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深海の魔女
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一息入れてからマンチは立ち上がると、収納袋から木で出来た桶を取り出すと鎧の横に置く。他の三人も鎧に限らず汚れた短剣や装備品を並べていく。
「それじゃあいきますよ? ……『水流』」
マンチが杖を外した鎧の方に構える。そして何かを呟いたと思ったら杖の先から水の塊が現れ、流れるようにして鎧を洗っていく。鎧についた血や泥は多少あとは残ってしまうが、大きな汚れは簡単に落ちていった。
(はっ!? あれが魔法!? 何もないところから水が出てきた!!)
魔法を初めて見た奏は驚いていたが、彼女たちからしたら当然のことなのでそんな奏を不思議に思いつつ、先にやることを済ませることにした。
「いやぁ助かるぜマンチ」
「……ありがと」
リータとガルマは鎧やローブに残った汚れを磨くと、その水でついでに手や顔を洗う。樽の中に水が溜まるとマンチは水を出すのをやめて、その水で顔を拭いた。エルレインも顔に張り付いた髪と汗が気になるようで、視線は奏の育てている植物の方に向いているはいるけれど、しっかりと汗を拭き取っていた。
彼女たちが装備品を洗っている間、奏は一度家に帰るとすぐに食べられそうなものと、飲み物を準備して戻る。すぐに食べられそうなものは、最近収穫したばかりの果物。かごいっぱいに詰め込んで、落とさないようにして持っていった。
「あの……これ良かったら食べてください」
「ありがとうございます! ……て、こら! ガルマっ!」
マンチがガルマを嗜める。ガルマは持ってきた果物に顔を近づけるとクンクンと嗅いで、奏はかごを持ったまま動けなくなってしまった。どうやらマンチがお姉さんポジションで、みんなのまとめ役なのだろう。
「えーっと……?」
「……良き香り……すっごく甘そう」
ガルマはかごの中からりんごを選ぶと、皮ごと頬張った。ガルマの口から心地良い咀嚼音と、果汁が溢れてくる。すぐに丸々一個食べたガルマは、りんごの他にもみかんとかバナナをかごから取ると、リータやエルレインに渡しに行ってしまった。
「もう……ありがとうございます」
怪我の治療、装備の洗浄も終わらせた彼女たちは、持ってきた果物を食べながら奏に感謝を述べていった。
「……ッ! うっま! 何これ!!」
「瑞々しくて、一口入れただけで口の中に美味しさが広がります……!」
「……シャクシャクシャクシャク」
「本当に美味しい……! これ全部、カナデさんが育てられたんですか? 見たことないものばかりです……」
「そうですよ。お口にあって何よりです。まだまだありますから、ゆっくり食べてくださいね」
ガルマとリータは持ってきた果物を全て食べてしまいそうな勢いだったのだが、まだあるとわかると気持ちペースが落ちたように感じた。
(良かった~! 思ったよりも好評そうで……)
似たような果物があるのか、バナナやみかんは綺麗に皮を剥いて、彼女達はしばらく夢中で食べていた。
「それじゃあいきますよ? ……『水流』」
マンチが杖を外した鎧の方に構える。そして何かを呟いたと思ったら杖の先から水の塊が現れ、流れるようにして鎧を洗っていく。鎧についた血や泥は多少あとは残ってしまうが、大きな汚れは簡単に落ちていった。
(はっ!? あれが魔法!? 何もないところから水が出てきた!!)
魔法を初めて見た奏は驚いていたが、彼女たちからしたら当然のことなのでそんな奏を不思議に思いつつ、先にやることを済ませることにした。
「いやぁ助かるぜマンチ」
「……ありがと」
リータとガルマは鎧やローブに残った汚れを磨くと、その水でついでに手や顔を洗う。樽の中に水が溜まるとマンチは水を出すのをやめて、その水で顔を拭いた。エルレインも顔に張り付いた髪と汗が気になるようで、視線は奏の育てている植物の方に向いているはいるけれど、しっかりと汗を拭き取っていた。
彼女たちが装備品を洗っている間、奏は一度家に帰るとすぐに食べられそうなものと、飲み物を準備して戻る。すぐに食べられそうなものは、最近収穫したばかりの果物。かごいっぱいに詰め込んで、落とさないようにして持っていった。
「あの……これ良かったら食べてください」
「ありがとうございます! ……て、こら! ガルマっ!」
マンチがガルマを嗜める。ガルマは持ってきた果物に顔を近づけるとクンクンと嗅いで、奏はかごを持ったまま動けなくなってしまった。どうやらマンチがお姉さんポジションで、みんなのまとめ役なのだろう。
「えーっと……?」
「……良き香り……すっごく甘そう」
ガルマはかごの中からりんごを選ぶと、皮ごと頬張った。ガルマの口から心地良い咀嚼音と、果汁が溢れてくる。すぐに丸々一個食べたガルマは、りんごの他にもみかんとかバナナをかごから取ると、リータやエルレインに渡しに行ってしまった。
「もう……ありがとうございます」
怪我の治療、装備の洗浄も終わらせた彼女たちは、持ってきた果物を食べながら奏に感謝を述べていった。
「……ッ! うっま! 何これ!!」
「瑞々しくて、一口入れただけで口の中に美味しさが広がります……!」
「……シャクシャクシャクシャク」
「本当に美味しい……! これ全部、カナデさんが育てられたんですか? 見たことないものばかりです……」
「そうですよ。お口にあって何よりです。まだまだありますから、ゆっくり食べてくださいね」
ガルマとリータは持ってきた果物を全て食べてしまいそうな勢いだったのだが、まだあるとわかると気持ちペースが落ちたように感じた。
(良かった~! 思ったよりも好評そうで……)
似たような果物があるのか、バナナやみかんは綺麗に皮を剥いて、彼女達はしばらく夢中で食べていた。
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