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■■■■■・■■■■■■■■が残したもの
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余っていた粉末の量に合わせて水を注いて、合わせて二樽分の試作品の準備ができた。
この樽の分はまた明日にならないと魔力水にはならないと思うけど、これで不安だった魔力水が完成することができそう。
まだ完成していない分はこのまま放置しておいて、魔力水に変わるのを待つことにする。
今手元に残っているのは魔力水に唯一変わったビーカーのみ。奏はこの魔力水を使って早速魔法薬を生成してみようと準備を始めた。
ファルマーから貰った魔法薬を取り出す。【中級治癒魔法薬】と【中級魔力魔法薬】は濃い青色と緑色をしているが、今の魔力水は無色透明な状態なので、おそらく薬草本来の色が関係しているのだと思う。
魔法薬は薬草を煎じて魔力水と混ぜて煮込めば完成すると【叡智の書】には書いてある。奏は小さな鍋を取り出し魔力水を移していく。
「薬草ってどうしようかな……。今あるもので使えそうなのは……」
お花の様子を見に部屋まで移動し、叡智の書を見比べながら魔法薬に使用できそうなものを選ぶ。お花の種類によってはファルマーにもらったもの以外にも生成することができそうではあるが、まずは治癒の魔法薬が作れそうなものを見繕う。
数多くの種類のお花が咲いている中、奏が調合に使えそうなものにアロエを選んだのだった。
(日本にいた時もアロエは切り傷や火傷に効果があるって言われていたし、叡智の書でも魔法薬の材料になるって書いてあるもんね……)
何よりも良いのはその肉厚な葉っぱが何枚もあるところ。アロエは奏の中ではどちらかというと花よりも葉っぱの方に効果があると思っている。花の方もいずれ魔法薬の材料などにはしてみようと思うのだが、今日のところは葉っぱの部分を使うことにした。
奏はキッチンから包丁を一本取り出し、分厚い葉っぱを丁寧に切る。
万能鉢で育てているので葉っぱ自体はそれほど大きくはないのだが、手に持っただけでもなかなかの重量があった。
切り取った葉っぱを小さなまな板の上で硬い皮の部分を取り除くと、溶けやすいように小さく刻む。魔力水の入った鍋の中に小さくカットしたアロエを半分くらい投入して火にかけて温めていく。
魔力水と混ざったアロエは程なくしてすぐに溶けていき、元あった形がなくなっていく。
「これでできるかな~? もしできたらいろんなお花でも試してみたいな~」
全体に馴染むように鍋の中をゆっくりと混ぜていく。水面がふつふつとし出したら火を止めてコンロから下ろす。なんとなく火の入れすぎは良くないかなと思ったからである。
「……もし出来なかったらアロエを乾燥させたり、皮ごと入れたりしてためさないとよね」
今はそのまま小さくしたものを魔力水に入れて混ぜているが、多くの漢方薬は乾燥させて使用するものも多い。
アロエはそのまま生の状態で塗ったり、少し火を入れて調理することが多い植物ではあるが、この世界ではどう作用するのかまだわからない。
一旦鍋を放置することにして、奏は自然に冷めるまで待っている間に、ファルマーが来ていた時に考えていた植物を育てるための準備を始める。
お茶を作ってみるために緑茶について考える。緑茶は葉っぱを収穫して乾燥させることで作ることができるらしい。乾燥の具合や発酵によってまた違う味になるらしいのだが、流石にそこまでは手を加えられないかもしれない。麦茶ができるかもしれないので麦も準備する。たくさん育てられたらパンも作れるようになるかもしれない。
奏は【種子の宝箱】から緑茶になる植物の種と、麦の種をいくつも想像し【万能鉢】へと移していく。
植えたものは置き場を作りそこに置いていき、置けないものは床にも置いていく。
そうこうしているうちに鍋の中は冷えたようで、無色透明だった魔力水の色もほんのりと青色に変化していた。
出来上がった物を【叡智の書】で確認してみると……。
この樽の分はまた明日にならないと魔力水にはならないと思うけど、これで不安だった魔力水が完成することができそう。
まだ完成していない分はこのまま放置しておいて、魔力水に変わるのを待つことにする。
今手元に残っているのは魔力水に唯一変わったビーカーのみ。奏はこの魔力水を使って早速魔法薬を生成してみようと準備を始めた。
ファルマーから貰った魔法薬を取り出す。【中級治癒魔法薬】と【中級魔力魔法薬】は濃い青色と緑色をしているが、今の魔力水は無色透明な状態なので、おそらく薬草本来の色が関係しているのだと思う。
魔法薬は薬草を煎じて魔力水と混ぜて煮込めば完成すると【叡智の書】には書いてある。奏は小さな鍋を取り出し魔力水を移していく。
「薬草ってどうしようかな……。今あるもので使えそうなのは……」
お花の様子を見に部屋まで移動し、叡智の書を見比べながら魔法薬に使用できそうなものを選ぶ。お花の種類によってはファルマーにもらったもの以外にも生成することができそうではあるが、まずは治癒の魔法薬が作れそうなものを見繕う。
数多くの種類のお花が咲いている中、奏が調合に使えそうなものにアロエを選んだのだった。
(日本にいた時もアロエは切り傷や火傷に効果があるって言われていたし、叡智の書でも魔法薬の材料になるって書いてあるもんね……)
何よりも良いのはその肉厚な葉っぱが何枚もあるところ。アロエは奏の中ではどちらかというと花よりも葉っぱの方に効果があると思っている。花の方もいずれ魔法薬の材料などにはしてみようと思うのだが、今日のところは葉っぱの部分を使うことにした。
奏はキッチンから包丁を一本取り出し、分厚い葉っぱを丁寧に切る。
万能鉢で育てているので葉っぱ自体はそれほど大きくはないのだが、手に持っただけでもなかなかの重量があった。
切り取った葉っぱを小さなまな板の上で硬い皮の部分を取り除くと、溶けやすいように小さく刻む。魔力水の入った鍋の中に小さくカットしたアロエを半分くらい投入して火にかけて温めていく。
魔力水と混ざったアロエは程なくしてすぐに溶けていき、元あった形がなくなっていく。
「これでできるかな~? もしできたらいろんなお花でも試してみたいな~」
全体に馴染むように鍋の中をゆっくりと混ぜていく。水面がふつふつとし出したら火を止めてコンロから下ろす。なんとなく火の入れすぎは良くないかなと思ったからである。
「……もし出来なかったらアロエを乾燥させたり、皮ごと入れたりしてためさないとよね」
今はそのまま小さくしたものを魔力水に入れて混ぜているが、多くの漢方薬は乾燥させて使用するものも多い。
アロエはそのまま生の状態で塗ったり、少し火を入れて調理することが多い植物ではあるが、この世界ではどう作用するのかまだわからない。
一旦鍋を放置することにして、奏は自然に冷めるまで待っている間に、ファルマーが来ていた時に考えていた植物を育てるための準備を始める。
お茶を作ってみるために緑茶について考える。緑茶は葉っぱを収穫して乾燥させることで作ることができるらしい。乾燥の具合や発酵によってまた違う味になるらしいのだが、流石にそこまでは手を加えられないかもしれない。麦茶ができるかもしれないので麦も準備する。たくさん育てられたらパンも作れるようになるかもしれない。
奏は【種子の宝箱】から緑茶になる植物の種と、麦の種をいくつも想像し【万能鉢】へと移していく。
植えたものは置き場を作りそこに置いていき、置けないものは床にも置いていく。
そうこうしているうちに鍋の中は冷えたようで、無色透明だった魔力水の色もほんのりと青色に変化していた。
出来上がった物を【叡智の書】で確認してみると……。
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