異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜

はくまい

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■■■■■・■■■■■■■■が残したもの

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【不思議な魔法薬ポーション
 擦り傷、火傷等を癒し、流血を防ぐ効果がある。失った血液は戻らないので注意が必要。アロエと魔力水を混合することで完成する。酷く苦い。

「で……できてる~!!」

 等級は違うのだがそこには出来ないと思われていた魔法薬があった。精製に成功した奏は、すぐに魔法薬を瓶へと移した。記念すべき一本目の完成に驚喜んだ奏は、小さくガッツポーズをしてしまう。
 誰にも見られるわけではないのだが、一人でガッツポーズをとっていたことに気がつくと、何事もなかったかのように咳払いしつつ、瓶に移した魔法薬を手に眺める。

「まさか最初の一回でできるなんて思わなかったけど……。とりあえず試作品ができてよかったぁ。これは記念に残しておくとして、明日からまた分量とか色々変えてみよう……!」
 
 まだ魔力水にはなっていないが、魔力水になる水も樽で準備してある。もしかしたら足りなくなるかもしれないので魔石を削る作業を増やさないといけない。
 アロエの鉢も増やす必要があるかもしれない。奏の生活リズムに魔法薬作りが追加されることになった。
 作っても奏が怪我をした時に使うか、ファルマーのように誰かが来た時にしか使うことはないと思うが、他のお花や葉っぱを使えば色々な薬品を作ることができそうだし、何より楽しそうだ。
 
(魔力水に薔薇のお花とか入れてみたら別の性能に変わったりするんだろうか……?)

 奏の収納袋の中には、採集した花びらを種類ごとにまとめた瓶詰めが入っている。瓶には名前を書いてなんの花びらなのかわかるようにしてある。瓶の蓋を開けると、その花特有の香りが漂ってくる。ドライフラワーのように乾燥させたいものもあるが、今はまだ手を伸ばしていない。
 ひとまず今日の目標は達成したので奏は作業を終わらせることにして、また後日にすることにした。

「……そういえばどんな味がするんだろう」

 叡智の書にはとても苦いと書いてあるので無理に飲まなくても良いのだが、気になった奏は怪我しているわけではないが、好奇心に負けて出来上がったポーションを少し舐めてみることにした。

「……~~~~~ッ!!??」

 奏は声にならない悲鳴を上げながら、まだ入っているポーションをテーブルに戻し急いでキッチンへと向かい、口の中を洗い流した。
 そして二度と奏はこのポーションを飲むことはなかった。
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