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深海の魔女
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「悪いな、急に押しかけちまって」
「いえ、それはいいんです。緊急事態だったんですから……」
奏は一瞬家に上げることも考えたのだが、ファルマーの時とは違い部屋の中には見られたら困りそうなものが点在しすぎている。それに、彼女たちも特に気にした様子はなかったのでこの場で話を続けることにした。
「改めてまして、私は『烈風』というパーティのヒーラーをしています、マンチと言います。今回は助かりました」
「同じく『烈風』のリータだ。パーティのリーダーをしている」
「……ガルマ」
「エルレインと申します。助けていただきありがとうございます」
「あ、えっと……私は奏と言います。みなさん大事なさそうで安心しました。……それで、一体何があったんですか?」
リーダーを務めているリータは大剣を持った女性で、身長は奏でよりも高い。筋肉質な身体を守る防具のようなものは一応着ているようなのだが、急所しか守れていないような、言うなればビキニアーマーのようなものを装備している。
言葉数が少ないガルマという子は、リータとは打って変わって完全武装している。フルプレートアーマーっていうのだろうか、大きな盾は何度も打ち付けられてしまってボロボロになってしまっている。兜を外していないので顔は見えにくいけれど、女の子のような通る声をしていた。
ヒーラーをしているマンチという子は、まだ幼い少女だった。背は低いけど、ファルマーと同じように大きな杖を持っている。ローブも至る所が破けてしまっているが、この中では一番の軽傷だったようだ。
最後に丁寧な言葉遣いをするのはエルレインという、弓を持つ髪の長い女性だ。背も高く、リータと同じくらいありそう。エルレインは奏の方を見ているようだったのだが、庭に生えている植物類が珍しいのか、ちらちらと視線が泳いでいた。腰には白い花と青い花が何本か刺してあった。見慣れない花で、この世界で生息しているものを見たのは初めてだ。彼女は青い花だけ抜くと、布に包んで懐にしまった。
マンチの話によると、どうやらこの『烈風』というパーティは冒険者の集まりらしく、魔物の討伐をしている時に誤って幻惑の森に入り込んでしまったらしい。次々に襲いかかってくる魔物の相手をしながら移動していき、奏の住む家を見つけたという。
「それにしてもやばかったな~……」
「今回ばかりは死ぬかと思いましたね」
「あそこでリータが突っ込むから……」
「ば、だってしょうがねぇだろ! 首を刎ねるチャンスだったんだから!」
四人は四人で今回の反省会(?)のようなものをしている。鎧や武器についている汚れや凹みを見ていると、至る所に血が付着していた。
(大変な目にあったのはわかるけど……思ったよりも平気そうなのかな?)
「すみませんが……お庭を少しお借りしてもいいですか? せめて汚れだけでも落としたいので……」
「あ、はい。どうぞ……」
そういうと彼女たちは、身につけていた鎧やローブを身体から外すと、力が抜けたようで地面に座り込んだのだった。
「いえ、それはいいんです。緊急事態だったんですから……」
奏は一瞬家に上げることも考えたのだが、ファルマーの時とは違い部屋の中には見られたら困りそうなものが点在しすぎている。それに、彼女たちも特に気にした様子はなかったのでこの場で話を続けることにした。
「改めてまして、私は『烈風』というパーティのヒーラーをしています、マンチと言います。今回は助かりました」
「同じく『烈風』のリータだ。パーティのリーダーをしている」
「……ガルマ」
「エルレインと申します。助けていただきありがとうございます」
「あ、えっと……私は奏と言います。みなさん大事なさそうで安心しました。……それで、一体何があったんですか?」
リーダーを務めているリータは大剣を持った女性で、身長は奏でよりも高い。筋肉質な身体を守る防具のようなものは一応着ているようなのだが、急所しか守れていないような、言うなればビキニアーマーのようなものを装備している。
言葉数が少ないガルマという子は、リータとは打って変わって完全武装している。フルプレートアーマーっていうのだろうか、大きな盾は何度も打ち付けられてしまってボロボロになってしまっている。兜を外していないので顔は見えにくいけれど、女の子のような通る声をしていた。
ヒーラーをしているマンチという子は、まだ幼い少女だった。背は低いけど、ファルマーと同じように大きな杖を持っている。ローブも至る所が破けてしまっているが、この中では一番の軽傷だったようだ。
最後に丁寧な言葉遣いをするのはエルレインという、弓を持つ髪の長い女性だ。背も高く、リータと同じくらいありそう。エルレインは奏の方を見ているようだったのだが、庭に生えている植物類が珍しいのか、ちらちらと視線が泳いでいた。腰には白い花と青い花が何本か刺してあった。見慣れない花で、この世界で生息しているものを見たのは初めてだ。彼女は青い花だけ抜くと、布に包んで懐にしまった。
マンチの話によると、どうやらこの『烈風』というパーティは冒険者の集まりらしく、魔物の討伐をしている時に誤って幻惑の森に入り込んでしまったらしい。次々に襲いかかってくる魔物の相手をしながら移動していき、奏の住む家を見つけたという。
「それにしてもやばかったな~……」
「今回ばかりは死ぬかと思いましたね」
「あそこでリータが突っ込むから……」
「ば、だってしょうがねぇだろ! 首を刎ねるチャンスだったんだから!」
四人は四人で今回の反省会(?)のようなものをしている。鎧や武器についている汚れや凹みを見ていると、至る所に血が付着していた。
(大変な目にあったのはわかるけど……思ったよりも平気そうなのかな?)
「すみませんが……お庭を少しお借りしてもいいですか? せめて汚れだけでも落としたいので……」
「あ、はい。どうぞ……」
そういうと彼女たちは、身につけていた鎧やローブを身体から外すと、力が抜けたようで地面に座り込んだのだった。
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