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魔法薬の調合
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「国王様には……」
「もちろん最初に伝えたよ。それで近くにいる勇者殿に向かってもらう手筈になっているのだが……」
「? 何だ? それがどうしたというのだ?」
実際に魔女による被害が出たのだから、勇者に応援を求めるのは自然な流れのはずだ。
アマギウスは勇者という単語を出した途端、さらに顔を険しくして考えこむような表情を見せる。
「……今海域近くにいる勇者カズキ殿は泳げないという理由で召集を拒否。この国に滞在している勇者オトメ殿は治癒術師なので戦闘することはできない。少し遠いところにいる勇者ハヤト殿は到着までに時間がかかりすぎてしまい、その間に深海の魔女は姿を眩ましてしまう可能性が高いんだ」
「あぁ……なるほど、他の勇者は別の国に属しているからか」
「応援要請しようにも他国とはやはり距離があるからな。簡単にはいかないよ」
アフィラーディ王国には現在四人の勇者が所属している。これは他国に比べるとはっきり言って多い。現在確認しているだけで九人いる勇者のうち約半数をこの王国で保護……という名の管理をしている状況だ。と言っても、基本的に王国に待機してもらっているのは治癒術師である勇者オトメのみで、後の三人はそれぞれ魔女がいると思われる場所へと旅をしている状態なのだ。
「こうなると勇者マコト殿が……いや、もう墳墓に到着してもおかしくないのか」
先ほどの情報で、勇者マコトは魔境の一つである最果ての墳墓のすぐ側まで来ているのだ。今から王国の海域周辺へ進路を向けるように伝達してもおそらく間に合わないだろう。
深海の魔女……海底深くに住み着き、世界中の海の支配者とされている魔女は、巨大で有名なクラーケンだけでなく、海竜までも従えている恐ろしい魔女だ。何度か船団を率いて調査に出たのだが一度しか会敵できず、その時は甚大な被害と大量の死者が出てしまった。
水を扱える魔術師が複数人いたとしても、彼女を止めることもできなかったのだ。
「それだと今回は何もできないままということか?」
「そうだね。今は行方のわからなくなっている人の捜索や救助を優先して行っているよ。深海の魔女の通った後には危険な魔物もしばらく通らないからね。騎士団や魔法省の人間が向かっても、現状被害が増えるだけだから」
その後は軽く世間話をして、アマギウスは部屋から出て行った。
一人になったガリウスも支度を整えると部屋を後にして騎士団の詰所へと向かった。魔女の被害が出たというのに何もしないというわけにはいかない。現地に部下を引き連れ、被害状況を確認しに向かった。
「もちろん最初に伝えたよ。それで近くにいる勇者殿に向かってもらう手筈になっているのだが……」
「? 何だ? それがどうしたというのだ?」
実際に魔女による被害が出たのだから、勇者に応援を求めるのは自然な流れのはずだ。
アマギウスは勇者という単語を出した途端、さらに顔を険しくして考えこむような表情を見せる。
「……今海域近くにいる勇者カズキ殿は泳げないという理由で召集を拒否。この国に滞在している勇者オトメ殿は治癒術師なので戦闘することはできない。少し遠いところにいる勇者ハヤト殿は到着までに時間がかかりすぎてしまい、その間に深海の魔女は姿を眩ましてしまう可能性が高いんだ」
「あぁ……なるほど、他の勇者は別の国に属しているからか」
「応援要請しようにも他国とはやはり距離があるからな。簡単にはいかないよ」
アフィラーディ王国には現在四人の勇者が所属している。これは他国に比べるとはっきり言って多い。現在確認しているだけで九人いる勇者のうち約半数をこの王国で保護……という名の管理をしている状況だ。と言っても、基本的に王国に待機してもらっているのは治癒術師である勇者オトメのみで、後の三人はそれぞれ魔女がいると思われる場所へと旅をしている状態なのだ。
「こうなると勇者マコト殿が……いや、もう墳墓に到着してもおかしくないのか」
先ほどの情報で、勇者マコトは魔境の一つである最果ての墳墓のすぐ側まで来ているのだ。今から王国の海域周辺へ進路を向けるように伝達してもおそらく間に合わないだろう。
深海の魔女……海底深くに住み着き、世界中の海の支配者とされている魔女は、巨大で有名なクラーケンだけでなく、海竜までも従えている恐ろしい魔女だ。何度か船団を率いて調査に出たのだが一度しか会敵できず、その時は甚大な被害と大量の死者が出てしまった。
水を扱える魔術師が複数人いたとしても、彼女を止めることもできなかったのだ。
「それだと今回は何もできないままということか?」
「そうだね。今は行方のわからなくなっている人の捜索や救助を優先して行っているよ。深海の魔女の通った後には危険な魔物もしばらく通らないからね。騎士団や魔法省の人間が向かっても、現状被害が増えるだけだから」
その後は軽く世間話をして、アマギウスは部屋から出て行った。
一人になったガリウスも支度を整えると部屋を後にして騎士団の詰所へと向かった。魔女の被害が出たというのに何もしないというわけにはいかない。現地に部下を引き連れ、被害状況を確認しに向かった。
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