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第12章・秘密は舞台
◆ 8・町の行く末 ◆
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最低すぎる……、何がって置かれた状況だ。
「それで、あんたはこの地を壊しちゃう気?」
静かな声で問えば、アレックスは頷いた。
「少数の死という代償を得て、この地は出来ていて……それはカメが選んだわけじゃないけど、食事を差し出されなければ縦横に破壊殺戮した側で、……うまみを知ってしまってる。退場願うには、実力行使しかないよ」
「でも……っ、この地のモンスターは……」
「うん。ボクはね、魔王に処理してもらうのが一番だと思ったんだ」
魔王に?
「キミとパーティーから離脱すれば、護衛を自認しているエイベルは探し回る。それなりの情報を残してカメにミスリードする予定だったから、後はカメとエイベルが」
「いやいや、あんた何考えてんの? そんなカメとエイベルがぶつかったら、どれだけの被害が」
「分かってる」
彼ははっきりと答えた。
「避けては通れない事だよ。旅行者の讒言を真摯に聞いてくれるはずもないし、そこに労力を割り当ててもボクの正体に辿り着かれれば国家間の諍いに発展する。町レベルでの話に留める為には、不条理な天災による駆除が望ましい。その意味では魔王はピッタリだよ。まさか……エイベルが寝込むとは思ってなかったからね」
表通りの喧噪は遠くに流れている。
動くなら今だろう。その思いがアレックスにも伝わったのか、彼も立ち上がる。
「チャーリー、今のうちにエイベルを救出しよう」
弟が風邪で寝込んでいる以上、先輩たちを含め捕まっている可能性はあった。だが、言葉にされると衝撃だ。魔王が人間に捕縛されているのだから――。
「それって先輩たちもよね? どこにいるか分かるの?」
「うん。むしろ……エイベルを助けに行って、忍び込もうとした所で呼び出されて……今に至るというか」
端切れの悪い言葉に遠い目になる。ルーファは未だ我関せずといった態度だ。
あたしの所為かっ?!
だけど、あそこでこいつらが現れなかったら死んでたかもだし……。
「その?、チャーリーが殺されてたら……一からやり直しになって時間を無為に過ごしたかもしれないし、良かったと思うよ」
「……気を使ってくれなくて結構……。で、アレックス。カメを殺した後はどうなるの?」
「この地は枯れるよ。一部の狂信的な人間を覗き、現実を見るしかないよ。すぐに枯れるわけじゃないから、移動の為の時間は出来る。港町までの道が不便ではあるけど、我が国も遠距離魔法陣作成の手伝いをして、いくらかはマシな道が取れると思う」
真面目にこの町の未来について語るアレックス。
流石はプリンス・オブ・コンクエストと言おう。だが、私が知りたいのは町の未来ではなく、私たち一行の動向についてだった。
とりあえず早く話、終わらないかな……。
「それで、あんたはこの地を壊しちゃう気?」
静かな声で問えば、アレックスは頷いた。
「少数の死という代償を得て、この地は出来ていて……それはカメが選んだわけじゃないけど、食事を差し出されなければ縦横に破壊殺戮した側で、……うまみを知ってしまってる。退場願うには、実力行使しかないよ」
「でも……っ、この地のモンスターは……」
「うん。ボクはね、魔王に処理してもらうのが一番だと思ったんだ」
魔王に?
「キミとパーティーから離脱すれば、護衛を自認しているエイベルは探し回る。それなりの情報を残してカメにミスリードする予定だったから、後はカメとエイベルが」
「いやいや、あんた何考えてんの? そんなカメとエイベルがぶつかったら、どれだけの被害が」
「分かってる」
彼ははっきりと答えた。
「避けては通れない事だよ。旅行者の讒言を真摯に聞いてくれるはずもないし、そこに労力を割り当ててもボクの正体に辿り着かれれば国家間の諍いに発展する。町レベルでの話に留める為には、不条理な天災による駆除が望ましい。その意味では魔王はピッタリだよ。まさか……エイベルが寝込むとは思ってなかったからね」
表通りの喧噪は遠くに流れている。
動くなら今だろう。その思いがアレックスにも伝わったのか、彼も立ち上がる。
「チャーリー、今のうちにエイベルを救出しよう」
弟が風邪で寝込んでいる以上、先輩たちを含め捕まっている可能性はあった。だが、言葉にされると衝撃だ。魔王が人間に捕縛されているのだから――。
「それって先輩たちもよね? どこにいるか分かるの?」
「うん。むしろ……エイベルを助けに行って、忍び込もうとした所で呼び出されて……今に至るというか」
端切れの悪い言葉に遠い目になる。ルーファは未だ我関せずといった態度だ。
あたしの所為かっ?!
だけど、あそこでこいつらが現れなかったら死んでたかもだし……。
「その?、チャーリーが殺されてたら……一からやり直しになって時間を無為に過ごしたかもしれないし、良かったと思うよ」
「……気を使ってくれなくて結構……。で、アレックス。カメを殺した後はどうなるの?」
「この地は枯れるよ。一部の狂信的な人間を覗き、現実を見るしかないよ。すぐに枯れるわけじゃないから、移動の為の時間は出来る。港町までの道が不便ではあるけど、我が国も遠距離魔法陣作成の手伝いをして、いくらかはマシな道が取れると思う」
真面目にこの町の未来について語るアレックス。
流石はプリンス・オブ・コンクエストと言おう。だが、私が知りたいのは町の未来ではなく、私たち一行の動向についてだった。
とりあえず早く話、終わらないかな……。
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