異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど!〜

はくまい

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魔法薬の調合

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(もしかしたら量が足りないのかな? もっと育てた方がいいのかも……?)

 そう考えた奏は家の外にも植物を育てることを決めた。
 幸い、家と柵の間には広い空間が広がっていて、何かを育てるのに十分なスペースがある。家の見た目は最初に見た時から変わって大きくなっていた
けど、室内の空間は最初に入った時と変化はない。
 すでに部屋いっぱいの【万能鉢】が置かれているので、これ以上増やそうとするともうスペースがない。
 家の外……柵の内側が安全であることは、ファルマーが来てくれた時に判明しているけど、問題は外の土地でちゃんと植物が育つのかどうか……。

(どうしようかな……ひとまず万能鉢ごと外の土に埋めてみよう。植え替えの手間も省けるし、すぐ枯れることはないはずだし……。それに万能鉢は使用期限になると土になっちゃうから丁度いいかも)

 そう判断した奏は、土を回収する時に使ったすこっぷを探して、一応【複製鏡】でふたつに増やし、家の外に出て畑にできそうな場所を探すことにした。
 家の外に畑のようなものを作るにしても、どの植物を選ぶかは厳選しないといけない。ミニチュアサイズの桜は可愛いけれど、本来は奏の背より高い木に花をつけるものだ。他にもりんごの木もそうだし、果物類は外で育てた方がいいのかもしれない。
 今家の中で育っている植物類は【万能鉢】ごと【収納袋】に移していき、部屋の中のスペースを確保していく。収納袋に入れると瓶のような割れ物でも壊れることがなさそうなので、重たいものを移動する時には正直重宝する。持ち上げなくても袋の口を近づけるだけで収納してくれるため、奏のように力のない人でも簡単に使うことができる。
 奏が想像で造った魔石草の万能鉢はそのまま残しておく。果物の鉢以外にも、本来であれば大木に成長する桜なども収納袋に入れて移動させる。いくつもの万能鉢を収納することで一部屋分ほとんど空っぽになってしまった。
 奏は手にすこっぷと、植物を詰めた収納袋を持ち家の外に出る。
 室外は天気が良く、暖かい日差しが差し込んでいる。この世界に来てから雨が降った試しがないのだが、天気が良いのは良いことに変わりない。奏は雨の日も好きだけど、雨が降ると歩きながら本が読めなくなるので移動中は止んでほしいと思っている。その本も今では【叡智の書】しかないのでそこは残念なのだが……。
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