかりと握った上で、これをしろ、あれをよこせと命じてくる。むろん、権力がなかったらなかったで社会が無秩序になってしまう。市民として受け入れるべき必要悪ではあるのだが。
わしが感心している間に、ジュリアーノが言う。
「そういえば、あんたはナザレから悪魔を借り出していたな」
「最初はチンピラを1ダースばかり用意されたのよ。でも、これじゃロイド・クレメンスのパーティは潰せないって言ったら、意外そうな顔をして、悪魔を貸してくれたってわけ」
キャリィ嬢が肩をすくめる。
「へぇ……キャリィちゃん、俺のことを案外認めてくれてたんだな」
思わず言う。
「認めてなんかないわ! うまく利用するには相手の力量を正確に把握しておく必要があるってだけよ」
「……これで、受付嬢としてはやり手だと言われておったからの」
アーサーが複雑そうに言った。
ジュリアーノが言う。
「なるほど、キャリィ嬢の言うことはわかった」
「じゃあ……」
「とはいえ、ことがことだ。俺たちの一存では決められない」
ジュリアーノが首を振る。
「何言ってんのよ! ギルドマスターが敵に回って、副が捕まってる状況で、誰がどうやって決めるっていうの!? Sランクの《爽原の風》も留守にしてる! 実力面でそれに次ぐのは、Aランクの《ボルネスの翼》か、ペアで活動してるドルドーヌとスヴェンでしょうけど、どっちもリーダーなんて柄じゃないわ!」
「だからって、俺たちはつい最近までDランクだったんだ。パーティの名前すら持ってない」
「あんたらのDが不当だってのは知れ渡ってる事実でしょうが! ザハルドの横領を暴いた実績もある! ミランダは以前から実力を認められてるし、ジュリアーノは辺境には珍しい遺跡の専門家として一目置かれてる!」
「……わしは?」
とアーサー。
「あんただって盾役としての評価は高いわよ! ドヴォの冒険者たちからの人望もある!」
わしは、眉間にしわを寄せながら聞く。
「……俺たちに、サヴォンの冒険者を取りまとめろって言うのか?」
「冒険者だけじゃないわ! この際、手段は選ばず権力を掌握しろって言ってるのよ! 領主の襟首もふんづかまえて従わせるの! 防衛戦で冒険者と兵士の息が合わないってのが、今いちばんの問題なんだから!」
「……戦時に権力を集中する。一理はあるか……」
とはいえ、独裁者のようなやり方は好みではない。
勤めていた大日本精機でも、権力欲の強い連中からは距離をおいていた。
おかげで、出世もしなかった代わりに、ひどい追い落としに遭うこともなかった。
もっとも、歳を取れば相応に責任ある地位につくことになる。また、仕事の合間に、もしわしが経営陣だったとしたらこの会社をどうしたいか、といったようなことを考えることはあった。一時期はそれなりの数の部下を持っていたから、マネジメントの経験や知識もそれなりにはある。
(しかし、相手は海千山千の冒険者たちだ。気の弱いわしでまとめきれるものか……)
ロイドはパーティのリーダーではあったが、パーティを超える規模の集団を指揮した経験はなかったようだ。
人たらしなところのあるロイドだが、少なくとも今のところは、数人規模の集団の指揮がやっとだろう。
その点では、まだしもわしの方が、歳の分だけ可能性がある。
考え込むわしに、
「ああもう! 迷ってる暇なんてないのよ! ザハルドを追い詰めた時の実行力はどこにいったのよ! これは電撃戦よ! あたしも人心掌握は手伝うから!」
焦れたようにキャリィ嬢が言う。
……どうでもよいが、キャリィ嬢は横領の罪を完全にザハルドだけに着せようとしているな。今は良いが、放っておくと既成事実化されそうだ。
ジュリアーノが言う。
「……どうする?」
わしらは顔を見合わせる。
誰もが迷っていた。
キャリィ嬢の言うことに説得力があったからだ。
魔王を名乗るナザレは本当に危険だ。
オストーの力を奪ったというのがどこまで本当かはわからないが、少なくともサヴォンの周囲にダンジョンコアを複数持ち込み、モンスターに組織だった攻城戦をさせることはできている。一体どうやったのか、隣国ドロモットの軍も動かしている。
(毒をもって毒を制す、か)
ザハルドやキャリィ嬢という毒をもって魔王ナザレという毒を制する。
状況的に考えればしかたがない選択肢ではある。
仲間たちとアイコンタクトを取る。
アーサーは致し方なしという反応、ジュリアーノは決めかねるという反応、ミランダは明確に反対しているようだ。
(これをわしが決めるのか?)
どうして、最もサヴォンに縁の薄いわしが、キャスティングボートを握っているのか。
わしは迷う。
そこで突然、悲鳴が聞こえた。
城壁の方からだ。
「な、何事だい!?」
ミランダが叫ぶ。
周囲にいた冒険者たちが駆け出す。
少し先に、城壁の上に通じる櫓が組まれている。
わしらも駆け出す。
櫓を上り、城壁の上に出る。
城壁の上の冒険者たちが青い顔をして、城壁の外を指さしている。
その指の先を見る。
サヴォンの外に展開したモンスターの軍勢。
人型のモンスターどもが、手にした武器を打ち鳴らしている。
その中央に、それはあった。
「あ、あれは……」
そこにあったのは、六本の巨大な十字架だった。
ジャイアントやキュクロプスに担がれた十字架には、それぞれ一人ずつの人間が磔にされていた。
地球のキリスト教徒は、あれを神聖なシンボルとしているが、十字架の本来の用途はむしろあれだ。
十字架にかけられているのは、冒険者らしき装備の男女だが……
「トルクス! シャミーユ!」
「カカロットとコリーナもいるぞ!」
城壁の上の冒険者が叫んだ。
わしは隣に来ていたジュリアーノを見る。
「……《爽原の風》のメンバーだ」
「何っ!」
驚く。
《爽原の風》。
サヴォン唯一のSランクパーティ。
磔にされているのは彼らだというのか?
「ま、まだ生きてるみたいだぞ!」
城壁の上で誰かが叫ぶ。
たしかに、磔にされたメンバーの何人かはもがいているように見えた。
ジャイアントやキュクロプスが、ゴブリンが掘った穴に、十字架を思いきり突き立てた。
磔になっている冒険者たちが痛みで声を上げている。
その十字架の前に、ゴブリンの弓兵たちが進み出る。
矢をつがえ――
「来るぞ! 胸壁に隠れろ!」
城壁上のリーダーらしき冒険者が叫ぶ。
あわててわしらは胸壁の陰に隠れる。
石つぶてのような音とともに矢が降ってくる。
わしの近くにも一本落ちた。
矢には紙が結わえてある。
「矢文か!」
わしは矢を取り、紙を見る。
『われらに抵抗する者がどのような目に遭うか、しかとその目に刻むがよい』
わしはあわてて胸壁の狭間から外を見る。
地面に突き立てられた十字架の根本に、ゴブリンどもが薪や柴が積み上げていく。
「まさか……!」
そのまさかだった。
ゴブリンが薪に火をつける。
磔にされた冒険者たちが絶叫する。
「火あぶり……」
十字架は城壁から数百メートル離れた地点にあるが、冒険者たちの絶叫は城壁まで優に届く。
いや、
(……街まで届くかもしれん)
さっきまで武器を打ち鳴らしていたモンスターたちは打って変わって静まり返っていた。
「悲鳴を聞かせようとしておるのか……!」
わしは奥歯を噛む。
ここからでは何もできない。
火あぶりなど、もちろん見るのは初めてだ。
中世ヨーロッパの記録によれば、火あぶりとは時間のかかるものだという。じっくりと弱い火であぶられると、人はなかなか死ぬことができない。足を熔かす熱と痛みに苛まれ、受刑者は早く殺してくれと懇願したという。その様子は見世物にされ、時として半日以上火あぶりが続くこともあったらしい。
だからこそ、一瞬で死ねる断頭台は慈悲のある「人道的な」処刑装置だと言われたのだ。
絶叫が続く。
風に乗って、人肉の焼ける臭気が城壁にまで漂ってくる。
向こうが風上で、こちらが風下。
ナザレは間違いなくこの効果を計算している。
「む……無理だぁ」
城壁の上にへたりこんだ冒険者が弱々しい声を漏らした。
「無理だよ! 勝てるもんか! 《爽原の風》がやられるんじゃ、俺たちに勝ち目なんてない! 俺は黒旗に降るぞ!」
「お、おい、待て!」
他の冒険者の制止を振り切り、その冒険者が持ち場から逃げ出す。
櫓を降り、街に向かいながら叫んでいる。
「《爽原の風》がやられたぞー! 《爽原の風》が火あぶりにされてるぞー!」
――辺境の街は、パニックに陥った。
「……イッドッ、クッレッメッンッスぅぅぅぅぅッ!」
声の方を振り返る。
街の側から、誰かが凄まじい勢いで走ってくる。
「あ、あれは……」
ミランダが呆気にとられた顔でつぶやく。
わしの名を(正確にはわしの名ではないが)叫びながら駆けてきた女が、わしらの前で急ブレーキをかけた。
「ロイドッ、クレッ、メンスぅぅぅッ! ぜぇッ、はぁッ、はぁッ……」
息を切らせながら、女がわしを睨んでくる。
わしはその女の名を呼んでいた。
「キャリィちゃん!」
もはや言うまでもないだろう。
般若の如き顔でわしを睨んでいるのは、ギルドの元受付嬢キャリィ・ポメロットだった。
「キャリィちゃん! じゃないわよ! ぜぇッ、はッ……あ、あたしのことを宿屋に監禁したまま……よくも、放置して、くれたわねぇ!」
目を吊り上げて言ってくるキャリィに、ジュリアーノが言う。
「……そういえばそうだったな。すっかり忘れていた」
「忘れてたじゃないわよ、このスカシエルヴァ!」
「す、スカシ……? それよりも、どうやってここまでやってきたんだ?」
ジュリアーノが首を傾げる。
わしらは、サヴォンを発つ前、キャリィ嬢と悪魔による襲撃を受けた。
襲撃は返り討ちにすることができたが、ナザレの捕捉を急いだため、捕らえたキャリィ嬢はわしらの宿の部屋に縛り上げて放り込んでおいた。もちろん、宿の主人には話を通し、最低限の世話をしてくれるよう頼んではいる。
が、逃げられては困るので、かなり厳重に縛り上げておいたはずだ。
キャリィ嬢が言う。
「ふん……あんな縄、あたしの魔法にかかれば簡単に切れるわ」
「あんた、魔法が使えたのかい?」
ミランダが驚く。
「隠してたけど、この状況じゃもう隠す意味がないでしょ」
キャリィ嬢が挑発的に笑う。
たしかに、魔王軍が攻めてくるという時に今更実力を隠してもしかたがない。
いや、そうではないな。
「あんたにそんな実力があったとは驚きだな。そうか、もともと他の場所で冒険者をしていたのか」
ジュリアーノの言葉に、キャリィ嬢は鼻を鳴らして目をそらす。
「なるほど、よそでお尋ね者だったパターンかの。どうせ、サヴォンでやっておったのと似たようなことをやっておったんじゃろう」
アーサーが顎鬚を撫でながら言った。
わしはふと、思いついて聞く。
「おい、待て。俺らはあんたに猿ぐつわを噛ませておいただろう。魔法は使えないはずだ」
この世界では、慣例として、人を捕縛する時にはたとえ魔法が使えないはずの相手であろうと猿ぐつわを噛ませることになっている。
目の前の娘のように、魔法が使えることを隠している者が多いからだ。
「あたしを誰だと思ってんのよ? 宿のぼんくら亭主をだまくらかして、猿ぐつわを外させるくらい簡単よ」
胸を張って、キャリィ嬢が言う。
「おいおい、あそこのとっつぁんは、もういい歳じゃろう。あんたの色仕掛けが効くもんかね?」
アーサーがそうつっこむ。
「べつに、色仕掛けだけが手段じゃないわ。亭主が黒い布を腕に巻いて怯えてるもんだから、そこにつけこんだのよ。街が滅ぶんなら捕まえておいても仕方がない、だから、見逃してくれって」
「な、なるほど」
ジュリアーノが思わずといった様子で納得している。
「でも、あの亭主は煮え切らない男ね。解放はできないけどせめて猿ぐつわくらいは外してやろうって言うのよ。猿ぐつわだけ外したって、魔王軍とやらが攻めてきたら一緒じゃない。まぁ、あたしには隠してた実力があったから逃げ出せたわけだけど」
キャリィ嬢が肩をすくめる。
「おぬしの生き意地の汚さにはいっそ感心するわい。で、どうしてわしらの元にやってきたのじゃ? 逃げるのではなかったのか?」
「状況は把握してるわ。魔王軍とやらに街が包囲されてるんでしょ? 逃げ場なんてないじゃない。さすがのあたしも、モンスターをたぶらかすことなんてできないし」
「あんたはナザレ側だったんじゃないのかい?」
ミランダが首を傾げてキャリィ嬢に聞く。
「違うわよ。あくまでも、あんたらを始末する見返りに街から逃してやるって話だったんだから」
「ふぅん? あの男を誘惑していいように操ってるわけじゃ……」
「あんた、女なのにわかんないの? あの男にその手の欲望はないわよ。枯れてるってのとも違うわね。どうも、自分の性欲すら制御下に置いているような感じかしら。……あんたも、あいつに色目を向けられたことはないでしょ?」
「い、色目かい? あたしにゃよくわからないが……」
「……ふふーん? ミランダって、経験豊富ですって顔してるけど、何もわかってないみたいね。そのなりなら言い寄ってくる男も多いでしょうに。ひょっとして処女なの?」
「し、処ぉっ……!」
キャリィ嬢から飛び出した言葉に、ミランダがうろたえる。
(……珍しいものを見たな)
ミランダは男勝りだが、それなりの美女でもある。
その割に浮いた噂がないということは、ロイドの記憶にもあった。
このままではかわいそうなので、いい加減話を進めることにする。
「で、俺に何の用なんだい、キャリィちゃん」
ロイドの口調でキャリィ嬢に言う。
改めて、キャリィ嬢の姿を見る。
捕まえた時と同じ格好をしている。宿から逃げ出して間もなかったのだろう。
と、同時に、ひとつのことにも気がついた。
「……黒い布はつけてないんだな」
わしがそう指摘すると、
「ふん、当然でしょ? あたしはね、力で脅されて従わされるのが、死ぬほど大っっ嫌いなのよ!」
「へぇ……」
意外だ。
そう思ったのはわしだけではないらしく、ジュリアーノとアーサー、うろたえていたミランダもキャリィ嬢の顔を見返している。
「キャリィちゃんは抗戦派ってわけか。あ、ひょっとして、ここで戦功を立てて罪を帳消しにしようと思ってる?」
「ぶっちゃければその通りよ。あたしにしかできないことはいろいろあるわ。だから――ロイド・クレメンス」
「何だ?」
「あたしがナザレの口車に乗ってあんたを襲った件はなかったことにしなさい」
よくもまあ、いけしゃあしゃあと言うものだ。
わしはむしろ感心してしまった。
(しかも、何気なく、あの襲撃の責任をナザレになすりつけようとしておるな)
思わず返す言葉を失ったわしに代わって、ミランダが言う。
「ちょっと待ちな。あんたに一体何ができるってんだい? ちょっとは魔法が使えるみたいだが、戦闘が得意そうには見えないさね」
「あったりまえじゃない。あたしの身体には千金の価値があるのよ。戦闘なんてして傷がついたらどうするの?」
「じゃあ、どうやって力になるというんだ?」
ジュリアーノが聞く。
「――ザハルドを解放しなさい」
キャリィ嬢が唐突に言った。
俺たちは顔を見合わせる。
ザハルド――横領でギルドに拘束されている元副ギルドマスターのことだ。
キャリィ嬢とは男と女の関係にあったようだが、キャリィ嬢は奴のことを湯水のように現金を引き出せるATMのようにしか思ってなかったのではなかったか。
ミランダが言う。
「おや、あんたがそんなことを要求するとは意外だね」
「勘違いするんじゃないわよ。あいつがどうなろうと知ったこっちゃないわよ。けどね、あの男がサヴォンの冒険者ギルドを実質的に取り仕切ってたのも事実なのよ?」
「それは……」
たしかにその通りだ。
ギルドマスターであるナザレは、ギルドの実務にはあまりタッチしていなかったと聞いている。だからこそ、サブマスターだったザハルドと受付嬢だったキャリィ嬢による横領にも気づかなかったのだ。
(いや、気づいていて、見逃しておったのかもしれん)
いざという時に弱みとして使えると思って、あえて泳がせていた、という可能性もある。
なにせ相手は神の如き力を得たいと願う不老長寿の魔導師だったのだから。
(単に、俗事に煩わされたくなかっただけかもしれんがな)
「あいつはこの街の有力者とも太いつながりを持ってるわ。だから、この街のどこに何がどれくらいあるのかをかなり正確に把握してるのよ。ついでにいえば、あっちこっちに裏金や食糧、アイテムなんかを溜め込んでる。吐き出させればかなりのものになるはずよ」
「な、なるほど……」
ジュリアーノが呆気にとられてうなずいている。
「……いや、威張れることではなかろうが。その『太いつながり』とやらも、どうせ後ろ暗いものなのじゃろう」
アーサーがキャリィ嬢をじとりと睨む。
キャリィ嬢はまったくひるまない。
むしろ、開き直ったようにそっくり返って言う。
「ふんっ。権力に表も裏もありゃしないわよ。力は力、人を従わせ、人の財産を召し上げるためのものだわ。だいいち、今の状態でそんなこと言ってられるわけ? ナザレの奴がとんでもなくヤバいってのは、あたしにだってわかるわよ!」
暴論のようだが、とても現実的な意見ではあった。
(この娘は、この歳で権力というものの本質をよく知っておるな)
国家でも企業でも同じだ。権力というものは、身の安全や給料というこちらの生命線をしっかりと握った上で、これをしろ、あれをよこせと命じてくる。むろん、権力がなかったらなかったで社会が無秩序になってしまう。市民として受け入れるべき必要悪ではあるのだが。
わしが感心している間に、ジュリアーノが言う。
「そういえば、あんたはナザレから悪魔を借り出していたな」
「最初はチンピラを1ダースばかり用意されたのよ。でも、これじゃロイド・クレメンスのパーティは潰せないって言ったら、意外そうな顔をして、悪魔を貸してくれたってわけ」
キャリィ嬢が肩をすくめる。
「へぇ……キャリィちゃん、俺のことを案外認めてくれてたんだな」
思わず言う。
「認めてなんかないわ! うまく利用するには相手の力量を正確に把握しておく必要があるってだけよ」
「……これで、受付嬢としてはやり手だと言われておったからの」
アーサーが複雑そうに言った。
ジュリアーノが言う。
「なるほど、キャリィ嬢の言うことはわかった」
「じゃあ……」
「とはいえ、ことがことだ。俺たちの一存では決められない」
ジュリアーノが首を振る。
「何言ってんのよ! ギルドマスターが敵に回って、副が捕まってる状況で、誰がどうやって決めるっていうの!? Sランクの《爽原の風》も留守にしてる! 実力面でそれに次ぐのは、Aランクの《ボルネスの翼》か、ペアで活動してるドルドーヌとスヴェンでしょうけど、どっちもリーダーなんて柄じゃないわ!」
「だからって、俺たちはつい最近までDランクだったんだ。パーティの名前すら持ってない」
「あんたらのDが不当だってのは知れ渡ってる事実でしょうが! ザハルドの横領を暴いた実績もある! ミランダは以前から実力を認められてるし、ジュリアーノは辺境には珍しい遺跡の専門家として一目置かれてる!」
「……わしは?」
とアーサー。
「あんただって盾役としての評価は高いわよ! ドヴォの冒険者たちからの人望もある!」
わしは、眉間にしわを寄せながら聞く。
「……俺たちに、サヴォンの冒険者を取りまとめろって言うのか?」
「冒険者だけじゃないわ! この際、手段は選ばず権力を掌握しろって言ってるのよ! 領主の襟首もふんづかまえて従わせるの! 防衛戦で冒険者と兵士の息が合わないってのが、今いちばんの問題なんだから!」
「……戦時に権力を集中する。一理はあるか……」
とはいえ、独裁者のようなやり方は好みではない。
勤めていた大日本精機でも、権力欲の強い連中からは距離をおいていた。
おかげで、出世もしなかった代わりに、ひどい追い落としに遭うこともなかった。
もっとも、歳を取れば相応に責任ある地位につくことになる。また、仕事の合間に、もしわしが経営陣だったとしたらこの会社をどうしたいか、といったようなことを考えることはあった。一時期はそれなりの数の部下を持っていたから、マネジメントの経験や知識もそれなりにはある。
(しかし、相手は海千山千の冒険者たちだ。気の弱いわしでまとめきれるものか……)
ロイドはパーティのリーダーではあったが、パーティを超える規模の集団を指揮した経験はなかったようだ。
人たらしなところのあるロイドだが、少なくとも今のところは、数人規模の集団の指揮がやっとだろう。
その点では、まだしもわしの方が、歳の分だけ可能性がある。
考え込むわしに、
「ああもう! 迷ってる暇なんてないのよ! ザハルドを追い詰めた時の実行力はどこにいったのよ! これは電撃戦よ! あたしも人心掌握は手伝うから!」
焦れたようにキャリィ嬢が言う。
……どうでもよいが、キャリィ嬢は横領の罪を完全にザハルドだけに着せようとしているな。今は良いが、放っておくと既成事実化されそうだ。
ジュリアーノが言う。
「……どうする?」
わしらは顔を見合わせる。
誰もが迷っていた。
キャリィ嬢の言うことに説得力があったからだ。
魔王を名乗るナザレは本当に危険だ。
オストーの力を奪ったというのがどこまで本当かはわからないが、少なくともサヴォンの周囲にダンジョンコアを複数持ち込み、モンスターに組織だった攻城戦をさせることはできている。一体どうやったのか、隣国ドロモットの軍も動かしている。
(毒をもって毒を制す、か)
ザハルドやキャリィ嬢という毒をもって魔王ナザレという毒を制する。
状況的に考えればしかたがない選択肢ではある。
仲間たちとアイコンタクトを取る。
アーサーは致し方なしという反応、ジュリアーノは決めかねるという反応、ミランダは明確に反対しているようだ。
(これをわしが決めるのか?)
どうして、最もサヴォンに縁の薄いわしが、キャスティングボートを握っているのか。
わしは迷う。
そこで突然、悲鳴が聞こえた。
城壁の方からだ。
「な、何事だい!?」
ミランダが叫ぶ。
周囲にいた冒険者たちが駆け出す。
少し先に、城壁の上に通じる櫓が組まれている。
わしらも駆け出す。
櫓を上り、城壁の上に出る。
城壁の上の冒険者たちが青い顔をして、城壁の外を指さしている。
その指の先を見る。
サヴォンの外に展開したモンスターの軍勢。
人型のモンスターどもが、手にした武器を打ち鳴らしている。
その中央に、それはあった。
「あ、あれは……」
そこにあったのは、六本の巨大な十字架だった。
ジャイアントやキュクロプスに担がれた十字架には、それぞれ一人ずつの人間が磔にされていた。
地球のキリスト教徒は、あれを神聖なシンボルとしているが、十字架の本来の用途はむしろあれだ。
十字架にかけられているのは、冒険者らしき装備の男女だが……
「トルクス! シャミーユ!」
「カカロットとコリーナもいるぞ!」
城壁の上の冒険者が叫んだ。
わしは隣に来ていたジュリアーノを見る。
「……《爽原の風》のメンバーだ」
「何っ!」
驚く。
《爽原の風》。
サヴォン唯一のSランクパーティ。
磔にされているのは彼らだというのか?
「ま、まだ生きてるみたいだぞ!」
城壁の上で誰かが叫ぶ。
たしかに、磔にされたメンバーの何人かはもがいているように見えた。
ジャイアントやキュクロプスが、ゴブリンが掘った穴に、十字架を思いきり突き立てた。
磔になっている冒険者たちが痛みで声を上げている。
その十字架の前に、ゴブリンの弓兵たちが進み出る。
矢をつがえ――
「来るぞ! 胸壁に隠れろ!」
城壁上のリーダーらしき冒険者が叫ぶ。
あわててわしらは胸壁の陰に隠れる。
石つぶてのような音とともに矢が降ってくる。
わしの近くにも一本落ちた。
矢には紙が結わえてある。
「矢文か!」
わしは矢を取り、紙を見る。
『われらに抵抗する者がどのような目に遭うか、しかとその目に刻むがよい』
わしはあわてて胸壁の狭間から外を見る。
地面に突き立てられた十字架の根本に、ゴブリンどもが薪や柴が積み上げていく。
「まさか……!」
そのまさかだった。
ゴブリンが薪に火をつける。
磔にされた冒険者たちが絶叫する。
「火あぶり……」
十字架は城壁から数百メートル離れた地点にあるが、冒険者たちの絶叫は城壁まで優に届く。
いや、
(……街まで届くかもしれん)
さっきまで武器を打ち鳴らしていたモンスターたちは打って変わって静まり返っていた。
「悲鳴を聞かせようとしておるのか……!」
わしは奥歯を噛む。
ここからでは何もできない。
火あぶりなど、もちろん見るのは初めてだ。
中世ヨーロッパの記録によれば、火あぶりとは時間のかかるものだという。じっくりと弱い火であぶられると、人はなかなか死ぬことができない。足を熔かす熱と痛みに苛まれ、受刑者は早く殺してくれと懇願したという。その様子は見世物にされ、時として半日以上火あぶりが続くこともあったらしい。
だからこそ、一瞬で死ねる断頭台は慈悲のある「人道的な」処刑装置だと言われたのだ。
絶叫が続く。
風に乗って、人肉の焼ける臭気が城壁にまで漂ってくる。
向こうが風上で、こちらが風下。
ナザレは間違いなくこの効果を計算している。
「む……無理だぁ」
城壁の上にへたりこんだ冒険者が弱々しい声を漏らした。
「無理だよ! 勝てるもんか! 《爽原の風》がやられるんじゃ、俺たちに勝ち目なんてない! 俺は黒旗に降るぞ!」
「お、おい、待て!」
他の冒険者の制止を振り切り、その冒険者が持ち場から逃げ出す。
櫓を降り、街に向かいながら叫んでいる。
「《爽原の風》がやられたぞー! 《爽原の風》が火あぶりにされてるぞー!」
――辺境の街は、パニックに陥った。
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