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ライアとの日常
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ライアを置いて外に出た奏は、家の外にある植物を眺めて考える。外に植えてあるのは、家の中に置くことができなくなった野菜や果実樹ばかり。
今まで一人だったのもあり、お腹に入ればそれで良かったのだが、これからはライアもいるのでそういうわけにはいかない。
(今は足りないものも多すぎるしね……。これ以上増やすと大変かもしれないけど)
家の玄関を正面に見て、右側に畑がある今の状況を、さらに増やすためにふわふわすこっぷを片手に考える。
(桜とかりんごの木なんかはもう移動させてあげることはできないわよね……大きすぎるし、何より私一人じゃ到底無理だもの)
奏はふわふわすこっぷを使って、今ある畑の周りにまた穴を掘っていく。果実樹と桜や紅葉のような木は一列で並んでいて、裏側はまだ手をつけていないのでそこを中心に手を動かしていった。
今育てている野菜は十分の量があるとはいえ、まだまだ足りない物が多くあった。
まず足りないのは調味料各種だ。砂糖も塩も胡椒も実はまだなかったりする。大豆は手元にあるけど、醤油も味噌も奏の知識では作ることができないし、叡智の書で調べることはできるけど、今の設備では作れそうにもなかった。
調味料があれば今よりももっと美味しいご飯を作れそうだし、何よりライアも喜んでくれるかもしれない。
油は無くても、ここのフライパンで焼くとくっつくことはないので、野菜やお肉は焼くことができる。ただ、揚げ物といった油を多く使う料理は今はできない。
お魚も久しぶりに食べたいけど、流石に種を作って作ろうとは思えなかった。お肉の時とは違い、全然想像できなかったのも要因だと思う。
奏は木々が植えられている範囲まで穴を掘ると、一度家に戻った。
家の中に戻ると、ライアは万能鉢の前で眠ってしまっていた。ライアの周りには魔力水の入ったコップが空の状態で置いてあった。周囲の万能鉢の土が湿っているから、全部の万能鉢に水をあげてくれたようだ。
ライアの可愛い寝顔は花びらに隠れて見えないが、微かに寝息が聞こえてくる。
奏はライアを起こさないように種子の宝箱と魔石、万能鉢を必要数準備して、今度はこっそり外に出た。
「えっと、まずは……」
砂糖や塩は生成するのにどうやっても時間がかかるけど、胡椒は実を乾燥させれば完成できるらしい。それから油の原料として、胡麻とオリーブは欠かせないだろう。
奏が掘ったエリアは魔力土になっていなかったので、万能鉢に種を入れてから穴の中に埋めていかないといけない。
胡椒と胡麻とオリーブは元の世界にもあるものだからいいとして、砂糖と塩はそういうわけにはいかない。
砂糖はサトウキビや甜菜で作れることは知っているが、生成するとなると簡単ではない。叡智の書で確認してみると石灰や炭酸ガスなど、他にも多種多様な要素が必要で、今の環境では作れそうになかった。
塩にしても同じで、海水や岩塩があれば簡単だったと思うが、ここは森の中。塩もすぐにどうこうできるものではなかった。
「砂糖や塩は種子の宝箱で造るしかないよね」
奏は種子の宝箱を使って、胡椒や胡麻やオリーブの種を生み出した後、砂糖と塩の新しい種を創造した。
万能鉢に掘り返した土を入れ、新しい種を中に植える。そのまま土の中に植えて、さらに上から土を被す。胡麻やオリーブはすぐに芽を出して成長していくが、砂糖や塩の種はもう少し時間がかかりそうだった。
「後は魔力水をかけてあげて……様子見かな?」
油や調味料は多く使う可能性があるから多めに植えておいて、奏は家に帰っていった。
今まで一人だったのもあり、お腹に入ればそれで良かったのだが、これからはライアもいるのでそういうわけにはいかない。
(今は足りないものも多すぎるしね……。これ以上増やすと大変かもしれないけど)
家の玄関を正面に見て、右側に畑がある今の状況を、さらに増やすためにふわふわすこっぷを片手に考える。
(桜とかりんごの木なんかはもう移動させてあげることはできないわよね……大きすぎるし、何より私一人じゃ到底無理だもの)
奏はふわふわすこっぷを使って、今ある畑の周りにまた穴を掘っていく。果実樹と桜や紅葉のような木は一列で並んでいて、裏側はまだ手をつけていないのでそこを中心に手を動かしていった。
今育てている野菜は十分の量があるとはいえ、まだまだ足りない物が多くあった。
まず足りないのは調味料各種だ。砂糖も塩も胡椒も実はまだなかったりする。大豆は手元にあるけど、醤油も味噌も奏の知識では作ることができないし、叡智の書で調べることはできるけど、今の設備では作れそうにもなかった。
調味料があれば今よりももっと美味しいご飯を作れそうだし、何よりライアも喜んでくれるかもしれない。
油は無くても、ここのフライパンで焼くとくっつくことはないので、野菜やお肉は焼くことができる。ただ、揚げ物といった油を多く使う料理は今はできない。
お魚も久しぶりに食べたいけど、流石に種を作って作ろうとは思えなかった。お肉の時とは違い、全然想像できなかったのも要因だと思う。
奏は木々が植えられている範囲まで穴を掘ると、一度家に戻った。
家の中に戻ると、ライアは万能鉢の前で眠ってしまっていた。ライアの周りには魔力水の入ったコップが空の状態で置いてあった。周囲の万能鉢の土が湿っているから、全部の万能鉢に水をあげてくれたようだ。
ライアの可愛い寝顔は花びらに隠れて見えないが、微かに寝息が聞こえてくる。
奏はライアを起こさないように種子の宝箱と魔石、万能鉢を必要数準備して、今度はこっそり外に出た。
「えっと、まずは……」
砂糖や塩は生成するのにどうやっても時間がかかるけど、胡椒は実を乾燥させれば完成できるらしい。それから油の原料として、胡麻とオリーブは欠かせないだろう。
奏が掘ったエリアは魔力土になっていなかったので、万能鉢に種を入れてから穴の中に埋めていかないといけない。
胡椒と胡麻とオリーブは元の世界にもあるものだからいいとして、砂糖と塩はそういうわけにはいかない。
砂糖はサトウキビや甜菜で作れることは知っているが、生成するとなると簡単ではない。叡智の書で確認してみると石灰や炭酸ガスなど、他にも多種多様な要素が必要で、今の環境では作れそうになかった。
塩にしても同じで、海水や岩塩があれば簡単だったと思うが、ここは森の中。塩もすぐにどうこうできるものではなかった。
「砂糖や塩は種子の宝箱で造るしかないよね」
奏は種子の宝箱を使って、胡椒や胡麻やオリーブの種を生み出した後、砂糖と塩の新しい種を創造した。
万能鉢に掘り返した土を入れ、新しい種を中に植える。そのまま土の中に植えて、さらに上から土を被す。胡麻やオリーブはすぐに芽を出して成長していくが、砂糖や塩の種はもう少し時間がかかりそうだった。
「後は魔力水をかけてあげて……様子見かな?」
油や調味料は多く使う可能性があるから多めに植えておいて、奏は家に帰っていった。
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