異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜

はくまい

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魔力土の脅威

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「ごめんなさいなの……昨日はなにがあったの?」

 奏はライアに昨日あったことを話すと、ライアはハッとしたような表情を見せた。いろんなお花を使って魔法薬を生成していたことまでは覚えていたようだが、その後のことを聞いていくと、段々表情が曇っていってしまい、完全に俯いてしまった。

「あ、いや、そんな泣かないで……」

「うぅ……ぐすっ……。た、多分、お水飲むのを、忘れちゃってたのがダメだったと思うの……」

 ライアはなんで奏がこんなに心配してるのかわかると、瞳に涙を浮かべて、シトシトと泣き出してしまった。

「大丈夫、大丈夫だから……。結果的に落ち着いたし、それにほら! ライアのおかげでいっぱい魔法薬ができたのよ! だから泣かないで……」

 奏はライアの頭を撫でながら落ち着かせようとする。小さい子が泣いた時どうしたらいいかわからない奏は、頭を撫でながら声をかけるしかできなかった。
 そういえば、世界樹に手をかざしていた時も、その後疲れていて、終わったら魔力水を飲んでた気がする。それを今回忘れてしまっていたのが原因なんだろう。
 あの手から出ているものは魔力じゃないらしいけど、無くなるのは魔力というのが不思議だ。
 魔力はドライアドにとって必要な栄養素なのかもしれない。その魔力を身体の中で吸収から別のものに変換してるような気がする。
 ライアが言うにはドライアド自体は植物なので、足りなくなった魔力量は、その量に応じて魔力土から吸収しているらしい。ただ今回は魔力土からの吸収では足りなくなり、逆に魔力土に力を吸い取られたのだそうだ。
 現状では回復したようだし、これからすぐにどうこうなるものでもないらしい。
 ライアは奏の服を掴みながら泣いていたが、しばらく経つと涙を浮かべながら奏の顔を見つめる。

「ごめんなさいなの……」

「いいの。もう気にしないで……? それよりも、本当にもうだるかったりしてないのよね?」

「うん……」

「よし! それならもうこの話はおしまい! 魔法薬もたくさんできたし、ライアも無事だしで無問題! 次からは飲み忘れないように気をつけてね?」

「うん……わかったの」

「それじゃあ朝ご飯にしよう。昨日食べてないからお腹減ったでしょ? すぐに準備するから」

 奏はライアの目元に残った涙を拭って、顔を洗っておいでと言うと、ライアは走って向かった。その間にすぐに食べられるように奏は二人分を準備していった。
 顔を洗ってスッキリしたライアを見て安心した奏は、ライアと一緒に朝食を食べる。ご飯を食べている間もライアに話しかけ続けたことで、最初の曇っていた表情はもうなく、笑顔も戻ってきていた。
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