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魔力土の脅威
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「こ、このままだとライアが消えちゃうっ!!」
奏は慌てて魔力水を樽ごと収納袋の中に入れて、ドライアドの木の前に出すと勢いよく倒した。このほうが早いし、何より緊急事態だ。
樽から溢れた魔力水はみるみるうちに地面に吸い込まれていくが、浸食はまだおさまらない。
「た、足りないの……!? もっと持ってこなきゃ……!」
奏は上位魔力水をあるだけほとんど持ち出して、色の変わっている魔力土の近くに隙間なくばら撒いていく。
そこまでやって、ようやく魔力土は浸食のスピードが遅くなっていった。周辺の地面から枯渇していたであろう魔力が、魔力水を吸収してきたことで満ちてきたようで、赤茶色の土はこれ以上広がることはなく、ゆっくりと元の色に戻っていく。
日が少し落ちてきたのもあって、少し見にくくはあるけど、最後まで様子を見ていた結果、魔力土は十分の魔力を吸収して元の土に戻ったようだった。
「落ち着いた……のかな? どうだろ……」
奏はライアのところに戻ってみる。あれだけ悪かった顔色も元に戻ったようで、今は普通に寝息を立てているように見える。
危険な状態は脱したと思いたいけど、弱々しく見えていたライアの木もすぐに回復は回復しないだろう。
だけど一旦は落ち着いたと思うので、奏はそっと胸を撫で下ろした。
「よ、よかったぁ……!」
奏は一安心して腰が抜けてしまったのか、その場にへたり込んでしまう。ライアの頭を撫でながら立てるようになるのを待って、回復してからライアを寝室へと運んだ。
一難去ったとはいえ、まだまだ問題が残っている。
ライアの容体がいったん落ち着いたようにも見えるけど、そう見えるだけで回復しているのかはまだわからない。
魔力土の暴走は落ち着いて、外を見ても赤茶色の土は無い。今はいいかもしれないけど、魔力が切れたら同じことが起こるだろう。
それに、緊急時とはいえ、魔力水をほとんど全部使ってしまった。今残っている量だけだと、明日の分の魔力水が間に合わないかもしれない。
「……よし、やらないと」
奏は腕を捲ると、魔力水を作るための鍋や魔石を準備していく。
「今日は徹夜かな? どれくらいできるかな」
そのまま奏は朝になるまで、それこそライアが起きてくるまでずっと魔力水を作り続けていった。
奏は上位魔力水を作っては樽に入れて、持ち歩いている収納袋へしまっていく。コンロも常にひがついたままの状態を保ち、魔石を削って粉末状にしていく。予め計っていた水に分量通りの魔石を混ぜて火にかけていく。前までは下位魔力水になるまでに、一日くらい置いておかないとできないと思っていたけど、早めに魔力水になるのに気づいてからは早かった。
奏は慌てて魔力水を樽ごと収納袋の中に入れて、ドライアドの木の前に出すと勢いよく倒した。このほうが早いし、何より緊急事態だ。
樽から溢れた魔力水はみるみるうちに地面に吸い込まれていくが、浸食はまだおさまらない。
「た、足りないの……!? もっと持ってこなきゃ……!」
奏は上位魔力水をあるだけほとんど持ち出して、色の変わっている魔力土の近くに隙間なくばら撒いていく。
そこまでやって、ようやく魔力土は浸食のスピードが遅くなっていった。周辺の地面から枯渇していたであろう魔力が、魔力水を吸収してきたことで満ちてきたようで、赤茶色の土はこれ以上広がることはなく、ゆっくりと元の色に戻っていく。
日が少し落ちてきたのもあって、少し見にくくはあるけど、最後まで様子を見ていた結果、魔力土は十分の魔力を吸収して元の土に戻ったようだった。
「落ち着いた……のかな? どうだろ……」
奏はライアのところに戻ってみる。あれだけ悪かった顔色も元に戻ったようで、今は普通に寝息を立てているように見える。
危険な状態は脱したと思いたいけど、弱々しく見えていたライアの木もすぐに回復は回復しないだろう。
だけど一旦は落ち着いたと思うので、奏はそっと胸を撫で下ろした。
「よ、よかったぁ……!」
奏は一安心して腰が抜けてしまったのか、その場にへたり込んでしまう。ライアの頭を撫でながら立てるようになるのを待って、回復してからライアを寝室へと運んだ。
一難去ったとはいえ、まだまだ問題が残っている。
ライアの容体がいったん落ち着いたようにも見えるけど、そう見えるだけで回復しているのかはまだわからない。
魔力土の暴走は落ち着いて、外を見ても赤茶色の土は無い。今はいいかもしれないけど、魔力が切れたら同じことが起こるだろう。
それに、緊急時とはいえ、魔力水をほとんど全部使ってしまった。今残っている量だけだと、明日の分の魔力水が間に合わないかもしれない。
「……よし、やらないと」
奏は腕を捲ると、魔力水を作るための鍋や魔石を準備していく。
「今日は徹夜かな? どれくらいできるかな」
そのまま奏は朝になるまで、それこそライアが起きてくるまでずっと魔力水を作り続けていった。
奏は上位魔力水を作っては樽に入れて、持ち歩いている収納袋へしまっていく。コンロも常にひがついたままの状態を保ち、魔石を削って粉末状にしていく。予め計っていた水に分量通りの魔石を混ぜて火にかけていく。前までは下位魔力水になるまでに、一日くらい置いておかないとできないと思っていたけど、早めに魔力水になるのに気づいてからは早かった。
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