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植物の精霊
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「なんて不思議なところなの……。見たことのない花たちが咲いてるの……それもこんなにたくさん」
ドライアドは四季折々のお花が咲いている空間を見て、感嘆のため息をこぼした。
「ぜんぶ見せてくれるの……?」
「ぜ、全部!? い、いいけど……」
部屋の中には数十種以上のお花が咲いている。全部を見せると結構な時間がかかってしまうが、ドライアドのキラキラした瞳で見つめられると断ることができなかった。
鉢を持って移動するのは奏の筋力的にもたなかったので、ドライアドの前にどんどんいろんな花を置いていく。その際に、万能鉢から魔石がなくなっていないかの確認もしていった。
「すごいの……見たことも嗅いだこともない香りのお花がいっぱいなの……! それに、同じ花びらの形をしてるのに、いろんな色の種類があるの……! あ、あのお花、とってもいい香りがするの……! もっと近くで見せて?」
ドライアドは自分の花びらをペチペチと催促する様に叩く。動作の一つ一つが可愛らしいのは別にいいのだが、生まれて早々別のお花に興味を持つのはどうなんだろう? こういうものなのだろうか?
それからも奏は部屋の中にあるお花をドライアドの前に並べていく。ガーベラ、ヒマワリ、コスモス、スイセンなど、季節感が全くないのが問題だけど、ドライアドは楽しんで見てくれているようだった。
(後で季節ごとに並べ替えようかな……)
見たことのないお花が多いため、ドライアドは興味津々で、何のお花か質問してくる。奏はそのたびに答えていった。覚えていないお花は叡智の書を確認しながら説明する。
この部屋を誰かと一緒に見るのは久しぶりで、奏はいつもよりも楽しく会話を続けていた。
(と言っても、人ではなくて精霊なんだけどね……)
すぐ近くの棚からお花を選んで見ていった二人だったのだが、奏が鉢を元の場所に戻していると、ドライアドからの反応が薄くなった気がした。
「どうしたの?」
心配になって聞いてみる。やっぱりさっきの時よりもテンションが低い。
「……ちょっとお腹減ったかも」
奏はドライアドの身体を傷つけないように、慎重に底の方を除いてみると、魔石がなくなっているのに気づいた。お花を見せるのに夢中になっていたので、魔力水と魔石を忘れていたのだ。
「ご、ごめんね! すぐに準備するから!」
魔石はどの部屋にも予備が数個置いてある。すぐに魔石を万能鉢へとはめて、リビングへと戻った。
ドライアドは四季折々のお花が咲いている空間を見て、感嘆のため息をこぼした。
「ぜんぶ見せてくれるの……?」
「ぜ、全部!? い、いいけど……」
部屋の中には数十種以上のお花が咲いている。全部を見せると結構な時間がかかってしまうが、ドライアドのキラキラした瞳で見つめられると断ることができなかった。
鉢を持って移動するのは奏の筋力的にもたなかったので、ドライアドの前にどんどんいろんな花を置いていく。その際に、万能鉢から魔石がなくなっていないかの確認もしていった。
「すごいの……見たことも嗅いだこともない香りのお花がいっぱいなの……! それに、同じ花びらの形をしてるのに、いろんな色の種類があるの……! あ、あのお花、とってもいい香りがするの……! もっと近くで見せて?」
ドライアドは自分の花びらをペチペチと催促する様に叩く。動作の一つ一つが可愛らしいのは別にいいのだが、生まれて早々別のお花に興味を持つのはどうなんだろう? こういうものなのだろうか?
それからも奏は部屋の中にあるお花をドライアドの前に並べていく。ガーベラ、ヒマワリ、コスモス、スイセンなど、季節感が全くないのが問題だけど、ドライアドは楽しんで見てくれているようだった。
(後で季節ごとに並べ替えようかな……)
見たことのないお花が多いため、ドライアドは興味津々で、何のお花か質問してくる。奏はそのたびに答えていった。覚えていないお花は叡智の書を確認しながら説明する。
この部屋を誰かと一緒に見るのは久しぶりで、奏はいつもよりも楽しく会話を続けていた。
(と言っても、人ではなくて精霊なんだけどね……)
すぐ近くの棚からお花を選んで見ていった二人だったのだが、奏が鉢を元の場所に戻していると、ドライアドからの反応が薄くなった気がした。
「どうしたの?」
心配になって聞いてみる。やっぱりさっきの時よりもテンションが低い。
「……ちょっとお腹減ったかも」
奏はドライアドの身体を傷つけないように、慎重に底の方を除いてみると、魔石がなくなっているのに気づいた。お花を見せるのに夢中になっていたので、魔力水と魔石を忘れていたのだ。
「ご、ごめんね! すぐに準備するから!」
魔石はどの部屋にも予備が数個置いてある。すぐに魔石を万能鉢へとはめて、リビングへと戻った。
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