262 / 316
収穫祭と訪問客
どんな性格の子でも、上手くいかないと泣いてしまう:Harvest festival 2
しおりを挟む
収穫祭二日目。
清々しいほどの秋晴れ。心地よい風が耳をくすぐり、太陽の光が少しだけ、肌を突き刺す。
行き交う人の数は昨日よりも多く、見慣れない恰好の人も多い。たぶん、外から来た観光客だろう。
今年は貴族たちが多く来ていたり、また屋台などを増やしたとはいえ、昨年から今年でここまで増えるか? と俺は少しだけ首を傾げた。
すると、隣を歩いていたライン兄さんがそれに気が付き、教えてくれる。
「父さんたちがこの領地を賜ってから、三回も死之行進を乗り切ったからだと思うよ。しかも、ほぼ被害もなく」
「なるほど。安全な街だと思ったんだね」
「たぶん。それだけ、王国の大人たちにとってはトラウマなんだと思うよ」
「……まぁ、確かに」
なにせ、天災と称される程の魔物の進行だからな。
いや、だからこそ、
「あいつら、元気だな」
「何言ってるの? セオだって、いつもあんな感じじゃん」
「それはライン兄さんもでしょ?」
「そう?」
オルとニュー君が無邪気に昨日よりも増えたいくつもの屋台を覗き、直ぐに違う屋台へと走っていく。
観光客は少し怯えというか、感慨深い眼差しを収穫祭に向けているのに対し、子供たちは実に単純明快に収穫祭を楽しんでいる。
「お~い! オル! あんまり走り回ると、ぶつかるぞ!」
「へへ、大丈夫だって! 俺がそんなへまするかよ!」
「どこからそんな自信が湧いてくるんだ!」
後ろ向きに走るオル。まぁ、確かに後ろに目がついているのかと思うほど、スルリスルリと人の間を縫って歩くが。
だが、オルは五歳児だ。背が低いからこそ、大人たちが気が付かずに蹴とばしてしまうこともある。
と、その時。
「こらっ! 坊主たち、あぶねぇだろ!」
上半身裸の巨漢がオルとニュー君を摘まみ上げる。上半身に石をまだらに纏い、その巨漢も相まってか、岩が動いているように見える。
「のわっ、岩が動いてる!」
「岩じゃねぇ! 人だ!」
「じゃあ、もしかして妖人族の方ですか!?」
「もしかしても何も、そうじゃなかったら何なんだ!」
「そんな怒んなよ、岩のおっさん!」
岩のおっさん、もとい妖人族の一つ、岩の精霊の子孫である岩霊族の男性がニカッと笑いながら自分の肩を叩くオルに両目を吊り上げる。
「親はどこにいるんだ! 危ないだろ! だいたい、こんな幼い子が外を出歩くことすら、よくねぇのに!」
…………
「ねぇ、ライン兄さん。確かあの人って」
「うん。反対派の人だね。まぁ、悪い人じゃないよ。たまに街で会ったら遊んでくれるし」
「それは知ってるよ。大抵、子供好きだからこそ、そう反対しているだけだし」
何度も言うように昔から、この土地には幼子が家の外に出ないようにするという慣習がある。
今は、時代の移り変わりと共にそれも変化して言っているが、長命種や老人を中心にそうした動きに反対する者もいる。
当り前だ。というか、反対がいなかったら逆にそれはそれでおかしいし。
まぁ、ともかく、そういった人々とマキーナルト家は仲がいいわけではない。
が、
「今、親を探して突き返して――」
「イェルググ! その子たち、僕たちの連れ!」
ライン兄さんがそういえば、岩霊族の男性、イェルググはふっと目を細めた。そこに嫌悪感や怒りはなく、説教をするような目だった。
「……そうか。おい、ラインの坊主。お前が年長者なら、キチンと面倒を見ておけ。セオの坊主も兄のそれを支えろ」
「おっと」
「わっ」
イェルググは摘まみ上げていたオルとニュー君を俺たちの前に降ろす。それからイェルググはオルとニュー君の頭を撫でる。
「それと、坊主たちも落ち着け」
「おう! 落ち着いてるぞ!」
「はい! それよりもおじさん! その岩って生え変わったりするんですかっ?」
「……時期によって生え変わる。詳しいことはラインの坊主にでも聞いておけ」
物怖じせず質問するニュー君にイェルググは呆れた顔になり、それから直ぐに人込みに紛れて去ってしまった。
ニュー君があ~、と残念そうな表情になる。
「シャイなんだな、あのおっさん」
「違うよ。それより、オル。イェルググじゃないが、あんまり俺から離れるなよ。危ないし、迷子になったら、それこそ射的とかできなくなるよ。お金だって持ってないでしょ」
「む、それは困るな。よし、分かった!」
「分かってくれたか」
俺は満足そうに頷いた。
けど、それが間違えだった。
「セオ、最初はあそこだ!」
「ちょ、おい!」
オルは俺の手を掴むと、無理やり引っ張ったのだ。
「おい、オル! 離せ!」
「なんでだ!? お前が離れるなって言ったんだろ!」
「チッ、クソ!」
俺は慌てて、ライン兄さんに〝念話〟を飛ばす。
『ライン兄さん! ちょっと離れる! オルがいうこと聞かない!』
『分かった! っていうか、こっちもニュー君が色々目移りしてるから、別行動の方がいいと思う!』
『分かった!』
そして、俺とライン兄さんは別行動になった。
Φ
「セオ、こうやってやるのか!?」
「違う違う。そうじゃなくて……」
屋台の射的。
とはいえ、前世のように射的銃ではなく、形状はボウガンに近い。そこに実体をもった魔力の矢、無属性魔法の〝魔力矢〟を生み出し、直線状に射出する魔道具が組み込まれており、引き金を引くことによりそれが発動する。
また、〝魔力矢〟の数は引き金の上部の窪みにはめ込む魔石や魔晶石に込められた魔力量で決まり、屋台のおっさんが自分で魔力を調節して均等に魔力を充填している。
もちろん、殺傷性は殆どなく、ただの玩具である。
とはいえ、慣れていないとそれなりに当てづらいし、そもそも五歳児が扱うには少し大きい。子供用のも作ってはいるのだが、それでも俺たちの手の大きさだと少し大きいのだ。
なので、欲しい小さな剣の模型に当てられないと騒ぐオルをサポートしようとしたら。
「セオ様は参加しないでくださいよ!」
射的のおっさんに止められる。
「何でだよ!」
「そりゃあ、セオ様が参加したら、ここにある全部が落とされるに決まってるからでしょ! 商売上がったりですよ!」
「何で、こいつが全部落とせんだ!?」
オルが射的のおっさんに抗議する。
「何でって、そこの魔道具を作った本人ですからね」
「それが何の関係があるんだ!?」
「む」
まぁ、確かに。道具を作ったからといって、それをうまく使いこなせるかは別物だし。
その指摘に射的のおっさんは顔をしかめる。この点で反論は面倒だと思ったのだろう。
違う方法でオルを言いくるめようとする。
「自分に力だけで手に入れてこそ、男の子ではないのですか? それとも、自分では何もできないんですか?」
男の子関係ないと思うんだけど。
まぁ、兎も角、その煽りはオルに効いたらしい。
「おい! セオ! 一切手だしするんじゃねぇぞ!」
「……あ、はいはい」
ああ。お金が。
一応、ロイス父さんたちからお金は貰っているが、パスパスと〝魔力矢〟を外すオルの力量だと、ここで全て使い切りそうだったのだ。
だから、手伝おうとしたのに。
パスパスと〝魔力矢〟を外すオルに俺は内心、溜息を吐いたとき。
「分かったぞ!」
オルがそう叫んだ瞬間、急に雰囲気が変わった。
あのアホっぽい雰囲気から、鋭い、そう狩人が獲物を狙うときのような雰囲気へと変わったのだ。
それには、俺も射的のおっさんも驚く。
そして俺たちが驚いている間に、オルは深い深呼吸をした。
「そこだ!」
バスンッ!
玩具の魔道具ボウガンとは思えないほどの〝魔力矢〟が発射され、剣の模型を貫いてしまった。
そう貫いてしまった。
「なっ!」
「ちょっ!」
俺と射的のおっさんが驚く。
なにせ、先ほどオルが発射した〝魔力矢〟は明らかに攻撃性を持っていたからだ。
「セオ様! 安全装置は!?」
「働いてるって! 魔力量を絞る機能が壊れてる様子もない!」
「ないって……あ、そもそも弾切れのはずじゃ!?」
「それだよ! 今のこいつの〝魔力矢〟! 無意識に、発動したんだって!」
オル。恐ろしい子。
が、俺たちが驚くのをよそにオルはぐずり始めた。
「なぁ、セオ! セオぉ! 俺の剣が! 壊れたぁ! 壊れたんだがぁ!!」
「あ、ちょっと! おっさん、もう一つないの!?」
「ありますよ!」
本格的にオルが泣き始める。
確かに落としたと思ったら、剣の模型を矢が貫いて、壊れたんだから。
別に意図的にやったわけではないから、本人としては驚き、悔しくて、悲しくて泣くのも、まぁ分かる。
にしても、いつもあんな騒がしいオルが泣くとは。なんか、ものすごく慌ててしまう。
射的のおっさんも慌てて、屋台の裏に置いてあったであろう在庫を取りにいった。
そして急いで戻ってきて、オルに渡す。
「お、お前さん、泣くな! ほ、ほら! 上げるから、ほら!」
「……ッ! 本当か、くれるのか!?」
「もちろんだとも。お前さんが落としたのだから!」
さっきまで泣いていたオルの顔がパァーっと輝く。
「ありがとう、おっさん!」
「いえいえ」
……ふぅ、よかった。
それにしても、色々と忙しいやつだな、こいつ。
清々しいほどの秋晴れ。心地よい風が耳をくすぐり、太陽の光が少しだけ、肌を突き刺す。
行き交う人の数は昨日よりも多く、見慣れない恰好の人も多い。たぶん、外から来た観光客だろう。
今年は貴族たちが多く来ていたり、また屋台などを増やしたとはいえ、昨年から今年でここまで増えるか? と俺は少しだけ首を傾げた。
すると、隣を歩いていたライン兄さんがそれに気が付き、教えてくれる。
「父さんたちがこの領地を賜ってから、三回も死之行進を乗り切ったからだと思うよ。しかも、ほぼ被害もなく」
「なるほど。安全な街だと思ったんだね」
「たぶん。それだけ、王国の大人たちにとってはトラウマなんだと思うよ」
「……まぁ、確かに」
なにせ、天災と称される程の魔物の進行だからな。
いや、だからこそ、
「あいつら、元気だな」
「何言ってるの? セオだって、いつもあんな感じじゃん」
「それはライン兄さんもでしょ?」
「そう?」
オルとニュー君が無邪気に昨日よりも増えたいくつもの屋台を覗き、直ぐに違う屋台へと走っていく。
観光客は少し怯えというか、感慨深い眼差しを収穫祭に向けているのに対し、子供たちは実に単純明快に収穫祭を楽しんでいる。
「お~い! オル! あんまり走り回ると、ぶつかるぞ!」
「へへ、大丈夫だって! 俺がそんなへまするかよ!」
「どこからそんな自信が湧いてくるんだ!」
後ろ向きに走るオル。まぁ、確かに後ろに目がついているのかと思うほど、スルリスルリと人の間を縫って歩くが。
だが、オルは五歳児だ。背が低いからこそ、大人たちが気が付かずに蹴とばしてしまうこともある。
と、その時。
「こらっ! 坊主たち、あぶねぇだろ!」
上半身裸の巨漢がオルとニュー君を摘まみ上げる。上半身に石をまだらに纏い、その巨漢も相まってか、岩が動いているように見える。
「のわっ、岩が動いてる!」
「岩じゃねぇ! 人だ!」
「じゃあ、もしかして妖人族の方ですか!?」
「もしかしても何も、そうじゃなかったら何なんだ!」
「そんな怒んなよ、岩のおっさん!」
岩のおっさん、もとい妖人族の一つ、岩の精霊の子孫である岩霊族の男性がニカッと笑いながら自分の肩を叩くオルに両目を吊り上げる。
「親はどこにいるんだ! 危ないだろ! だいたい、こんな幼い子が外を出歩くことすら、よくねぇのに!」
…………
「ねぇ、ライン兄さん。確かあの人って」
「うん。反対派の人だね。まぁ、悪い人じゃないよ。たまに街で会ったら遊んでくれるし」
「それは知ってるよ。大抵、子供好きだからこそ、そう反対しているだけだし」
何度も言うように昔から、この土地には幼子が家の外に出ないようにするという慣習がある。
今は、時代の移り変わりと共にそれも変化して言っているが、長命種や老人を中心にそうした動きに反対する者もいる。
当り前だ。というか、反対がいなかったら逆にそれはそれでおかしいし。
まぁ、ともかく、そういった人々とマキーナルト家は仲がいいわけではない。
が、
「今、親を探して突き返して――」
「イェルググ! その子たち、僕たちの連れ!」
ライン兄さんがそういえば、岩霊族の男性、イェルググはふっと目を細めた。そこに嫌悪感や怒りはなく、説教をするような目だった。
「……そうか。おい、ラインの坊主。お前が年長者なら、キチンと面倒を見ておけ。セオの坊主も兄のそれを支えろ」
「おっと」
「わっ」
イェルググは摘まみ上げていたオルとニュー君を俺たちの前に降ろす。それからイェルググはオルとニュー君の頭を撫でる。
「それと、坊主たちも落ち着け」
「おう! 落ち着いてるぞ!」
「はい! それよりもおじさん! その岩って生え変わったりするんですかっ?」
「……時期によって生え変わる。詳しいことはラインの坊主にでも聞いておけ」
物怖じせず質問するニュー君にイェルググは呆れた顔になり、それから直ぐに人込みに紛れて去ってしまった。
ニュー君があ~、と残念そうな表情になる。
「シャイなんだな、あのおっさん」
「違うよ。それより、オル。イェルググじゃないが、あんまり俺から離れるなよ。危ないし、迷子になったら、それこそ射的とかできなくなるよ。お金だって持ってないでしょ」
「む、それは困るな。よし、分かった!」
「分かってくれたか」
俺は満足そうに頷いた。
けど、それが間違えだった。
「セオ、最初はあそこだ!」
「ちょ、おい!」
オルは俺の手を掴むと、無理やり引っ張ったのだ。
「おい、オル! 離せ!」
「なんでだ!? お前が離れるなって言ったんだろ!」
「チッ、クソ!」
俺は慌てて、ライン兄さんに〝念話〟を飛ばす。
『ライン兄さん! ちょっと離れる! オルがいうこと聞かない!』
『分かった! っていうか、こっちもニュー君が色々目移りしてるから、別行動の方がいいと思う!』
『分かった!』
そして、俺とライン兄さんは別行動になった。
Φ
「セオ、こうやってやるのか!?」
「違う違う。そうじゃなくて……」
屋台の射的。
とはいえ、前世のように射的銃ではなく、形状はボウガンに近い。そこに実体をもった魔力の矢、無属性魔法の〝魔力矢〟を生み出し、直線状に射出する魔道具が組み込まれており、引き金を引くことによりそれが発動する。
また、〝魔力矢〟の数は引き金の上部の窪みにはめ込む魔石や魔晶石に込められた魔力量で決まり、屋台のおっさんが自分で魔力を調節して均等に魔力を充填している。
もちろん、殺傷性は殆どなく、ただの玩具である。
とはいえ、慣れていないとそれなりに当てづらいし、そもそも五歳児が扱うには少し大きい。子供用のも作ってはいるのだが、それでも俺たちの手の大きさだと少し大きいのだ。
なので、欲しい小さな剣の模型に当てられないと騒ぐオルをサポートしようとしたら。
「セオ様は参加しないでくださいよ!」
射的のおっさんに止められる。
「何でだよ!」
「そりゃあ、セオ様が参加したら、ここにある全部が落とされるに決まってるからでしょ! 商売上がったりですよ!」
「何で、こいつが全部落とせんだ!?」
オルが射的のおっさんに抗議する。
「何でって、そこの魔道具を作った本人ですからね」
「それが何の関係があるんだ!?」
「む」
まぁ、確かに。道具を作ったからといって、それをうまく使いこなせるかは別物だし。
その指摘に射的のおっさんは顔をしかめる。この点で反論は面倒だと思ったのだろう。
違う方法でオルを言いくるめようとする。
「自分に力だけで手に入れてこそ、男の子ではないのですか? それとも、自分では何もできないんですか?」
男の子関係ないと思うんだけど。
まぁ、兎も角、その煽りはオルに効いたらしい。
「おい! セオ! 一切手だしするんじゃねぇぞ!」
「……あ、はいはい」
ああ。お金が。
一応、ロイス父さんたちからお金は貰っているが、パスパスと〝魔力矢〟を外すオルの力量だと、ここで全て使い切りそうだったのだ。
だから、手伝おうとしたのに。
パスパスと〝魔力矢〟を外すオルに俺は内心、溜息を吐いたとき。
「分かったぞ!」
オルがそう叫んだ瞬間、急に雰囲気が変わった。
あのアホっぽい雰囲気から、鋭い、そう狩人が獲物を狙うときのような雰囲気へと変わったのだ。
それには、俺も射的のおっさんも驚く。
そして俺たちが驚いている間に、オルは深い深呼吸をした。
「そこだ!」
バスンッ!
玩具の魔道具ボウガンとは思えないほどの〝魔力矢〟が発射され、剣の模型を貫いてしまった。
そう貫いてしまった。
「なっ!」
「ちょっ!」
俺と射的のおっさんが驚く。
なにせ、先ほどオルが発射した〝魔力矢〟は明らかに攻撃性を持っていたからだ。
「セオ様! 安全装置は!?」
「働いてるって! 魔力量を絞る機能が壊れてる様子もない!」
「ないって……あ、そもそも弾切れのはずじゃ!?」
「それだよ! 今のこいつの〝魔力矢〟! 無意識に、発動したんだって!」
オル。恐ろしい子。
が、俺たちが驚くのをよそにオルはぐずり始めた。
「なぁ、セオ! セオぉ! 俺の剣が! 壊れたぁ! 壊れたんだがぁ!!」
「あ、ちょっと! おっさん、もう一つないの!?」
「ありますよ!」
本格的にオルが泣き始める。
確かに落としたと思ったら、剣の模型を矢が貫いて、壊れたんだから。
別に意図的にやったわけではないから、本人としては驚き、悔しくて、悲しくて泣くのも、まぁ分かる。
にしても、いつもあんな騒がしいオルが泣くとは。なんか、ものすごく慌ててしまう。
射的のおっさんも慌てて、屋台の裏に置いてあったであろう在庫を取りにいった。
そして急いで戻ってきて、オルに渡す。
「お、お前さん、泣くな! ほ、ほら! 上げるから、ほら!」
「……ッ! 本当か、くれるのか!?」
「もちろんだとも。お前さんが落としたのだから!」
さっきまで泣いていたオルの顔がパァーっと輝く。
「ありがとう、おっさん!」
「いえいえ」
……ふぅ、よかった。
それにしても、色々と忙しいやつだな、こいつ。
13
読んでくださりありがとうございます!!少しでも面白いと思われたら、お気に入り登録や感想をよろしくお願いします!!また、エールで動画を見てくださると投稿継続につながりますのでよろしくお願いします。
お気に入りに追加
951
あなたにおすすめの小説

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる