異世界でフローライフを 〜誤って召喚されたんだけど！〜

この世界で生きていくために……

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（■■■■■・■■■■■■■■って……なんて書いてあるのか読めないけど、叡智の書の著者だよね……？　なんでも作ってたんだ……。この二つのアイテムがあれば野菜には困らないってことだと思うんだけど……って、食べれる頃には私死んでると思うんですけど！）
　
　奏はやけくそ気味に一度は試してみることにした。
　まずは種子の宝箱。イメージするのは……プチトマト。一般的だし、水分もあるから丁度いいと判断した。箱の中に魔石を入れて、イメージする。

（……？）

　それからしばらく待っても光ったりすることはなかった。これで種ができたのか不安になりながらも蓋を開けてみると、そこには魔石の代わりに植物の種子のようなものが入っていた。

（ちゃんと動いた……。これが種？　確かにそれっぽいけど……ええっと、次はこれを万能鉢に入れるのよね）

　万能鉢をひっくり返して底の方に魔石を入れ、そして種子も入れた。
　しかし万能鉢はなんの反応も示さない。

（……土を入れなきゃダメよね）

　奏は外に通じる扉の前に移動して、ゆっくり扉を開ける。扉の先の景色は最初に見た時と変わらず、辺り一面森しかない。柵で覆われているため家の付近に動物なんかは入ってこない感じはするが、やはり家の中と違って安心できるものではなかった。
　すぐそばにある土を万能鉢に入れる。家の外の土は柔らかくて、すぐに詰めることができた。

　
　ウォォォォォォォォォォォォン！！！！！


　遠くから狼に似たような鳴き声が聞こえる。柵の向こう、森の奥の方だと思うが奏は慌てて家の中に逃げ込んだ。

「な、なに、何っ！　今の遠吠え！！　怖すぎるんだけど！！」

　すでに家に中に逃げ込んでいるので、外の声は聞こえないものの、内心穏やかではなかった。柵に囲まれているので安全だとは思っているが、それもいつまでもつのかわからない。
　怖いものは怖いのだ。
　奏は深呼吸して自分の気持ちを落ち着かせる。気を取り直して、万能鉢に魔石と土と種を入れてみた。