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十六歳の誕生日
十六歳の誕生日⑨
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最初は、何を言われたか分からなくて涙が止まって。
段々、その言葉の意味を理解し出し、私の身体の熱は上がっていった。
「け、慧君」
「ん」
「わ、わたしのこと、すきなの?」
「うん」
「お、お、女の子として、?」
「そうだよ」
「りょ、両思いってことですか」
どきどきと爆発しそうな心臓がうるさくて必死で言葉を紡ぐと、慧君は私の耳に唇をくっつけて「そうだよ」なんて呟くから、私は無理矢理慧君に手を当ててぐいと離れて、慧君の顔を見た。
甘く蕩ける、優しい顔。
まだ上がるのかってくらい私の熱は上がっていって、ぷしゅう、と沸騰する音が聞こえたような、そんな気がした。
すると、慧君はいたずらっぽく笑った。
「俺の気持ち、ほんとにわかってる?」
「す、すきって、わたしといっしょ、でしょ?」
「うん。でも俺は、無理矢理菖蒲のこと許嫁にして俺に結びつけて、泣いてるのに欲情して無理矢理犯すような男だよ?」
「え、えっと、あ、あの、聞いていい?」
「…………ン」
「い、いつから、わたしのこと」
「……覚えてないと思うけど、昔、菖蒲が一番綺麗な石だからって言って石を俺にくれたんだ」
「えっ……ご、ごめんなさい……」
「あれね、ずっと俺の宝物」
「え……?」
「あの時から、ずっと好き」
そう言う慧君があまりにも幸せそうで、私はつい慧君に抱きついて胸にぐりぐりと顔を埋めてしまった
「私、慧君なら、何されても嬉しいから」
私の心臓はバクバクとうるさいけれど、同じように慧君の胸も音を立てているのがわかる。
それにうっとりとして集中していると、頭上からはー、と重いため息が落ちてきた。おそるおそる顔を上げると、慧君は片手で顔を覆ってどんな顔をしているかわからない。
「な、なに?どうしたの?」
「菖蒲は本当に男をわかってない」
「んうっ」
急に大きな手で顔を包まれたと思ったら、慧君はキスを降らせてきた。
触れるだけのキスを何度も落とされ、物足りなさを感じてしまった私は足をモジモジさせてしまうものの、慧君は気づいていないようで、顔を離すと少し曇った顔で私の頬を撫でた。
段々、その言葉の意味を理解し出し、私の身体の熱は上がっていった。
「け、慧君」
「ん」
「わ、わたしのこと、すきなの?」
「うん」
「お、お、女の子として、?」
「そうだよ」
「りょ、両思いってことですか」
どきどきと爆発しそうな心臓がうるさくて必死で言葉を紡ぐと、慧君は私の耳に唇をくっつけて「そうだよ」なんて呟くから、私は無理矢理慧君に手を当ててぐいと離れて、慧君の顔を見た。
甘く蕩ける、優しい顔。
まだ上がるのかってくらい私の熱は上がっていって、ぷしゅう、と沸騰する音が聞こえたような、そんな気がした。
すると、慧君はいたずらっぽく笑った。
「俺の気持ち、ほんとにわかってる?」
「す、すきって、わたしといっしょ、でしょ?」
「うん。でも俺は、無理矢理菖蒲のこと許嫁にして俺に結びつけて、泣いてるのに欲情して無理矢理犯すような男だよ?」
「え、えっと、あ、あの、聞いていい?」
「…………ン」
「い、いつから、わたしのこと」
「……覚えてないと思うけど、昔、菖蒲が一番綺麗な石だからって言って石を俺にくれたんだ」
「えっ……ご、ごめんなさい……」
「あれね、ずっと俺の宝物」
「え……?」
「あの時から、ずっと好き」
そう言う慧君があまりにも幸せそうで、私はつい慧君に抱きついて胸にぐりぐりと顔を埋めてしまった
「私、慧君なら、何されても嬉しいから」
私の心臓はバクバクとうるさいけれど、同じように慧君の胸も音を立てているのがわかる。
それにうっとりとして集中していると、頭上からはー、と重いため息が落ちてきた。おそるおそる顔を上げると、慧君は片手で顔を覆ってどんな顔をしているかわからない。
「な、なに?どうしたの?」
「菖蒲は本当に男をわかってない」
「んうっ」
急に大きな手で顔を包まれたと思ったら、慧君はキスを降らせてきた。
触れるだけのキスを何度も落とされ、物足りなさを感じてしまった私は足をモジモジさせてしまうものの、慧君は気づいていないようで、顔を離すと少し曇った顔で私の頬を撫でた。
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