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アフィラーディ王国
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朝に村を出てからずっと上空を飛び続け、日が暮れる頃には飛行している先でみたことのある王国の姿が確認できた。途中、鳥形の魔物が視界の先に見えたが、無駄な戦闘を避けながら進み続けた。
王国周囲にも、先ほどの村と同じような場所が大小点在している。真っ直ぐ目的地である王国まで向かっている為、道中にある町には寄らずに進んだとはいえ、魔物を避けながら進んだため少し目標到着時間が遅くなってしまった。
帰りは空を飛んで比較的安全に帰ることができているが、幻惑の森を目指していた時はむしろ陸路でないと到達できなかったから、帰りが楽になるのはありがたかった。
「……そろそろですね」
ファルマーは王国の城門近くに来ると、ゆっくりと高度を落として降りていった。このまま空を飛んだまま入国できれば楽ではあるのだが、基本的に空を飛んだまま町や国に入ることは禁じられている。もしそれをすれば城壁の上で待機している守備隊によって撃ち落とされてしまうからだ。飛行魔法を教えられる時に何度も言われたことだった。そのため、王国前でも杖から降りる必要があった。
城門の前はいつものように、人の行き来が盛んだ。もう日も落ちようとしているので王国から出る人よりも入る人の方が多かった。
その中には冒険者のように剣や弓を持っている集団もいれば、馬車を引いている行商人の一行もおとなしく並んでいた。入国の手続きが必要であるためここで暴れるような人はいない。
ファルマーは地面に降りると並んでいる列とは別の、少し離れたところにある門へと向かった。
この門の前には誰も並んでいない。いるのは門を守る守備隊の人達が数人いるだけ。
少し離れた先にある門は、騎士団や魔術省など、王国に所属している者だけが使用することを許されている場所で、混雑している正門とは別に入ることができるようになっていた。
「……所属と証を」
「王国魔術省所属のファルマーです。こちらを……」
ファルマーは懐から、村で見せたものと同じプレートを提示した。
ファルマーのプレートを確認した門兵は、そこに刻まれた名前を確認すると、門兵は横にずれて門を開けてくれる。
ファルマーはフードをしっかりと被り直して王国の中へと入っていった。
「……おい、さっきのって」
「ほっとけ……。関わらない方がいい」
ファルマーが通った後、門兵は小声で話す。深くフードを被るが、その隙間から見えた赤い瞳に白い髪……王国の魔術省に所属していることは有名だったのだが、見たのは初めてだった。
門兵の二人は門を通った少女を横目に見つつ、それ以上話題に出すことはなかった。
王国周囲にも、先ほどの村と同じような場所が大小点在している。真っ直ぐ目的地である王国まで向かっている為、道中にある町には寄らずに進んだとはいえ、魔物を避けながら進んだため少し目標到着時間が遅くなってしまった。
帰りは空を飛んで比較的安全に帰ることができているが、幻惑の森を目指していた時はむしろ陸路でないと到達できなかったから、帰りが楽になるのはありがたかった。
「……そろそろですね」
ファルマーは王国の城門近くに来ると、ゆっくりと高度を落として降りていった。このまま空を飛んだまま入国できれば楽ではあるのだが、基本的に空を飛んだまま町や国に入ることは禁じられている。もしそれをすれば城壁の上で待機している守備隊によって撃ち落とされてしまうからだ。飛行魔法を教えられる時に何度も言われたことだった。そのため、王国前でも杖から降りる必要があった。
城門の前はいつものように、人の行き来が盛んだ。もう日も落ちようとしているので王国から出る人よりも入る人の方が多かった。
その中には冒険者のように剣や弓を持っている集団もいれば、馬車を引いている行商人の一行もおとなしく並んでいた。入国の手続きが必要であるためここで暴れるような人はいない。
ファルマーは地面に降りると並んでいる列とは別の、少し離れたところにある門へと向かった。
この門の前には誰も並んでいない。いるのは門を守る守備隊の人達が数人いるだけ。
少し離れた先にある門は、騎士団や魔術省など、王国に所属している者だけが使用することを許されている場所で、混雑している正門とは別に入ることができるようになっていた。
「……所属と証を」
「王国魔術省所属のファルマーです。こちらを……」
ファルマーは懐から、村で見せたものと同じプレートを提示した。
ファルマーのプレートを確認した門兵は、そこに刻まれた名前を確認すると、門兵は横にずれて門を開けてくれる。
ファルマーはフードをしっかりと被り直して王国の中へと入っていった。
「……おい、さっきのって」
「ほっとけ……。関わらない方がいい」
ファルマーが通った後、門兵は小声で話す。深くフードを被るが、その隙間から見えた赤い瞳に白い髪……王国の魔術省に所属していることは有名だったのだが、見たのは初めてだった。
門兵の二人は門を通った少女を横目に見つつ、それ以上話題に出すことはなかった。
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