194 / 316
さて準備かな
調子にのって自分から話を振ったのが悪い。Byライン:Departure
しおりを挟む
「……セオ、セオ!」
「アルルっ!」
「リュネっ!」
「ケンっ!」
……なんだよ、こんな朝っぱらから。
まだ朝日が出たくらいじゃん……
「眠い……」
ひっぺはがされたタオルケットを奪い取り、俺は埋もれる。
眠いんだよ……
昨日は意外と楽しみであんまり寝れなかった――
「って、今何時っ!?」
「もう、出発の時間だよっ!」
ガバッと飛び起きた俺をライン兄さんが呆れ気味に突っ込む。
やばい、ヤバい、マジでヤバイ。アテナ母さんたちを待たせてるって事かっ。
「ふく……服っ!? あれ、服、どこっ!?」
「馬車に積んであるっ」
「え、何でっ!?」
「時間がないから、そこで着替えろって」
「はっ!?」
ライン兄さんが俺の手を引っ張る。アルたちが俺のボサボサの頭に飛び乗る。
「ちょ、マジで、顔ぐらい洗わせてよっ!」
「魔術で後でできるでしょっ! 時間なのっ!」
「んわっ。なんで、そんな力あるのっ?」
ライン兄さんって力持ちなのか、抵抗する俺を持ち上げる。身体強化をしているんだろうけども、それでも七歳児が五歳児を担ぐって……
「お手玉、お手玉。なんか、そういう感じの芸を極めていると思えば、セオくらい簡単に運べるよっ」
「俺はモノじゃないっつうのっ」
えっさほっさとライン兄さんが階段を四段飛ばしくらいで降りていく。ボサボサの俺の頭がちょうどクッションになっているのか、アルたちが楽しそうに跳ねている。
そして玄関。
「……はぁ、子供らしいといえば、子供らしいし……がなんというか……」
「酷い」
アテナ母さんとロイス父さんが疲れた様子で溜息を吐く。
エドガー兄さんとユリシア姉さんは俺に興味はないらしく、馬車を曳いてくれる幻獣――天角馬の二頭の頭を撫でていた。
角を生やし、真っ白な毛と漆黒の瞳を持つ美しい馬で、ここに翼を生やしていればペガサスみたいな感じだ。
悪意をもつ存在を近づけさせない性質というか、そういうのがあるため、移動がとても安全らしい。
ライン兄さんが俺を地面に降ろす。靴を履いたら、何故かお腹がグーと鳴った。腹減った。
「……朝ごはんは?」
「馬車の中で食べるわよ。アランがサンドイッチを作れったくれたの」
アランは馬車の荷台に積んでいた積み荷の整理をしていた。ユナも手伝っていた。
と、
「セオドラー様」
「ひっ!」
後ろから心胆を寒からしめる女性の声が響く。飛び上がり、ギギギっと壊れたブリキ人形の振り返れば、マリーさんがいた。鬼だった。
「一昨年も寝坊でしたが、王国史の授業、もう一度受けますか?」
「い、いえ、滅相も……」
「では、何故お寝坊を?」
「そ、それは楽しみで眠れず……」
ギヌロっとマリーさんの綺麗な黒目が俺を見下ろす。マリーさんの後ろで好々爺の如く目を細めていたバトラ爺に助けを求めるが、対応してくれない。
酷いっ!
マリーさんを俺をじっと睨んだ後、視線を感じたのか顔を上げる。
「……はぁ。アテナ様」
「いいわよ。子供らしくていいじゃない」
「……仕方ありません、か」
お、アテナ母さんが助け舟を出してくれた。
「ええ。それに、寝坊が続くようであれば例の課題を課すだけだし」
「左様でございますか」
「えっ?」
バッとアテナ母さんの方を見る。
なに、その例の課題って。めっちゃ恐ろしいんだが。
「そんなに怯えなくてもいいのよ、セオ。別に夜起きなきゃいけない理由があって事前に教えてくれるなら、私は怒らないわ。例えば天体観測、植物の観察とかね? それに約束を破らなければいい。それだけでしょう?」
「は、早起きする約束はしていないかと。それに守っちゃいけない約束なら破った方が……」
「セオ?」
「はい」
項垂れる。ライン兄さんはエドガー兄さんとユリシア姉さんと少しばかり話し込んだ後、馬車に乗り込んでいた。
仕方ない。
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃいませ、セオドラー様」
「行ってらっしゃいませ、セオ様」
マリーさんとバトラ爺に手を振って、俺も馬車に乗り込む。馬車は貴族の馬車で、左右と前をガラスの窓が隔てていて、そこにカーテンが掛かっている。
席は前後で向かい合っている感じで、大体大人六人くらい座れるほど広い。外から見るとまぁまぁ小さい馬車なのだが、軽く空間を拡張しているらしい。こんなところで伝説級の魔法を使っているのが家らしい。
あれ、そういえばユナとレモンは?
そう思ったら、
「遅くなりました」
「先ほど起きてしまいまして……」
「あうぅあっ」
いつものビクトリアンメイド服の上に旅装束を着たレモンと、ブラウを抱いているユナがいた。
……?
ユナはまだ分かる。
が、レモンは何故?
「あ、起きたんですね、セオ様」
レモンはアテナ母さんとロイス父さんに頭を下げた後、馬車の方にやってきた。小窓から俺がいるのを確認して、微笑むと馬車の前側へと移動する。
御者の席に座る。
俺は御者の席と馬車を隔てるガラス張りの窓を開け、顔を出す。ライン兄さんもだ。
「あれ、どういうこと?」
「ああ、今回はユナではなく私が行くんです。アテナ様が早くに領地に帰られますし、前回のライン様の生誕祭の時に残った私がサボりすぎたのもあって、仕事をしろと言われまして」
「……そういえば、結構サボっていた気がする……」
一昨年、マリーさの叱られていたのを思い出した。
「で、何で前?」
「御者ですよ、御者。そもそも天角馬さんたちを御せるのはロイス様たち以外に私しかいないんですよ」
「アランは?」
「懐きすぎているせいで天角馬たちがアラン様だけを構い倒します」
「……確かに」
「……まぁ、あれを見るとね」
俺とライン兄さんが微妙な表情で頷く。
荷物の整理が終わったアランが天角馬たちに倒した押されているのが、小窓から見えたからだ。
エドガー兄さんとユリシア姉さんが、アランほどの巨漢が馬に押し倒されている様子に笑い転げている。ツボに入ったのだろう。変なツボだ。
「っというかさ、普通、貴族って使用人を連れて行くものなの?」
「連れて行くものですよ。というか、十人近く連れて行くのが当たり前です。マキーナルト子爵が異常なんですよ。そもそも雇っている使用人が五人しかいないのが。ったく、それでどれだけ私がサボれないか。能力が高すぎる人が上に立つのも考え者ですよね……」
レモンがやれやれといった様子で溜息を吐く。
なので、
「だって、ロイス父さん」
バトラ爺やアランに具体的な政務の指示とか、色々話し終わり馬車に乗り込んだロイス父さんを見やる。
レモンはやべっといった表情をして、ピューピューと口笛を吹きながら、アランを押し倒して満足した天角馬たちに頭絡やら引綱などを着けていた。
ロイス父さんは苦笑いだ。
「……まぁ、否定しずらいし、レモンがいうことも最もなんだよね。問題が山積みだったこの領地をここまでにするには、管理のしやすい少数精鋭の方がよかったんだけど……」
ロイス父さんは俺とライン兄さんとは反対側の席に座り、溜息を吐いた。
「人材を育てる事もしないといけないしね。前にも行ったけど、今回王都に行くのはそういう目的もあるし、貸しを作らないといけないのもね……」
「貸し?」
「そうそう。死之行進でそれなりに稼いじゃったのもあって、仲良くしている貴族を頼ってその分の調整をしないといけないんだよ。だから、人の紹介もしてもらう予定だし」
「……大変だね」
上がれば勝ち。という考えだけではやってはいけない。わざと頼ることで弱みを作るのも一種の交渉の手段だしな。
ああ、食料輸入とかもそんな感じだし。貴方に食料を握られているから、これぐらいの事を融通してくださいっていうか。安全保障の一つだよな……
そんな取り留めもない事を考えていたら、アテナ母さんも馬車に乗り込んできた。
俺を見て目を細める。
「セオ。貴方、まだ着替えてなかったの?」
「あ」
「まぁ、いいわ。それよりレモン」
「はい、こっちも終わりました」
天角馬の準備も整ったらしい。
レモンは頷き、馬車をゆっくり動かし始めた。
「「「行ってらっしゃいませ」」」
「気をつけろよ」
「あうぅああっ!」
「お土産期待しているわよ」
「ラインもだが、頑張れ。せいぜいお嬢様方に目を付けられないようにひっそりしてるんだな。」
マリーさん、バトラ爺、ユナが軽く頭を下げて手を振り、アランが無造作に笑い、ブラウは馬車に向かって両手を伸ばしていた。
ユリシア姉さんは無事を祈ることもなく己の欲望を伝え、エドガー兄さんは勝ち誇ったように俺たちに忠告する。
高みの見物かっ!
そう叫ぼうとしたら、その前に。
「エド兄。たくさん手紙を貰ってくるから楽しみに待っててよっ。あと、例の方にはエド兄が会いたがってたって伝えておくからさっ!」
「あ、バカッ、お前っ! 余計なこと伝えて、婚姻話にまで進んだらどうすん――ラインっ!?」
エドガー兄さんが叫ぶが時遅し。
既に馬車は屋敷を飛び出し、丘を下りだしていた。
……そういえば、一昨年、なんかそんな事言ってたよな。エドガー兄さんが中等学園に行きたくなるほどには、会いたくない人物がいるとかどうとか。
なるほど、婚姻話まで進む可能性があるのか。
楽しみだ。
「セオ、僕が言えたことじゃないけど、悪い顔をしてるよ」
「え、何それ?」
本当に楽しみだ。
「アルルっ!」
「リュネっ!」
「ケンっ!」
……なんだよ、こんな朝っぱらから。
まだ朝日が出たくらいじゃん……
「眠い……」
ひっぺはがされたタオルケットを奪い取り、俺は埋もれる。
眠いんだよ……
昨日は意外と楽しみであんまり寝れなかった――
「って、今何時っ!?」
「もう、出発の時間だよっ!」
ガバッと飛び起きた俺をライン兄さんが呆れ気味に突っ込む。
やばい、ヤバい、マジでヤバイ。アテナ母さんたちを待たせてるって事かっ。
「ふく……服っ!? あれ、服、どこっ!?」
「馬車に積んであるっ」
「え、何でっ!?」
「時間がないから、そこで着替えろって」
「はっ!?」
ライン兄さんが俺の手を引っ張る。アルたちが俺のボサボサの頭に飛び乗る。
「ちょ、マジで、顔ぐらい洗わせてよっ!」
「魔術で後でできるでしょっ! 時間なのっ!」
「んわっ。なんで、そんな力あるのっ?」
ライン兄さんって力持ちなのか、抵抗する俺を持ち上げる。身体強化をしているんだろうけども、それでも七歳児が五歳児を担ぐって……
「お手玉、お手玉。なんか、そういう感じの芸を極めていると思えば、セオくらい簡単に運べるよっ」
「俺はモノじゃないっつうのっ」
えっさほっさとライン兄さんが階段を四段飛ばしくらいで降りていく。ボサボサの俺の頭がちょうどクッションになっているのか、アルたちが楽しそうに跳ねている。
そして玄関。
「……はぁ、子供らしいといえば、子供らしいし……がなんというか……」
「酷い」
アテナ母さんとロイス父さんが疲れた様子で溜息を吐く。
エドガー兄さんとユリシア姉さんは俺に興味はないらしく、馬車を曳いてくれる幻獣――天角馬の二頭の頭を撫でていた。
角を生やし、真っ白な毛と漆黒の瞳を持つ美しい馬で、ここに翼を生やしていればペガサスみたいな感じだ。
悪意をもつ存在を近づけさせない性質というか、そういうのがあるため、移動がとても安全らしい。
ライン兄さんが俺を地面に降ろす。靴を履いたら、何故かお腹がグーと鳴った。腹減った。
「……朝ごはんは?」
「馬車の中で食べるわよ。アランがサンドイッチを作れったくれたの」
アランは馬車の荷台に積んでいた積み荷の整理をしていた。ユナも手伝っていた。
と、
「セオドラー様」
「ひっ!」
後ろから心胆を寒からしめる女性の声が響く。飛び上がり、ギギギっと壊れたブリキ人形の振り返れば、マリーさんがいた。鬼だった。
「一昨年も寝坊でしたが、王国史の授業、もう一度受けますか?」
「い、いえ、滅相も……」
「では、何故お寝坊を?」
「そ、それは楽しみで眠れず……」
ギヌロっとマリーさんの綺麗な黒目が俺を見下ろす。マリーさんの後ろで好々爺の如く目を細めていたバトラ爺に助けを求めるが、対応してくれない。
酷いっ!
マリーさんを俺をじっと睨んだ後、視線を感じたのか顔を上げる。
「……はぁ。アテナ様」
「いいわよ。子供らしくていいじゃない」
「……仕方ありません、か」
お、アテナ母さんが助け舟を出してくれた。
「ええ。それに、寝坊が続くようであれば例の課題を課すだけだし」
「左様でございますか」
「えっ?」
バッとアテナ母さんの方を見る。
なに、その例の課題って。めっちゃ恐ろしいんだが。
「そんなに怯えなくてもいいのよ、セオ。別に夜起きなきゃいけない理由があって事前に教えてくれるなら、私は怒らないわ。例えば天体観測、植物の観察とかね? それに約束を破らなければいい。それだけでしょう?」
「は、早起きする約束はしていないかと。それに守っちゃいけない約束なら破った方が……」
「セオ?」
「はい」
項垂れる。ライン兄さんはエドガー兄さんとユリシア姉さんと少しばかり話し込んだ後、馬車に乗り込んでいた。
仕方ない。
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃいませ、セオドラー様」
「行ってらっしゃいませ、セオ様」
マリーさんとバトラ爺に手を振って、俺も馬車に乗り込む。馬車は貴族の馬車で、左右と前をガラスの窓が隔てていて、そこにカーテンが掛かっている。
席は前後で向かい合っている感じで、大体大人六人くらい座れるほど広い。外から見るとまぁまぁ小さい馬車なのだが、軽く空間を拡張しているらしい。こんなところで伝説級の魔法を使っているのが家らしい。
あれ、そういえばユナとレモンは?
そう思ったら、
「遅くなりました」
「先ほど起きてしまいまして……」
「あうぅあっ」
いつものビクトリアンメイド服の上に旅装束を着たレモンと、ブラウを抱いているユナがいた。
……?
ユナはまだ分かる。
が、レモンは何故?
「あ、起きたんですね、セオ様」
レモンはアテナ母さんとロイス父さんに頭を下げた後、馬車の方にやってきた。小窓から俺がいるのを確認して、微笑むと馬車の前側へと移動する。
御者の席に座る。
俺は御者の席と馬車を隔てるガラス張りの窓を開け、顔を出す。ライン兄さんもだ。
「あれ、どういうこと?」
「ああ、今回はユナではなく私が行くんです。アテナ様が早くに領地に帰られますし、前回のライン様の生誕祭の時に残った私がサボりすぎたのもあって、仕事をしろと言われまして」
「……そういえば、結構サボっていた気がする……」
一昨年、マリーさの叱られていたのを思い出した。
「で、何で前?」
「御者ですよ、御者。そもそも天角馬さんたちを御せるのはロイス様たち以外に私しかいないんですよ」
「アランは?」
「懐きすぎているせいで天角馬たちがアラン様だけを構い倒します」
「……確かに」
「……まぁ、あれを見るとね」
俺とライン兄さんが微妙な表情で頷く。
荷物の整理が終わったアランが天角馬たちに倒した押されているのが、小窓から見えたからだ。
エドガー兄さんとユリシア姉さんが、アランほどの巨漢が馬に押し倒されている様子に笑い転げている。ツボに入ったのだろう。変なツボだ。
「っというかさ、普通、貴族って使用人を連れて行くものなの?」
「連れて行くものですよ。というか、十人近く連れて行くのが当たり前です。マキーナルト子爵が異常なんですよ。そもそも雇っている使用人が五人しかいないのが。ったく、それでどれだけ私がサボれないか。能力が高すぎる人が上に立つのも考え者ですよね……」
レモンがやれやれといった様子で溜息を吐く。
なので、
「だって、ロイス父さん」
バトラ爺やアランに具体的な政務の指示とか、色々話し終わり馬車に乗り込んだロイス父さんを見やる。
レモンはやべっといった表情をして、ピューピューと口笛を吹きながら、アランを押し倒して満足した天角馬たちに頭絡やら引綱などを着けていた。
ロイス父さんは苦笑いだ。
「……まぁ、否定しずらいし、レモンがいうことも最もなんだよね。問題が山積みだったこの領地をここまでにするには、管理のしやすい少数精鋭の方がよかったんだけど……」
ロイス父さんは俺とライン兄さんとは反対側の席に座り、溜息を吐いた。
「人材を育てる事もしないといけないしね。前にも行ったけど、今回王都に行くのはそういう目的もあるし、貸しを作らないといけないのもね……」
「貸し?」
「そうそう。死之行進でそれなりに稼いじゃったのもあって、仲良くしている貴族を頼ってその分の調整をしないといけないんだよ。だから、人の紹介もしてもらう予定だし」
「……大変だね」
上がれば勝ち。という考えだけではやってはいけない。わざと頼ることで弱みを作るのも一種の交渉の手段だしな。
ああ、食料輸入とかもそんな感じだし。貴方に食料を握られているから、これぐらいの事を融通してくださいっていうか。安全保障の一つだよな……
そんな取り留めもない事を考えていたら、アテナ母さんも馬車に乗り込んできた。
俺を見て目を細める。
「セオ。貴方、まだ着替えてなかったの?」
「あ」
「まぁ、いいわ。それよりレモン」
「はい、こっちも終わりました」
天角馬の準備も整ったらしい。
レモンは頷き、馬車をゆっくり動かし始めた。
「「「行ってらっしゃいませ」」」
「気をつけろよ」
「あうぅああっ!」
「お土産期待しているわよ」
「ラインもだが、頑張れ。せいぜいお嬢様方に目を付けられないようにひっそりしてるんだな。」
マリーさん、バトラ爺、ユナが軽く頭を下げて手を振り、アランが無造作に笑い、ブラウは馬車に向かって両手を伸ばしていた。
ユリシア姉さんは無事を祈ることもなく己の欲望を伝え、エドガー兄さんは勝ち誇ったように俺たちに忠告する。
高みの見物かっ!
そう叫ぼうとしたら、その前に。
「エド兄。たくさん手紙を貰ってくるから楽しみに待っててよっ。あと、例の方にはエド兄が会いたがってたって伝えておくからさっ!」
「あ、バカッ、お前っ! 余計なこと伝えて、婚姻話にまで進んだらどうすん――ラインっ!?」
エドガー兄さんが叫ぶが時遅し。
既に馬車は屋敷を飛び出し、丘を下りだしていた。
……そういえば、一昨年、なんかそんな事言ってたよな。エドガー兄さんが中等学園に行きたくなるほどには、会いたくない人物がいるとかどうとか。
なるほど、婚姻話まで進む可能性があるのか。
楽しみだ。
「セオ、僕が言えたことじゃないけど、悪い顔をしてるよ」
「え、何それ?」
本当に楽しみだ。
13
読んでくださりありがとうございます!!少しでも面白いと思われたら、お気に入り登録や感想をよろしくお願いします!!また、エールで動画を見てくださると投稿継続につながりますのでよろしくお願いします。
お気に入りに追加
951
あなたにおすすめの小説

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる